【SUBARU23年度決算解説】トヨタ共に成長する100万台中堅メーカーの電動化戦略
北米での顧客からの厚い信頼、高い評価、旺盛な需要により、業績好調のSUBARU。ただ一方で主要市場であるアメリカでは26年以降、一部地域で内燃機関車の販売制限が始まり、早急な電動化が迫られています。24年3月期の実績と今後の戦略はどうなるのか。決算発表から読み解いていきます。
1.半導体不足の足かせが取れ、円安の追い風がもたらす増収増益の好決算
![SUBARU決算資料より作成](https://d2fuek8fvjoyvv.cloudfront.net/mobi-ima.theletter.jp/uploadfile/f91a7406-0aa1-4b88-9ada-3bded9cdf4f3-1715980276.jpg)
SUBARU決算資料より作成
2023年3月期売上収益は前期比+9285億円(+24.5%)、4兆7,029億円。SUBARUは、前期が半導体不足により生産・販売が大きく落ち込んでいるため、供給問題が本格的に解消した24年3月期では売上高が大きく伸びました。営業利益は前期比+2007億円(+75%)、4582億円、営業利益率は前期比+3.0ポイント、10,0%。営業利益率5%を超えれば優秀とされる自動車メーカーで10.0%は他社と比較しても高く、日本メーカーの中でトヨタに次ぐ高営業利益率となっています。
この好業績を支えているのはSUBARUの主要マーケットである北米での販売好調。販売台数は前期比+12.6万台(+20.2%)。北米でのSUBARU人気は非常に高く、販売店在庫日数は他メーカーと比べ非常に低く、また販売価格も高いことから、SUBARUの稼ぎ頭「ドル箱市場」。販売比率は75%以上を占め、SUBARUの業績は北米での販売で決まると言っても過言ではありません。
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営業利益が大きく増えた要因は売上構成差。販売台数が増えたことに加え、価格構成(値上げ、上位Grの比率UP)が利益向上に大きく寄与しています。また日本からの輸出の多いSUBARUにとって円安も大きな追い風。為替益で+1875億円を積み増し。他自動車メーカーと比べ、為替の影響が受けやすいこともSUBARUの特徴の1つです。
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絶好調SUBARUで悔やまれる点は24年2月に災害が発生し、工場の稼働が8日停止してしまったこと。人命を失う、自動車メーカーにとって最も起こしてはいけない災害。その影響はSUBARUの業績にも影響を与え、販売台数は23年10-12月期よりも減少し、売上高、営業利益も落ち込みました。業績への影響も大きいことももちろんですが、現場で働く人が安心して働ける環境であることが極めて重要。同じ事故を起こさないよう、再発防止を進めていかなくてはなりません。
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