【クルマニュース】7/4~7/10 まとめ モビイマ!【Vol.9】

自動車業界の最新ニュース解説、おすすめレポ、本を紹介するニュースレター、モビイマ!第9号。【ニュース】日産、EV部品開発費を部品メーカーに補償へ/中国・アメリカ以外からの新規参入、ベトナム「ビンファスト」とは?/今週のテスラetc.
カッパッパ 2021.07.12
誰でも

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クルマのイマがわかる「モビイマ!」

( 2021年7月12日発行 )

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ご安全に!

最近ニュースが少なめで、実はネタに困っていたりするカッパッパです。

探せばそんなことはないのかもしれませんが、どうしようと頭をなやませていたりします。

ということで今回はニュースではなく、カッパッパの気になる、とあるメーカーを解説することにしました。

では「モビイマ!」Vol9スタートです。

【目次】

1. Weekly Mobility News

  • 日産、EV部品開発費を部品メーカーに補償へ

  • 中国/アメリカ以外からの新規参入、ベトナム「ビンファスト」とは?

  • 今週のテスラ

2.モビカイブ

  • 空飛ぶクルマがカッコいい!!

3.余談:ヘノヘノカッパッパ

  • 「人が『推し』のことを早口で語るのを聞く」のが好き

【今週のクイズ】

自動車メーカーは雇用や地域産業に貢献するため、企業城下町として社名が町の名前になることがあります。次のうち実際には存在しない地名はどれでしょう?

ここに配置されたボタンは、ニュースレター上でのみ押すことができます。

1. Weekly Mobility News

Weekly Mobility Newsでは、自動車業界1週間の注目ニュースや記事を紹介し、Twitterよりも深掘りした情報・視点を発信します。自動車業界の最新トレンドはこれさえ読めば大丈夫!

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日産、EV部品開発費を部品メーカーに補償へ

7/7の日経1面で報道のあったビッグニュース。

日産自動車がEV部品の共同開発する際に、部品メーカーに費用の一定額を補償する制度を年内にスタート。その名も「アライアンスストラテジックパートナー(ASP)」

開発は往々にして延期や凍結されることがあり、その際の費用負担については日本自動車メーカー間では不明確…というか実際支払うことが少なかったと思います。これは「ケイレツ」日本自動車メーカーと部品メーカーの関係性の中で受注が確定してから、開発を両社で進めるという形式が多く採用されてきたからなのですが、時代は変わりつつあり、明確に「補償」へ。EVをめぐる環境が変わり、部品メーカーと新興EVメーカーも取引をするケースが想定され、従来の「ケイレツ」、契約や法律上で明確になっていない関係性が徐々に崩れている証なのかもしれません。

EV軽量化に直結する車体の骨格や駆動部分などの中核部品が対象。ASPに参加するのはユニプレスやヨロズといった日産と親密な企業が中心

ただし対象は限定され、日産系の部品メーカーかつ中核部品。

共同開発した製品が採用されない場合、1案件当たり人件費で数百万円から数千万円を負担する。試作品を作れば数億円単位になる見通し。

金額に関しても「うーん、そんなもんかなー」なのですが、ただ貴重な開発リソースを割くことを考えると、部品メーカーとしては微妙。もらえないよりは全然良いのですが。

欧州自動車メーカーと独ボッシュなどとの共同開発では契約で部品を必ず採用することが条件であるケースが多く、採用できなければ違約金として費用を支払う。

 グローバルスタンダードなのは、「開発中止⁼違約金を支払う」なので、今後も進んでいきそう。

なおTwitterのTLの反応では「そんなことよりも先にまず支払うべきものが」「企画台数に達しない補填は」「いつ払うとは書いてないですね」と日産に対して冷たい反応、恨み節が。皆さん、わりと困っているのですね…

中国/アメリカ以外からの新規参入、ベトナム「ビンファスト」とは?

