最新の自動車業界転職市場ってどうですか?【製造系転職エージェントに聞いてみた①】
日本製造業界の最後の砦と言われる自動車産業。自動車産業に関わる人は550万人にも及び、完成車メーカー、サプライヤーでは多くの雇用を生み出しています。(カッパッパもその中で働く1人です)
JTC(日本型大企業)の代表とされ、新卒一括採用、年功序列、終身雇用が前提だった自動車産業ですが、近年は時代の変化を受け、キャリアの在り方が変わりつつあります。中途採用比率が増え、成果型評価に変わり、日産自動車が経営不振から大幅な人員削減を打ち出すなど、終身雇用も保証されるわけではありません。
こうした変化の中で、自動車産業でいかにキャリアを築いていくべきか、製造業、特に自動車産業に強い転職エージェントのメガネさんに最新事情をインタビューしました。転職を考えられている方はもちろん、考えておられない方でもこれからのキャリアを考える上で、非常に役に立つインタビューとなっています。自動車業界及び製造業で働く方、これから自動車業界に入られる方、必見です。
全3回でお送りする1回目は最新の自動車産業転職市場動向。転職市場全体や自動車業界の採用状況、年収相場などをお聞きしました。勤務地はどうなる?どんな職種が人気なのか?また外資は年収が高いの?といったカッパッパが気になることも具体的に質問しています。みなさんも関心の高い内容だと思うので、ぜひ今後のキャリアの参考にしてください。
「モビイマ」をご購読いただいている皆さんには、特別にメガネさんがキャリア/転職相談乗っていただけることになりました!メールでの相談はなんと無料、オンラインでも格安のお値段となっておりますので、少しでも転職、キャリア形成を考えられておられる方はご活用いただけたらと思います(カッパッパも相談しましたが、ものすごく参考になりました)。相談の方法はこのニュースレターの一番最後に乗っておりますのでそちらをご参照ください。
今回お話をお聞きした「メガネ」さんのプロフィール

大学は文系の学部を卒業し、新卒で事務系として生産設備の業界へ就職。入社後は生産管理として受注生産の機械を担当。完成品とサービスパーツの領域も担当し、約1年間タイに駐在。4年間後、自動車部品メーカーに転職。量産の生産管理に加え、新規立ち上げや調達のも担当。6年間務めた後に製造業界専門の人材紹介会社でエージェントへ転職。転職エージェントとしては現在4年目。

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最新の転職市場ってどうですか?
カッパッパ: メガネさんは製造業に精通した転職エージェントとして、自動車業界で働く方々にも的確なアドバイスをいただけると思い、今回インタビューをお願いしました。よろしくお願いします。それでは、まず今回の転職市場全体の状況について教えてください。
メガネさん: 転職市場全体としては、かなり良い状況だと言われています。人材業界では「バブルだ」と言われるほどです。転換点としてはコロナが最も大きく、コロナで一時的に求人数が激減しましたが、その後経済状況が一気に改善したこともあり、求人数は右肩上がりに増え続け、その状況が約4年間続いています。
カッパッパ: 転職市場の活況はカッパッパも感じています。自分の職場でも募集をかけてもなかなか人が採用できない状況が続いていますね。また、転職サイトでも求人が非常に多いと感じています。それでは、自動車業界の転職市場はどのような状況でしょうか。
やはり需要が高い職種は…
メガネさん: 製造業全体を含めてお話しすると、同様に活況な状態が続いています。ただ一方で、特に自動車業界に関して顕著な傾向として、特定の職種に対しては求人がかなり多く出ているのに対し、他の職種ではそうではないという状況があります。
その特定の職種というのが、いわゆる希少性の高い職種です。例えば、ソフトウェアエンジニアやIT関係のエンジニアなどが挙げられます。これらの職種は、自動車業界だけでなく他の業界も含めて取り合いになっているため、企業はいかに条件を良くして人を集めるかに躍起になっています。
カッパッパ: なるほど。ソフトウェアなどの「技術系」と営業や調達といった「事務系」では、募集の動向に違いがあるのでしょうか。
メガネさん: かなり変わってきています。自動車業界の中途採用で力を入れているのは、中心が技術系です。その技術系の中でも、IT関係の職種やソフトウェアが最も注力されています。
一方で、事務系の職種がどうなのかというと、申し訳ありませんが具体的な数字は把握していません。しかし、以前と比較すると求人数自体はそれほど増えていないと思います。
なぜかというと、事務系も確かに必要ですが、それよりも喫緊の課題として圧倒的に技術系の人材を集めないと、今の状況では生き残りができないレベルに来ています。そのため、まずは技術系の人材を集めるために費用をかけて採用しようとしているのが、企業の正直な現状だと思います。
カッパッパ: わかりました。ありがとうございます。ちなみに技術系の中でもソフトウェア系以外、例えば生産技術や設計といったメジャーな職種についてはどうでしょうか。
メガネさん: 生産技術や設計も活況ではありますが、量産に近い職種ほど求人は少なく、開発側、研究側になればなるほど多いという傾向があります。生産技術の話が出たので補足すると、その中でもIoT関係や自動化関係、スマートファクトリー関係の求人は、どの企業も積極的に出している傾向があります。
