【自動車メーカー決算解説:日産】祝黒字化!収益構造改善と通期見通しの中身とは?
ご安全に!
これからは株式投資と思いたち、買ってみた米国株が今は1/4のお値段。積立NISAで頑張ろうと決めたカッパッパです。(家計は嫁カッパが握っています)
自動車メーカー決算シリーズ、第5弾は日産。これまで赤字が続き、構造改革がすすめられている日産。ただ、EV「アリア」を発表し、ノートの販売も好調。電動化では一日の長があり、ルノー/三菱自動車とのアライアンスを活用した車両開発も続々と続けられています。
果たして今回の決算はどのような結果、そして通期見通しはいかなる予想になっているのか。
決算発表資料が「やりました」アピールの情報量が多く、理解しづらい日産決算。カッパッパが代わりに読み解き、どこより詳しく解説します。
1.祝!3年ぶりの黒字化
2021年度の売上高は前年同期(7兆8626億円)から5620億円増となる8兆4246億円、営業利益は前年同期(-1507億円)から3980億円増の2473億円、当期純利益は前年同期(-4487億円)から6642億円増の2155億円。また、グローバル販売台数は前年同期(405万2000台)から17万6000台減の387万6000台となった。

2022年3月期売り上げは売上高は2021年3月期から5620億円増となる8兆4246億円(+6.6%)、営業利益は3980億円増の2473億円。3年ぶりの黒字を達成しました。新型コロナウイルスの感染拡大や半導体の供給不足を受け、グローバル販売台数は2021年3月期から17.6万台減の387.6万台。販売台数が落ち込む中で売上高が増加したことは1台当たりの価格、そして利益が向上していることが見て取れます。

営業利益を大きく押し上げた要因は「販売パフォーマンス」。これは販売奨励金減や販売価格の改定(=値上げ)による1台当たりの価格の向上。特にアメリカでの改善が目覚ましく、通期で2239億円の販売奨励金減。アメリカの販売台数が89.3万台なので決算資料の中では1台当たり25万円も奨励金が減ったことに。(そりゃ黒字になる)
これまで多額の販売奨励金を出し、なかなか利益を上げることができなかった日産。この1年でその傾向は大きく変わりました。

ただし、販売台数は前年比▲4.3%の387.6万台。全需が+1.8%と比較すると、他社よりも販売が伸びなかったことがわかります。

完成車の在庫状況も減る一方。2021年3月末と比較すると半分以下にまで減少。本来であればより生産して、売上高、利益を出したかったはず。。。部品供給問題による制約が日産の業績に大きな影響を与えています。
販売価格の改善により黒字化を達成できたものの、生産の伸び悩みがネックになっている日産。果たして今年2023年3月期はどのような計画になっているのでしょうか。