転職を成功させるための「カギ」は何ですか?【製造系転職エージェントに聞いてみた②】

製造業、特に自動車業界に強い転職エージェントの方に最新の転職事情とキャリア形成でおすすめの考え方をインタビューしました。自動車業界で働く方必見です。
カッパッパ 2025.10.28
誰でも

大好評製造業、特に自動車産業に強い転職エージェントのメガネさんに聞く転職最新事情インタビュー。第1回目はこちらから。

第2回は具体的な転職活動の進め方です。具体的な転職活動の進め方やスケジュール、転職エージェントの活用の仕方、転職を失敗しないためにはどのように取り組めば良いのかなどをお聞きしました。転職回数が多いと選考に影響がある?といったカッパッパが気になることも具体的に質問しています。みなさんも関心の高い内容だと思うので、ぜひ参考にしてください。

転職を考えられている方はもちろん、考えておられない方でも実際の転職活動の中身が分かる、非常に役に立つインタビューとなっています。自動車業界及び製造業で働く方、これから自動車業界に入られる方、必見です!  

「モビイマ」をご購読いただいている皆さんには、特別にメガネさんがキャリア/転職相談乗っていただけることになりました!メールでの相談はなんと無料、オンラインでも格安のお値段となっておりますので、少しでも転職、キャリア形成を考えられておられる方はご活用いただけたらと思います(カッパッパも相談しましたが、ものすごく参考になりました)。相談の方法はこのニュースレターの一番最後に乗っておりますのでそちらをご参照ください。

「転職」と「転職活動」は違う

カッパッパ: 具体的に転職を考える際や転職活動の進め方、そしてその実態について知りたいです。カッパッパも転職活動をして今の自動車部品メーカーに入社しました。しかし、その時は深く考えずに良い求人があったから受けてみたという経緯で、エージェントも利用していません。加えてかなり前なので、状況は大きく変わっていると思います。そのため、今の転職事情や活動の進め方について、エージェントをされているメガネさんからお聞きしたいです。まずは転職活動はどのように進めていけば良いのでしょうか。

メガネ: わかりました。まず言葉の定義から説明させてください。「転職」と「転職活動」は明確に分けて考えた方が動きやすくなります。転職とは、現在在籍している企業を変えること、つまり会社を辞めて次の会社に入社することを指します。一方、転職活動とは、書類作成、応募、面接、内定獲得までの一連のプロセスを指します。

この二つの大きな違いは「後戻りできるかどうか」です。転職をしてしまうと、基本的に元の企業には戻れません。しかし、転職活動は途中で中止し、今の会社に在籍し続けるという選択が可能です。そのため、「転職活動に悩んでいる」という方には、一度書類を準備し、エージェントと話してみて、応募してみることをお勧めしています。なぜなら、簡単に元の状態に戻れるからです。

では、どのような時に活動を始めるべきか。転職を迷っているということは、少なからず今の仕事に対して不満や不安があるということだと思います。それが転職によって問題が解決するかどうかを考えることが重要です。

例えば、会社を変えないと状況が変わらない、不満が解消されないのであれば、転職活動をしてみるべきです。職場の人間関係への不満など、ジョブローテーションなどで他の職場に異動すれば解決する場合もあります。その場合、社内交渉やローテーションを活用するという手段もあるので、必ずしも転職だけが解決策ではありません。まずは転職理由を明確化し、それが職種、企業、あるいは職場を変えることで解決するのかを整理することが非常に大切です。

カッパッパ: そうですね。転職活動にはエネルギーと時間が必要なので、今の話を参考に自分の中で整理し、そのエネルギーをかける価値があると思えたら始めるのが良いと思います。

転職エージェントの有効な使い方

カッパッパ:具体的に転職活動は何からスタートしたら良いですか

メガネ: まず私がお勧めするのは、転職活動を迷った時点で、リクナビネクストやマイナビ転職のようなウェブサイトに登録してみること。そして、その次のステップとして転職エージェントに相談すること、この二つです。

