5分でわかるクルマニュース_モビイマ!1/30

自動車業界の最新ニュース解説を発信するニュースレター、モビイマ!。先週のニュースをダイジェストで紹介。この記事だけ読めば、最新の自動車ニュースを抑えられる。1週間の始まりにぜひ一読を。
カッパッパ 2023.01.30
誰でも

ご安全に!

先週はニュースそんなにないやろと油断していたカッパッパです。いきなり一気にニュースたくさん出されても書くリソーセスがぁぁぁぁと嘆いても仕方がないので、今回はボリューム多めです。

と、月曜の朝は「モビイマ!」の5分でわかるクルマニュースから。

先週のニュース/トピックスをカッパッパが厳選。コメント付きで解説。この記事だけ読めば、最新の自動車ニュースを抑えられる。1週間の始まりにぜひ一読を。

世代交代

トヨタ自動車は2023年1月26日、2023年4月1日付の役員人事を発表した。
 代表取締役会長の内山田竹志氏が会長を退任し、代表取締役社長兼CEOの豊田章男氏が代表取締役会長に就任する。新社長兼CEOには執行役員の佐藤恒治氏が選ばれた。佐藤氏はチーフブランディングオフィサーで、レクサスブランドやGAZOO Racingの社内カンパニーのトップも務めている。2023年6月に開催予定の第119回定時株主総会を経て、内山田氏は取締役から退任する予定だ。
https://monoist.itmedia.co.jp/mn/articles/2301/27/news089.html

26日に急遽入ってきたビックリニュース。トヨタ、そして日本自動車業界の顔、豊田章男氏が4月に社長を退任し、会長へ。新社長にはレクサスブランドやGAZOO Racingの社内カンパニーのトップの佐藤恒治氏が就任

社長になってから14年。リーマンショックによる赤字転落、アメリカでの品質不具合での公聴会呼び出しと苦難の時期から始まった豊田章男氏の社長就任。危機を無事に乗り越え、2010年代には台数を含め、再び成長軌道に。新工場建設などを中止し、販売台数が少なくても儲けられる「筋肉質」な体質のトヨタを作り出し、販売台数世界一位を達成。86やGRシリーズなどの「走る愉しみ」を作るクルマも送り出しました。EVシフトへの遅れなどへの批判も多かったですが、ここまでトヨタ、そして日本自動車業界を率いてきた貢献度は非常に大きいと思います。新型プリウス、クラウンの販売を見届けて退任はちょうど良いタイミングなのかもしれません。まだまだ「モリゾウ」としての活動は続けられる、また自工会の会長は辞めないはずなので、メディアへの露出はあると思いますが、大きく立場は変わってくるでしょう。

新社長の佐藤氏は53歳という若さ。トヨタほどの大企業が抜擢⇒他社も追随するので、非常に良い事例になるかと。日本型大企業、積極的にトヨタが変えていこう(実際に変わっているかはさておき)という意気込みを感じます(「トヨタがやっている」は自動車業界では非常に通りやすい)

新社長の就任コメントこの部分がすごく好きです

「クルマ屋にしかつくれないモビリティの未来」に一歩でも近づけるよう、ガムシャラに取り組んでまいります。

問題は次の決算

米電気自動車(EV)大手テスラが25日発表した2022年10〜12月期決算は売上高が前年同期比37%増の243億1800万ドル(約3兆1400億円)、純利益が59%増の36億8700万ドルとなり、そろって過去最高を更新した。インフレ下で小刻みな値上げを繰り返したことでEVの平均単価が上昇し、利幅が改善した。半面、販売台数の伸びは鈍化した。
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN194I30Z10C23A1000000/

テスラ、22年10-12月期の決算を発表。過去最高の売上、純利益を記録。22年はテスラ大当たりの1年。直近では大幅値下げしましたが、10-12月期は値下げ前であり、高営業利益率をキープ。16.0%は自動車メーカーとしては破格であり、この四半期で言えばトヨタを超える可能性が高いです。いや本当にすごい決算(通常だとテスラは決算発表後値を下げることが多いのですが、今回は上昇)

相変わらずクレジット、排出権取引でも467百万$稼いでいてこれも大きい…BEV専売、かつパイオニアの優位性を大いに活かした好決算内容になっています。

ただ不安点がないわけではありません。自動車事業の粗利率は22/3Q 27.9%⇒25.9%の▲2ポイント。これは10月から中国で値下げをした影響、および原材料高騰/為替影響による悪化だと思われます。直近の大幅値下げは原価低減を受けてという意見もありましたが、この決算を見る限り、値下げ幅ほどの原価低減が進んでいるわけではなく、次回決算(23年1-3月期)は利益率は下がりそうです。

今回カッパッパの注目は決算後のカンファレンスコール。詳細は下記にまとまっています。

長いので注目ポイントだけまとめると

  • 値下げにより粗利率は20%になる見込み

  • FSDが完成すれば100%の粗利率で販売可能

  • サイバートラックはおそらく量産開始は来年から

  • 23年は180万台の計画

  • 1月の受注は過去最高 生産量のほぼ2倍

続きは3/1のインベスターデイでということなのでその時を楽しみに待つしか…(廉価版のモデル2発表に注目)

テスラの大幅値下げによってより競争が激化したEV市場。テスラが次回どんな決算になるのか。台数及び利益に注目です。

牛!アフリカ!セニアカー!売り上げ2倍!