今週はニュースが少なめだったので、気になる自動車メーカーを紹介します。

その名も「ビンファスト」。ベトナムの新興自動車メーカーです。

これまで自動車の新規参入はテスラやRivianといったアメリカ勢とNIOや蔚来汽車(NIO)、理想汽車(Li Auto)といった中国勢が注目されてきました。

実はASEAN、ベトナムからも新規参入し、自動車業界に新風を吹かせようというメーカーがあります。それが「ビンファスト」。目標は東南アジアトップの自動車メーカーになり、2025年までに年間50万台を製造する計画を立てています。

「ベトナム?大したことない、安価な地元のメーカーでしょ」と思った方、侮るなかれ。なかなか品質、そして生産においても革新的に取り組んでいます。ベトナムの財閥ビングループ(Vingroup)が投資し、2018年に工場を建設、生産を開始。2019年が1万7,214台、コロナ禍の2020年でも前年比71.3%増の2万9,485台を販売。ビングループ内で、不動産業と連携したキャンペーンを行うといったあたり、財閥だからこそできる国内での販売戦略で、ベトナム地場ブランドとしての地位を固めつつあります

車の品質に関してもエンジンなど重要な部品はヨーロッパやアメリカなどから購入し、車のデザインはベントレー、BMW、キャデラック、フェラーリ、ジャガー、ランボルギーニ、メルセデスベンツなどの高級車のデザインを手掛ける有名なイタリア人デザイナーに依頼とかなり力を入れています。

こちらが代表車種の「Lux SA2.0」ですが、最新のトレンドをおさえたデザインでなかなかカッコいい…

そしてビンファストが最も力を入れているのがEV事業

EV,「VFe34」の受注をベトナム国内で開始しており、納車開始は11月。

「VFe34」はCセグメントのスポーツ用多目的車(SUV)クロスオーバータイプ。42キロワット時(kWh)のバッテリーを使用し、フル充電で300キロ走行できる
国内販売価格は6億9,000万ドン(約331万2,000円、1ドン=約0.0048円)。バッテリーはサブスクリプション方式(定額利用サービス)で提供する。月間利用料は145万ドンと、ガソリンでの走行にかかる費用と同水準に設定されている(注)。バッテリーは充電性能が70%を下回ると、新品と交換できる。顧客の初期費用を抑えると同時に、バッテリーの品質リスクを保証するという。

バッテリーがサブスクリプションスタイルなのは面白い。6月末まではプロモーションとして、1億ドンを値引きと実際には300万を切るかなりEVとしては頑張った価格に。ベトナム国内で受注開始から12時間で3,692件の受注を記録とかなり好調な滑り出し。スペック等を見る限り、既存の新規EVメーカーが出している車種とそん色なしというより、安価で買いやすい設定。

そんなビンファストは国内だけでなく、海外展開も視野に入れています。

「市場規模が年1,600万~1,800万台の米市場でも、EVが占めるシェアは今のところ2%で、ビングループとしては米市場全体で1%のシェアを確保したい」と強調。達成期間については「5年以内に」と語り、年16万~18万台を米国で販売する目標を示した。さらに「EVは先進国においてもまだ新しい概念だ。グローバル市場に進出し、世界地図に名前を刻むことを使命とするビングループにとって、絶好の武器になる」と意欲をみなぎらせた。

またアメリカでの現地生産も考えているとの報道も。

アメリカで上場させる手続きも進んでいて、この辺りは中国の新興EVメーカーとほぼ同じ。「ベトナムなんて自動車としては後進国」と思っているうちに、ASEANやアメリカに食い込んでくる未来があるかもしれません。

ベトナムの自動車メーカー「ビンファスト」注目です。

今週のテスラ

時価総額世界最高の自動車メーカー、テスラ。なんだかんだでみんな大好き(テスラニュースは伸びが良い)、ニュースには事欠かない。ここでは1週間のテスラニュースを振り返ります。

