【徹底解説:自動車メーカー決算①】車は作れていないけれど、好業績?
ご安全に!
気がつけば1月も終わり、あっという間に2月。2022年は自動車生産挽回…のはずが、早速コロナ感染拡大で完成車メーカーの稼働停止が相次ぎ、1月は出鼻をくじかれた月になってしまいました。2月から挽回となっていますが、現状コロナ感染拡大は収まっておらず、果たして2月も生産できるのか。というか半導体不足まだまだ続いている気がするんですが…
と現状はさておき、今週から各自動車メーカーの21年10-12月決算発表が始まりました。非常に生産に苦しんだ10-12月期。果たして各社の業績はどうなるのか。
全体動向を抑えたうえで、発表のあった三菱自動車、スズキ、部品メーカーの解説、そして次週発表がどうなるのかについて予想します。
1.モビコラム

モビコラムでは、カッパッパが自動車業界最新トレンドを独自の視点と切り口で語るコラムです。かなり力を入れた内容で仕事/投資に役立つこと間違いなし!
①苦しかった2021年10-12月期の生産と生産が落ち込んでも業績が好調になる理由
各社の決算解説に先立ち、今回発表の対象となる21年10-12月期がどんな時期だったのか確認しましょう。この時期は21年最大の問題、半導体供給不足に最も影響を受けた時期でした。日本メーカーは3月のルネサス火災が復旧完了したため、挽回のための計画を策定していましたが、前工程を含めた能力不足は依然深刻。中間在庫も食い尽くしてしまったがゆえに、半導体供給可能量⁼生産となり、各社生産の調整に非常に苦労をしました。
代表的なのがトヨタ。8月末に告げた9月大幅減産の「トヨタショック」。9月以降、トヨタは工場の稼働調整を行い、10-12月期では全工場が通常稼働で生産できる時期はありませんでした。これまで生産調整を行わなかったトヨタも追い込まれる、海外メーカーを含めた他社も同様の生産調整を実施し、前年比生産マイナスとなる月が続きました。
今回の決算ではこの生産⁼販売台数が落ち込んだ時期に売り上げはどの程度達成できたか、果たして利益を上げることが出来たのかが一番の焦点になります。また、足元コロナ感染拡大による生産調整を含め、通期台数及び業績の下方修正を行うかどうかに注目です。
ただ生産が苦しいのですが完成車メーカーにとってはプラス要素もあります。一つは完成車在庫大幅減に伴う販売奨励金の低下です。クルマが作れないので、需要>生産が続き、未だかつないほど完成車在庫は低下。「あれば売れる」状況なのでわざわざ値引きをする必要がなく、販売奨励金は過去最低(米国)=1台当たりの利益は向上しています。作れる数量も限られているため、利益の高い車種に絞って生産をしていることも押し上げに繋がります。加えて各社の想定レートよりも大幅に進んだ円安は輸出産業の自動車業界にとって大きなプラスとなります。
ただ、完成車メーカーにとってはそうした恩恵があるものの、部品メーカーは販売奨励金の減は影響がなく、加えて足元の原材料高騰が大きな重しとなり、厳しい決算が予想されます。
ではでは、実際のところ決算はどうだったのか。今週発表の「三菱自動車」「スズキ」、そして部品メーカーについて見ていきましょう!
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