5分でわかるクルマニュース_モビイマ!4/17

自動車業界の最新ニュース解説を発信するニュースレター、モビイマ!。先週のニュースをダイジェストで紹介。この記事だけ読めば、最新の自動車ニュースを抑えられる。1週間の始まりにぜひ一読を。
カッパッパ 2023.04.17
誰でも

ご安全に!

GWでは1日フリーな日を作ってサウナに行こうと思っているカッパッパです。整いたい(行けてない

月曜の朝は「モビイマ!」の5分でわかるクルマニュースから。

先週のニュース/トピックスをカッパッパが厳選。コメント付きで解説。この記事だけ読めば、最新の自動車ニュースを抑えられる。1週間の始まりにぜひ一読を。

3車種追加

 トヨタ自動車は4月12日、昨年発売した「クラウン クロスオーバー」に続く、3つの新たなクラウンとして「スポーツ」のHEVを2023年秋頃、PHEVを2023年冬頃、「セダン」を2023年秋頃、「エステート」を2024年に発売予定であることを明らかにした。

トヨタ、新型クラウン、現在販売中のクロスオーバーに加えて、「スポーツ」「セダン」「エステート」の新型3車種の詳細を発表。各車種が販売されることは事前に発表済みでしたが、具体的なパワートレイン、スペックが公開されました。

  • 「スポーツ」 : HEV 2023年秋販売開始 PHEV 2023年冬販売開始

  • 「セダン」  : HEV 2023年秋販売開始 FCEV 2023年秋販売開始

  • 「エステート」: HEV 2024年 販売開始 PHEV 2024年 販売開始

この中でも注目すべきはセダンのFCEV。燃料電池車はトヨタMIRAIだけでしたが、クラウンでも販売されるように。共にセダンタイプでかぶっていることもあり、クラウンに統合されていくのかもしれません。(ちなみにセダン全長×全幅×全高=5030×1890×1470mmとめっちゃ長くてこれまでの国内仕様サイズと異なる)

大幅にモデルチェンジしたクラウン。受注も好調の様で納期も他トヨタ車同様に長期化し、すでに1年先に。新しい車種を早く予約した方が入手が早いかもしれません。

今回のクラウンは世界40か国へと輸出されるグローバルモデル。世界で主流となっているSUVクロスオーバーモデルですが、これまでは国内専売であったために日本以外での需要が果たしてどうなるのか。「一度はクラウン」が日本から世界へ展開できるか、国内のみならず海外の販売動向にも注目です。

組むのは韓国

ホンダは11日、韓国の鉄鋼大手ポスコと電気自動車(EV)に搭載する電池のリサイクルなどについて連携する検討を始めたと発表した。ホンダはポスコから車体に使う鋼板を調達してきた。EVの普及を見据え、電池のリサイクルや素材調達、駆動モーターに使う高性能材料「電磁鋼板」などでポスコとの関係を強化する。

ホンダ、韓国鉄鋼大手のポスコとの連携を発表。これまで日本の自動車メーカーは国内鉄鋼メーカー日本製鉄、JFEと組んで車両に使用される材料を調達してきましたが、近年では海外メーカーとの取引も活発になっています。電気自動車ではこれまでとは違う高性能材料(電磁鋼板)が必要となり、またSDGsの観点からCO2の排出を抑えた鋼板が求められます。ホンダ⇔ポスコにて鉄鋼だけでなく電池の材料、リサイクルを含めて両者で連携を進め、関係を強化する方針が公表されました。

自動車では1台に約1tの鋼材が使用されているとされ、コストや性能を含めてどこから調達するかはサプライチェーン構築においても非常に重要なポイント。これまでは自動車メーカー側が強く、多量に買うことを武器に高品質の鋼材を価格を抑えて購入してきましたが、近年では日本メーカーの値上げ要請を受け、価格が向上、関係は変わりつつあります(これにより鉄鋼会社の業績が大きく改善しています)

自動車メーカーとしてはより安価な調達先から入手するために海外メーカーと組む戦略はおおいにあり。ポスコは「無方向性電磁鋼板」などの高い技術力もあり、生産拠点も韓国と比較的近い。原材料高騰が叫ばれる中、ポスコとの連携でコストを下げることが出来れば、採算性の悪い4輪事業の業績改善に大きな効果が出るでしょう。現段階ではあくまでも「検討」なので、どこまで実際に連携できるか。続報に注目です。

早まる規制

バイデン米政権は12日、自動車の新しい環境規制を導入すると発表した。自動車メーカーに対し、二酸化炭素(CO2)排出量を2027年から段階的に50%程度削減するなどの厳しい基準を設ける。米政府は新規制で32年に新車販売の最大7割が電気自動車(EV)になるとみており、EV普及を後押しする。

バイデン政権が掲げる「気候変動対策」。温暖化ガスの削減につながるEVシフト、ここに来てアメリカが一気に加速しています。これまでアメリカはガソリンが比較的安く、平均移動距離が長いため、EV普及は先進国の中でも早くない…はずだったのですが、バイデン政権になってからは状況は一変。30年50%BEVの高い目標を掲げ、今回ではさらに32年に26年比でCO2排出50%削減→達成のためにはBEV比率を70%にまで上げる必要のある基準が設定されました。

まだこの規制は確定ではない(これから企業からの意見を聞き最終決定)ものの、厳しい環境規制の方針が出されることに、どれほどバイデン政権が力を入れているかがわかります。このBEV普及は単に気候変動対策だけでなく、IRA(インフレ抑制法)と合わせて、北米での自動車産業誘致、中国を締め出したサプライチェーン構築の意味合いもあり、自動車メーカーは新工場設立など投資に向けた動きが活発になっています。

一方、環境規制が先行した欧州ではあまりにも規制が厳しいために、対応を後ろ倒しにしてほしいとのお願いも。

欧州やアメリカでは決めたゴールが都合が悪くなると動かしてしまうのはよくあること。今回の環境規制も実際に決まるのか、また決まった後でも実際に適応されるのか…はこれからのアメリカのBEV市場の結果次第になりそうです。カリフォルニア州のZEV規制が強まる26年が一つの節目。今後3年のBEV展開が自動車メーカーの行末を左右していくでしょう。

【今週の一言】

村上春樹久しぶりに読んでいるのですが、ものすごく読みやすくて頭にスッと入ってくる文章力ほんとすごいと思います(普段はSF、ミステリ、ホラーばかり読んでるカッパ)

カッパッパ@ニュースレター「モビイマ!」🚗
@kappapa03
カッパはKindleでハードカバーを躊躇いなくポチれるくらいの豊かさを目指しています。
と言いながら3000円はちょっと躊躇いました。
2023/04/13 07:56
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***

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今回も最後までお読みいただきありがとうございました!!

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