5分でわかるクルマニュース_モビイマ!10/10
ご安全に!
急に寒くなったのでこの週末で衣替え。だけど、週明けからはまた熱くなるんかい!どっちかに絞ってほしい。天候に文句の多いカッパッパです。(子供が体調を崩しがちなので大変)
月曜の朝は「モビイマ!」の5分でわかるクルマニュースから。
先週のニュース/トピックスをカッパッパが厳選。コメント付きで解説。この記事だけ読めば、最新の自動車ニュースを抑えられる。1週間の始まりにぜひ一読を。

4か月ぶりに再開
トヨタ自動車は10月6日、バッテリEVである「bz4X」と同社が生産するスバル「ソルテラ」のハブボルトに関するリコールを国土交通省に届け出るとともに対策を発表した。
両車のハブボルトに関しては、6月23日にボルトが緩む問題によるリコールを同じく国交省に届け出。このリコールによる事故は起きていないが、生産を停止するとともに、販売なども休止していた。
ハブボルトが外れ、脱輪の懸念でリコール、生産が止まっていたトヨタ「bz4X」とスバル「ソルテラ」、異常の解明と対策が完了し、生産再開に。
「ディスクホイール取付部において、ホイールの加工およびハブボルトの仕様が不適切なため、ハブボルトの締結力が車両の走行性能に対して不足し、連続した急加速や急制動の繰返し等で、当該ボルトが緩むことがある。そのため、そのままの状態で走行を続けると、異音が発生し、最悪の場合、タイヤが脱落するおそれがある」
脱輪となると人命にも影響する非常に重大な異常。それだけに慎重に調査、対策が行われ、時間がかかった模様。