 スズキは2023年1月26日、2030年度に向けた成長戦略を発表した。各国政府が掲げるカーボンニュートラルの達成目標時期に基づいて、製品、製造、バイオガスなどの領域で取り組みを進める。主要な事業地域である日本、インド、欧州を核に、カーボンニュートラル社会の実現や、インド、ASEAN、アフリカなど新興国の経済成長に貢献していく。

スズキが1月26日に2030年度向けた成長戦略を発表。ほぼ同タイミングでトヨタ、社長交代のニュースが入ったために、注目度が低くなってしまいましたが、この戦略がめちゃくちゃ面白く、実にスズキらしい。

1つ目の大きな軸は「カーボンニュートラル」。その中でも中心はやはり電動化。スズキがターゲットとする各市場で具体的な数値計画を発表。

https://www.suzuki.co.jp/release/d/2023/0126/より引用

https://www.suzuki.co.jp/release/d/2023/0126/より引用

日本では23年から商用車を皮切りにBEV投入し、30年までに6モデル、販売比率20%。欧州では24年からBEV投入、30年までに5モデル、販売比率80%。主力市場インドでは24年からBEV投入し、30年までに6モデル、販売比率15%。

日本では軽自動車/小型自動車向けにHEVを設定し全体の電動化を推し進め、欧州ではBセグ、SUVを中心にBEVを展開。(2030年段階で日本/欧州は電動化率100%=BEV以外はHEVなのもポイント)

そして面白いのはインド。BEV投入以外でバイオガス燃料を活用したカーボンニュートラルな内燃機関車を開発予定。

スズキ「2030年度に向けた成長戦略説明会」より引用

スズキ「2030年度に向けた成長戦略説明会」より引用

インドといえば「牛」。牛糞を車両燃料に活用する実証実験をすでに開始。バイオガス 1500Kg /日⇒500台分のCNG車に転用できる事業を24年から稼働する計画です。BEVだけではないインドの特徴を活かしたカーボンニュートラルで実にスズキらしい。

スズキ「2030年度に向けた成長戦略説明会」より引用

スズキ「2030年度に向けた成長戦略説明会」より引用

自動車以外でも2輪、船外機でのカーボンニュートラル、EVも発表。注目は電動モビリティ。高齢化が進み、免許返納者も増える中で移動手段としてセニアカー、その進化系を開発。今後需要が伸びることが予想され、生活の足を支えるスズキらしいターゲットであると思います。

また製造時のカーボンニュートラル、スマートファクトリー化や塗装工場の刷新、再エネの活用により2035年のカーボンニュートラル化に取り組む予定です(CSR上大変大事)

スズキ「2030年度に向けた成長戦略説明会」より引用

スズキ「2030年度に向けた成長戦略説明会」より引用

研究開発費、設備投資計画では2030 年度までに研究開発(電動化、バイオガスなどのカーボンニュートラル領域や自動運転)に 2 兆円、設備投資に 2.5 兆円、あわせて 4.5 兆円(電動化関連2 兆円、そのうち 5,000 億円を電池関連)。スズキの規模からすると非常に大きな投資額。戦略の中でも触れられていますが、トヨタや他社と連携し、いかに効率的な投資ができるかが成功のカギとなるでしょう。

スズキ「2030年度に向けた成長戦略説明会」より引用

スズキ「2030年度に向けた成長戦略説明会」より引用

そして連結売上高目標。2022年3月期3.5兆円⇒2030年7兆円の2倍に。これほどの成長戦略を掲げている自動車メーカーは国内ではありません。これから急成長するインド、そしてその先のアフリカでの販売拡大、4輪車以外での収益の確保。これらが上手くかみ合えば実現不可能ではありません。いや本当にすごい計画です。

【今週の一言】

Twitterは不快なツイートは見ないようにミュート、ブロックを活用するのが精神衛生上望ましい…というのはわかっているのですが、そうすると自分にとって都合の良い情報しか入ってこずに「タコツボ」化してしまうので、それはそれで難しいなと思う今日このごろ。バランス…

それにしてもイーロンマスク氏がTwitter買収してから改悪が続いているのでもう少し使いやすくしてほしい。サードパーティーアプリを使えなくしたのは本当に許せない…(featherというアプリをずっと使っていました)

***

今回のニュースレター、感想をいただけると大変励みになります。もしよろしければTwitterで呟いていただけると大変うれしいです!

今回も最後までお読みいただきありがとうございました!!

・トヨタやテスラなど自動車メーカー最新情報
・CASEなどの業界トレンドを詳細に解説
・各自動車メーカーの戦略や決算分析

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