注意していただきたいのは、転職エージェントは必ずしも「良い人」というわけではありません。彼らも不動産や保険の営業と同じように個人営業であり、転職を成功させて次の会社に入社してもらうことで自分の成績になるため、基本的に「応募しましょう」と活動を促してきます。迷った状態、特に転職理由が明確化・言語化できていない状態で活動を進めてしまうと、後戻りできない企業を選んでしまい、結果的にまた転職することになる可能性があります。そのため、転職エージェントとの面談に臨む前には、自分がこの面談で何を聞きたいのか、何が得られたら成功なのかをある程度決めておくことが重要です。

カッパッパ: 思い出しました。私も中途半端な気持ちでエージェントと面談をして、あまり良い印象を持てなかった記憶があります。

メガネ: 自分も相談したいことと、エージェントが活動を促してくることが噛み合わず、結果的に「このエージェントは合わないな」と時間の無駄になってしまうことがあります。

そのため、相手に自分の現時点での転職への考え方、聞きたいことを明確に伝えることが重要です。例えば、「今はまだ活動までは考えておらず、半年先までは現職に残ろうと思っています。今日聞きたいのはここなのですが、どうでしょうか?」というようにエージェントに投げかけると、持っている情報は教えてくれます。こうしたやり方で、エージェントに相談し、活用するのは有効だと思います。

転職の具体的な選考とスケジュール

カッパッパ: エージェントとの面談が入り口になっていくと思いますが、そこから先は転職活動はどのような感じで進んでいくのでしょうか。

メガネ: そこから先がいわゆる転職活動のプロセスに入ります。まず書類作成がスタートです。作成後、企業に対して書類応募を行い、面接は平均2回です。現在は一次面接と最終選考の2回が一般的です。その後、選考を通過すると内定が出て、内定承諾期間が設定され、最終的に内定となります。ここまでで大体2ヶ月が目安です。スムーズに進めば2ヶ月で、残りの退職交渉、引き継ぎ、入社までが平均2ヶ月なので、書類応募から入社までのトータル期間は4ヶ月程度が平均です。

もう少し前工程の期間を細かく説明すると、書類応募から結果判明までは、基本的に1週間以内に判明するようにエージェントと企業が連携していることが多いです。

書類選考を通過すると面接ですが、平均2回と言いました。日程調整と結果判明までの時間があるので、日程調整と結果判明を含めて大体2週間。これを2回繰り返すので、面接2回と結果判明で大体1ヶ月くらいというイメージです。そして、内定が出たら回答期限が大体1週間です。これでトータル2ヶ月となります。

以前の転職活動と最も大きく違う点は、面接がウェブでできるようになったことです。企業にもよりますが、一次面接はウェブでOKで、最終選考だけ来社を求める企業が増えています。

カッパッパ: うちの会社でもウェブでの面接の話はよく聞きますね。ちなみに、内定をもらったら辞退しても良いのでしょうか。

メガネ: 内定を辞退しても全く問題ありません。私自身も本業でエージェントをしている際には、「もし条件で不満があるようであれば、辞退してもらって良いですよ」と明言しています。法的な拘束があるものではないので、安心して辞退できます。

みんなどれくらい受けているのか?

カッパッパ:  そうなんですね。 ちなみに、皆さん転職活動でどれくらいの企業に応募するのでしょうか。

メガネ: 本当に人によって様々ですが、業界、職種、年齢によって非常にばらつきがあります。極端な話、1社か2社受けて内定が出る人もいれば、50社や100社応募してもなかなか内定が出ないという人もいます。平均すると、10社から20社程度の書類応募が多いです。

ざっくりとした平均通過率をお伝えすると、経験職種、例えば設計から設計、生産技術から生産技術のような場合、書類選考通過率は2~3割と言われています。その後の面接2回の選考通過率は、一次面接が3~4割、最終選考が6~7割と言われています。なので、大体10件から20件応募したら1件内定が出るかな、という計算になります。

カッパッパ: なるほど。今、同職種での話がありましたが、職種を変えたい場合、例えば調達から営業に行きたいといった転職も可能なのでしょうか

メガネ: できるかどうかで言えば可能です。ただ、転職活動の難易度が違ってきます。先ほど申し上げた通り、1社、2社応募して内定が出るケースは、現職との親和性が高いからです。同じ業界、同じ職種であれば、企業も即戦力性があると判断しやすいため、内定を出しやすい傾向にあります。

