【徹底解説:自動車メーカー決算 SUBARU】「造れれば売れる」増収増益、好調業績に潜む「一本足」リスク

自動車業界の最新ニュース解説を発信するニュースレター、モビイマ!。今週からは「各自動車メーカーの22年4-6月期決算」を解説します。第3弾はスバル。22年3月期は減産に苦しんだスバル。4-6月期に入って生産挽回は進んだのか。どこより詳しく解説します。
カッパッパ 2022.08.05
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高級品をあまり食べたことがないので、たまに食べると「高い味がする」という感想になる、貧乏性の舌、カッパッパです。

自動車メーカー決算シリーズ、第3弾はSUBARU。2021年度、減産割合が他社と比べ高く、生産調整の大きかったSUBARU。4-6月期では生産の挽回、業績を回復させることが出来たのか。

その内容をどこよりも詳しく徹底解説します。

1.為替益がやはりデカい!増収増益の好決算

SUBARU(スバル)は8月3日、2022年4~6月期(第1四半期)の連結決算を発表。販売台数の増加や円安効果で営業利益は前年同期比25.2%増の370億円となった。
全世界販売台数は、半導体供給不足による生産制約の影響は残るものの、前年同期比11.7%増の20万5000台となった。国内生産は同15.3%増の13万5000台、海外生産は同5.4%増の7万台となった。これを受け全世界販売台数は、重点市場である米国を中心に堅調に推移し、同11.7%増の19万6000台となった。売上高は販売台数の増加などにより、同31.3%増の8341億円となった。

2022年4-6月期売り上げは前期比31.3%プラス、大幅増の8341億円。前年同期がコロナ、半導体不足により大きく落ち込んでいるため、単純比較することはできませんが、前年より業績が回復していることは間違いありません。特に海外での売上が大幅に増えています。

営業利益も前期比25.2%増の370億円。増収増益、SUBARUの4-6月期決算は業績好調といえる内容になっています。決算会見では「私たちとしては生産や販売が何とか前期に対しプラスになったことは評価しているので、造れれば売れるというところはお示しできたと思っている」とコメントがありました。

営業利益の増減要因を見ると、やはり大きいのは為替益。4-6月期のみで444億円。海外、輸出の割合が多いSUBARUにとって円安は大きな追い風。ただ、足元の原材料高騰により△173億円のコスト増もあり、前期比では74億円のプラスにとどまっています。

ややこしいのが諸経費が△330億円と大きくコスト増になっている点。こちらは保証修理費246億円と多くを占めています。これは製品に不良があった時のための製品保証引当金、海外分の引き当てが円安により160億円積み増す必要があったため。円安は減益要因にもなりえるのです。(決算会見でも「急激な為替変動とか会計要因もあってなかなか正確な姿が見えにくいと認識している」とわかりづらさが強調)また直近では設備投資を進めていることから、製造固定費が69億円、コスト増になっています。

前期、日本自動車メーカーの中で半導体供給不足の影響を最も受け、生産台数が伸び悩んだSUBARU。4-6月期は生産20.5万台と前期比ではプラス。でもまだまだフル生産とは言えません。ただ、販売台数は11.7%の伸びに対し、売上は31.3%伸びていることを考えると1台当たりの価格が大きく向上。高価格帯の販売が好調なことが見て取れます。「米国市場向け販売奨励金については、前年同期の台当たり1,100ドルに対し200ドル減となる900ドル」と元々少なかったインセンティブも過去最低レベルにまで下がり、1台当たりの利益が出やすい体質に。

地域別の状況を見ると販売、売上の大半が北米が占めていることがわかります。北米はSUVなどの高利益車種の人気が高く、SUBARUブランドが浸透。着けば売れるまさにドル箱市場。ただ、販売が北米に偏りすぎていることは経営上大きなリスク。一本足の北米が倒れてしまえばSUBARUの業績も一気に悪化。SUBARUの経営状況を見る上では北米の景気動向をチェックしておくことが必要です。

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  • 2.通期見通しは据え置きながらも「チャレンジ」

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