カッパッパ: やはり生産技術の中でも希少性、自動化関係に近いところに求人があるんですね。
メガネさん: これはもうどうしても今、労働人口が右肩下がりで減っていくことが確定しており、いかに人をかけずに済ませるかというところが、どの企業も力を入れていかなければならない領域です。そのため、工場の自動化に注力しているという状況です。
自動車産業で働くと勤務地は…
カッパッパ: ちなみに、製造業だとやはり工場や生産拠点での勤務地が決まってしまうことが多いと思うのですが、実際の求人はそういった場所に多いのでしょうか。
メガネさん: どうしても工場に近い職種であるほど勤務地の制限は出てきます。自動車業界だと、例えば東海地方や九州、中国、北関東あたりに集中してしまう傾向はあります。
カッパッパ: ある意味、応募する段階で勤務地が決定される、という形になるのですね。
メガネさん:ただ、以前は出社が勤務条件になっていたため、勤務地が固定されていることも多かったのですが、先ほど申し上げたように、企業としてこの領域はやらなければ生き残りができないという職種ではその条件は変わりつつあります。例えばIT系やソフトウェア開発、電気系の設計などについては、企業によって異なりますが、リモートワークOKや、大阪や東京に新しいオフィスを作るなど、何とかして人を集めようという姿勢が出てきています。そのため、勤務地の条件緩和も進んでいると思います。
カッパッパ: そうですね。この前、マツダが東京にオフィスを出したのが非常に印象的でした。すごくキラキラしたオフィスだと思いながら、工場とは違うなと思っていました。
メガネさん:ただやはりどうしてもソフトウェア以外や技術系、一般的なところで言うと工場などに配属される勤務地が多くなってしまうのが製造業の特徴です。工場に近ければ近いほど現場優先の考え方が出てくるので、現場に近い職種ほど出社する必要があり、その地域が限定されてしまうことが多いと思います。
気になる製造業の年収の話
カッパッパ: 製造業は他と比べたときに、年収はどうなのでしょうか。転職する際に優先度の高い条件になると思いますが。
メガネさん:製造業界と他の業界を比較するとなると、私の認識では、製造業界は日本の中では本当に真ん中くらいかなというところです。ただ、製造業界の中でも年収にはかなり強弱はあります。
年収の高い業界はどこかというと、ITが突出していますね。他のサービス関係のところなどもそうです。これはどうしてもお金の稼ぎ方の違いで、IT関係は固定資産を持たないため、稼いだ分だけ人に還元しやすい稼ぎ方をしているので、仕方がない部分だと思います。
カッパッパ:コンサルや商社などと比べると製造業も低めですよね。
メガネさん:コンサルや商社も、何か物を持って稼ぐビジネスモデルではありません。例えば商社だと物を仕入れて、それを欲しい人に売るという形でマージンを取るような形になっているので、その取ったマージンをそのまま自分の懐に入れるので稼ぎやすい。コンサルも結局、何を売っているかというと人を売っている形なので、人が動けば動くほどお金が入ってくるので、稼ぎやすいビジネスモデルであり、結果年収が高い傾向にあります。
日本の製造業の良いところ
カッパッパ:コンサルや商社と比較すると、給料は高くない製造業ですが、製造業で働くメリットはどのような点があると思いますか?
メガネさん: 製造業の強みは、長期的なキャリア、仕事面とプライベートの両面でキャリアを築きやすい企業が多い点にあると思います。先ほど勤務地の話にもなりますが、ある程度工場が決まってくるので、働くエリアが固定されていくことが多いです。そのため、長期的な観点で「自分はこういう人生を送るんだ」といった、いつ家を建てて、いつ結婚して、といったライフプランが立てやすいと思います。
カッパッパ:日本企業と外資と比べると、外資の方が年収が高いという話を聞くのですが、製造業ではいかがなんでしょう。
メガネさん: 製造業全体と自動車業界では少し毛色が違うので、分けてお話しします。製造業全体で言うと、やはり外資の方が年収は高い傾向はあります。突出したところだと、製薬業界などで1000万円を超える提示金額を出してくる企業も多数あります。一方で、外資はどうしても解雇のリスクは常につきまといますし、長期的なキャリア、ライフプラン形成は、難しい部分は多いでしょう。
自動車業界に話を移すと、確かに外資の方が高い傾向はあるものの、先ほどの製薬業界のように全くレベルが違うかというと、それほどではありません。世界的なシェアで見たときに、やはり日本自動車メーカーは強く、待遇面でも大きな差はついていないのではないかと思います。
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自分の市場価値や転職活動の進め方、キャリアをどのように築くべきかを知る、大変良い機会になると思うので、少しでも気になった方はぜひ連絡を取ってみてはいかがでしょうか(メール相談だけなら無料なので損はありません)。みなさんのご応募、お待ちしています。
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