発売されるのは標準レンジ仕様のモデルYで、政府の補助金を考慮した場合の価格は27万6000元(4万2588ドル)から。ロングレンジ仕様のモデルYの価格を約20%下回る。

中国では品質問題で揉めてることもあるんですが、廉価版が出るとまた販売伸びそう。

テスラはかなり前向きな計画を発表するんですが、自動運転は発表よりもかなりビハインドが出そうです。まぁそうだよなぁ。

テスラそのものじゃないんですが、ミキティ、スマホでテスラ購入

スマホで短時間で買えるのはやっぱりインパクトあるなぁと思うのでした。

でも460万の買い物がすぐできるというのもそれはそれで怖い(ビビり)

その他の気になるニュース、ツイート

先週のニュースレターで書いたアメリカの混迷する自動車市場、この記事はまとまっていて非常にわかりやすい。他社が半導体供給問題で稼働率を50~60%に落とす中、トヨタが稼働率90%を維持は本当に調達力を感じさせる。単に「ジャストインタイム」の在庫の持ち方をしているわけではなく、持つべき在庫は持っている(というか持たせている)。しかもこれ、アメリカだけじゃなくて中国など含めたグローバルで高い稼働率維持。

作れば売れる状況になっているので作ったクルマは即売り上げに。この4-6月もトヨタは強そう。

2.モビカイブ

「モビカイブ」ではカッパッパがおすすめのクルマに関する動画をお勧めします。クルマは文字だけでなく、動いている方が面白い!見て楽しい動画をご紹介します。

***

クラインビジョン社の開発している空飛ぶクルマ、「エアカー」が超未来的でカッコよい。

空飛ぶクルマ、ドローンみたいなやつでしょ…と思っていたんですが、そのフォルムは完璧にクルマ。小さいころSF漫画で見たやつそのままやん!という未来の形。飛んでいる姿は超クール。飛行機→地上走行する際の「変身」も主翼を折りたたんで、尾翼を格納。時間3分のフォルムチェンジ。地上走行時はリアウィング付きスーパーカー

まだまだ試作段階で実用段階には時間がかかると思います。ただ、空飛ぶロボット、ドローンは最近急速に普及が進み、配送にも利用されつつあり、あと50年もすれば、空飛ぶクルマがメジャーになるのかもしれません。空飛ぶと交通事故も少なくなりそう…夢が広がる動画でした。

3.余談:ヘノヘノカッパッパ

100%私的なtwitterやnoteでかけないよもやま話。皆さんの役には立たない「チラシの裏」。ご興味がある方のみ、お読みいただければ

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先日の企画「モビトーーク」でぱらたさんと話をしている時に思ったのですが、「人が『推し』のことを早口で語るのを聞く」のが好きです。熱く語ってくれるのってすごくエネルギーがあって、自分の知らないことがたくさん出てくる。その人が好きなんだなぁと伝わってくる雄弁さ。以前は飲み会の時に聞くことが多かったのですが、最近聞けてないなと思い出しました。

早くワクチンを打って「今、はまっているものって何ですか?」って聞く飲み会したいなと思っている今日この頃です。

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カッパッパが最近はまっているのは井村屋「あずきバー」です。安くて美味しい。1日1本食べてます。体重減らそうと頑張っているのですが、あずきは健康に良いという理由であずきバーはOK(と個人的に思っている)。食べた分は走ります。

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【今週のクイズ】

自動車メーカーは雇用や地域産業に貢献するため、企業城下町として社名が町の名前になることがあります。次のうち実際には存在しない地名はどれでしょう?

正解は「② ニッサン町」。トヨタ町はもちろん、ダイハツ町、スバル町もあります。そのほとんどが工場なのですが、一部は住めたり…〇〇町で郵便が来るってなんかすごいですね!

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最後までお読みいただきありがとうございます!!クルマのイマがわかる「モビイマ!」感想をいただけると大変うれしいです。

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