ハブボルトの緩みが起きた原因について、ディスクホイールの製造品質のブレが想定よりも広かったことを挙げる。工業製品である限り、ある程度の品質揺らぎは製造上の理由で仕方がないが、設計想定値の範囲外のホイールが存在したこと。「ホイール側の面性状が規定どおりにできていないくて、滑りやすい状態にあった」
図面の仕様通りにディスクホイールができていなかった⇒工程能力が不足しており、バラツキ上規格公差外れが発生し、今回の異常が発生したとのこと。通常、生産準備段階で作りこみ、工程能力は確保しなければいけないはず。流動数が少なくて検証が不十分だった…といった要因がありそう。
ただ通常こうした重要な箇所は安全率を十分に取り、図面を多少外れていたとしても要求される機能は満たす場合が多いのですが、今回は設計段階でのロバスト性も低く、実車で異常が発生したと思われます。そのため、対策も原因のあったディスクホイールだけでなく、ハブボルトにも実施。ワッシャー形状一体型から、それぞれ別部品とし、さらにOリング状のゴムを挟み込むとかなり入念な内容。
この件については次回のニュースレターでより詳細にお伝えする予定ですので乞うご期待。
工場が生産再開して何より。出だしで大きく躓いてしまったわけですが、何とかここから生産回復を狙っていきたいトヨタEV。今後の売れ行きに注目です。
約30万件はでかい
トヨタ自動車は10月7日、クルマ向けネットワークサービス「T-Connect」ユーザーのメールアドレスと「お客様管理番号」、29万6019件が漏えいした可能性があると発表した。 2017年7月以降にT-Connectユーザーサイトにメールアドレスを登録した人が該当する。氏名や電話番号、クレジットカード番号などが漏えいした可能性はないという。
今年に入って相次ぐトヨタ関連の不祥事。今回はトヨタのコネクテッドサービス「T-Connect」ユーザーのメールアドレスと「お客様管理番号」、29万6019件が漏えいした可能性が。アドレスと管理番号のみなので影響は少ないかもしれませんが、情報漏洩リスク自体に間違いはなく、重大問題。
開発委託先企業が、取り扱い規則に反してソースコードの一部を誤って公開設定のままGitHubアカウントにアップロードしたこと。その後、5年にわたって第三者がソースコードの一部にアクセスできる状態で放置
トヨタ本体が悪いわけではなく、委託先のチョンボかつ長期間放置と、トヨタにとっては「自分のところじゃないのに感」がある訳ですが、影響を受けるのはトヨタユーザーなので、やはり矛先が向くのはトヨタ。
トヨタは「ソースコードの不適切な取り扱いが原因。改めて委託先企業と共に個人情報取り扱いに関する管理の徹底、およびセキュリティ機能の強化に向けた取り組みを進める」と説明している。
大企業っぽく、これまた実装の際に十分なチェックが必要とされる対策になりそう。IT系よくある例としては、原因「うっかりしていた」⇒対策「しっかりする」なのですが、これはいつまでたっても人頼みなので、仕組みとして落とし込んでいかないと(チェック体制が念入りだとスピード感も落ちてそれはそれで問題なのですが)
本当に悪いことばかりが起きるトヨタ。ここが踏ん張りどころでもあると思うので、改善を進めて、良いニュースがつづく下半期になってほしいと思います。(クラウンが好スタートなのは良いニュースですね)
連合見直し?
日産自動車は提携先の仏ルノーに対し、保有する日産株の一部売却を求めている。ルノーとの20年超にわたる連合の枠組み見直しに向けた交渉の一環だ。複数の関係者が明らかにした。 両社の経営陣は日仏を行き来して詳細の詰めに取り組んでおり、早ければ11月の発表を目指しているという。 関係者によると、アシュワニ・グプタ最高執行責任者(COO)ら日産幹部は先月下旬にフランスを訪問し、ルノーが新設する電気自動車(EV)部門に日産が投資する可能性を協議した。
日産/ルノー、株式売却により連携関係を見直し?日産の方が規模が大きい割にルノーが主導権を握っていたり、日産の株価が落ちたせいでルノーの損益に大きく影響したりとなかなかややこしい両者の関係。+ルノーのバックにはフランス政府(昔はゴーンさんの影響もあって)もいて、ただ単に企業だけでない点もややこしさが。
ルノーがEV事業を新設するにあたり、事業出資の条件として株式売却が見込まれるとのこと。日産にとっては自社の決定権が増す、ルノーにとってはEV事業での資金確保ができるとプラスの面も大きいので、実現可能性は高そう。EVシフトが進むにつれ、自動車会社の連携状況もまた変わってくると思うのですが、今回はその先駆けとなるかも。
連合が解消されるわけではないので、自動車の開発自体は連携が続けられていくと思われます。CASE、本当に研究開発費が莫大なので、3社のつながりは切れないでしょう。報道では11月に具体的内容が発表予定とのことで続報、要チェックです。
社長はそのままです
日野自動車のおよそ20年にわたるデータ不正問題で会社は7日、国土交通省に再発防止策をまとめた報告書を提出しました。また、経営責任を明確にするため、小木曽聡社長の報酬の減額や取締役を含む役員4人の辞任、さらに歴代の社長などに報酬の自主返納を求めることを発表しました。
不正問題で窮地に立つ日野自動車、経営責任明確化のため、役員4人の辞任、小木曽社長の報酬の減額、歴代の社長などに報酬の自主返納を求めることを発表。
今回の不正が防げなかった要因を考えればTOPの責任は重く、辞任は当然といえる対応。長年にわたっていたことを踏まえると歴代の社長、不正への関与が指摘された役員に報酬の自主返納を求めるのも妥当。自動車業界の根幹を揺るがす不正であるだけに処分は厳格であるべきだと思います。
重要なのは不正をただし、体制を再構築するこれから。今、社長を変えてもより混乱を招くだけなら現小木曾社長を継続し、体制を立てなおすのが最適。
親会社であるトヨタは
「日野自動車が公表した再発防止に向けた対応策は、同社が真摯(しんし)に検討した結果であると受け止めている。皆さまの信頼に足る企業として生まれ変わるべく、日野自身が時間をかけて、粘り強く継続的に取り組んでいく必要がある」
などとするコメントを発表。
信頼回復のため、いち早い対策を打って、不正の発生しない体制作りを!と思うのですが、ネット情報から上がってくる対策だとちょっと不安になってきます。。。(ツイート再掲)

【今週の一言】
生まれてこの方初めて「ニューモデルマガジンX」を読んだのですが、今後販売される車種に開発コードが書いてあってビックリしました。自動車業界ではばらしてはならない情報のはず…業界自体が広いので漏れるのはしょうがないのかと思ったり。
こちら雑誌に一度情報を流すと、延々脅されて情報を要求されるのは有名な話。この雑誌、「デマ流されて外れている(クスクス)」くらいで見るのが業界人としては一番楽しいのかもしれません。
いろいろなことで忙しく、先週はニュースレター発信できずに申し訳ありませんでした。
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「bz4Xリコールから考える品質問題対応」(10/12)
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「22年上期振り返り 終わりが見えない半導体供給問題と変わる仕入先とのパワーバランス」(10/16)
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「テスラ7-9月決算徹底解説」(10/23)
の予定で発信予定です。こちらどれも充実した内容となっておりますので乞うご期待!
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今回も最後までお読みいただきありがとうございました!!
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