【SUBARU23年上期決算解説】北米絶好調で蓄えるBEV転換への原資
ご安全に。
自動車メーカー決算解説、今回はSUBARU。北米での旺盛な需要により、業績好調。国内では新車種「レイバック」も発表し、多くの受注を得ています。日本メーカーの中でも先頭を走るEVシフトの計画を打ち出していますが、その進捗は。決算の内容を詳細に解説します。
1.半導体不足解消+円安効果はやはりデカい!増収増益の好決算

SUBARU 2024年3月期 第2四半期決算 アナリスト向け説明会資料より
2023年上期売上収益は前期比+4656億円(+26.4%)、2兆2135億円。SUBARUは、前年同期が半導体不足により大きく落ち込んでいるため、単純比較することはできませんが、前期より業績が好調なことは間違いありません。特に海外での売上が大幅に増えている(前期比+4555億円)が特徴的です。 営業利益は前期比+754億円(+68.2%)、1858億円、営業利益率は前期比+2ポイント、8.3%。営業利益率5%を超えれば優秀とされる自動車メーカーで8.3%は他社と比較しても高く、今回のSUBARUの決算は極めて好調と言えます。

SUBARU 2024年3月期 第2四半期決算 アナリスト向け説明会資料より
営業利益が大きく増えた要因は売上構成差。販売台数が増えたことに加え、価格構成(値上げ、上位Grの比率UP)が利益向上に大きく寄与しています。また輸出の多いSUBARUにとって円安も大きな追い風。為替益で+625億円を積み増しています。

SUBARU 2024年3月期 第2四半期決算 アナリスト向け説明会資料より
日本メーカーの中でも半導体供給不足の影響を大きく受け、販売/生産台数が伸び悩んだSUBARU。今期に入ってからは100%の解消といかないまでも、部品の供給状況は大幅に改善し増産モード。23年上期は販売46.9万台と前期比で+17.8%。依然コロナ禍前の水準までは回復しておらず、フル生産とは言えませんが、通期見通し101万台に対し、進捗率48.4%とほぼ計画どおり。また販売台数が17.8%の伸びに対し、売上は26.4%伸びていることを考えると1台当たりの価格/利益が大きく向上していることが見て取れます。
地域別の状況に着目すると販売、売上の大半(約70%)が北米が占めていることがわかります。(実は2022年の販売台数ではテスラよりも上。)北米はSUVなどの高利益車種の人気が高く、SUBARUブランドが浸透。着けば売れるまさにドル箱市場。今回の23年上期でも米国向けが4.8万台のプラスになったことが業績を牽引しています。ただ、販売が北米に偏りすぎていることは経営上大きなリスク。一本足の北米が倒れてしまえばSUBARUの業績も一気に悪化。SUBARUの経営状況を見る上では北米の景気動向をチェックしておくことが必要です。
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