しかし、未経験職種となると、この人が活躍できるかどうかが分からないため、ポテンシャル採用しかできません。そのため、書類選考自体が通りづらく、かなり厳しいと言われています。さらに、未経験職種に行くということは、これまでの5年や6年といった経験を全く考慮せず、新卒と同じレベルで採用する必要があります。入社後の成長を考えると、どうしても若い人しか採用できない傾向にあり、あくまで一般論ですが、未経験への転職は28歳がデッドラインと言われています。

カッパッパ: なるほど。ちなみに、もう一つのパターンとして、同じ職種だけど異業界というパターンもあると思いますが、その場合の転職は可能なのでしょうか。

メガネ: 可能です。ただ、工夫が必要です。例えば、私自身の経験ですが、生産設備業界から自動車業界に転職した際、生産設備はオーダーメイド性が高く完全受注生産であるのに対し、自動車業界は量産見込み生産なので、モノの作り方が全く違いました。

そこで、いかに共通点を見出し、過去の経験を活かせるかを企業にアピールする工夫が必要です。やっている仕事の共通点は多いため、同じ職種の中で、この人がどのような学びができ、成長できる人なのかを企業に納得させることができれば、転職の可能性は高いと思います。

転職を成功させる秘訣

カッパッパ: 転職を成功させるための鍵のようなものはありますか。例えば、転職してもすぐに辞めてしまう、思っていた条件と違う、年収が上がらないといった「失敗」ケースもあると思いますが、失敗にしないためにどう臨めばよいかを知りたいです。

メガネ: まず、転職において「必ずクリアしなければいけない条件(マスト条件)」と、「こういうものがあったら良いなという条件(ウォント条件)」を自分の中で明確に分けることが重要です。よくある失敗例として、条件を見た時に「これなら許容範囲かな」と思って入社したら、それが許容できなかったというケースがあります。これは、転職に求めている条件のマストとウォントの整理ができておらず、自分がマストに入れるべき項目を見誤っていたために失敗しているのです。前提として、マスト/ウォントを明確化できていないと、入社後にまた転職してしまうことにつながる可能性があります。

また、転職を成功させるために、入社前に企業の情報を集めておくかが重要です。企業選びの情報収集については、オープンマネーやオープンワークといった口コミサイトに目を通すことをお勧めします。これらのサイトは、転職したい人が口コミを書くことで、他の企業の口コミを見るように促すビジネスモデルなので、ネガティブな情報が集まりやすい傾向があります。そのため、それを踏まえた上でフィルターをかけて読めば、リアルな内容が載っているので、転職で企業を選ぶ上で非常に参考になると思います。

さらに、企業によっては、一次面接や最終選考を通過した後に、より現場に近い人との話を聞く場として「条件面談」や「オファー面談」と呼ばれる場を設けてもらえることがあります。これは内定が出た後に組まれるため、選考要素はありません。そこで、自分が本当に聞きたいこと、今回の待遇、入社後の年収や昇進についても聞くことができます。

このように、入社前、意思決定前の不明点や不安をその場で解消できる情報収集をしっかり行うことが、転職を失敗しないための鍵になると思います。

カッパッパ: 転職は今割とメジャーになってきていると思いますが、製造業は比較的堅い業界なので、転職回数が増えると選考に影響があるのではないかと思うのですが、そのあたりはどうでしょうか。

メガネ: 転職活動回数は選考に影響します。企業規模が大きくなればなるほど、その線引きがはっきりしています。いわゆる上場企業の場合、企業ごとに考え方は異なりますが、20代で2回、30代で3回転職している場合は、企業が書類選考でお見送りするかどうか悩むラインになってきます。

「悩むライン」という表現を使うのは、その人の経験が非常に輝いていて、企業側が欲しい人材だと判断した場合、20代で転職3回目であっても、一度面接に呼んでみようとなる可能性が十分にあるからです。そのため、あくまで目安として、20代で2回、30代で3回というラインがあるという意味合いです。

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自分の市場価値や転職活動の進め方、キャリアをどのように築くべきかを知る、大変良い機会になると思うので、少しでも気になった方はぜひ連絡を取ってみてはいかがでしょうか(メール相談だけなら無料なので損はありません)。みなさんのご応募、お待ちしています。

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