テスラ23年1Q決算徹底解説【大幅値下げでも営利10%超えのすごさ】

自動車業界の最新ニュース解説を発信するニュースレター、モビイマ!今回は号外版として、テスラ2023年1Q決算について詳細に解説します。
カッパッパ 2023.04.21
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今回は号外版として「テスラ2023年1Q決算」のニュースについて詳細に解説します。BEV世界販売台数TOP、各地域でシェアを伸ばし続けるテスラ。ただ今期は大幅な値下げを実施。事前に発表のあった生産、販売台数ではこれまで同様高い数字を維持していましたが、大幅値下げが業績にどう影響してくるのか。各社がBEVに力を入れる一方で、赤字の企業が大半。BEVTOPメーカーであるテスラの今回の業績に非常に注目が集まっています。果たして23年1Qの業績は?

自動車業界の方、テスラファンのみならず、クルマに少しでも関心のある方、必見です。

値下げしても利益率11.4% 儲ける力が半端ない

テスラ決算資料より ギガベルリンの組立ライン

テスラ決算資料より ギガベルリンの組立ライン

電気自動車(EV)最大手の米テスラが19日発表した2023年1〜3月期決算は純利益が25億1300万ドル(約3400億円)と、前年同期比で24%減った。四半期ベースで前年実績から減益となるのは19年10〜12月期以来、約3年ぶり。23年1月から米国で主力車種の値下げを重ね、中国でも価格を引き下げている。販売台数を確保する狙いだが、価格改定が収益に影響するかたちとなった。
23年1〜3月期の売上高は前年同期比24%増の233億2900万ドルで、自動車関連の売上高は18%増の199億6300万ドルだった。EVの世界販売台数は36%増の約42万台。売上高の伸び率は、販売台数の伸びより低くなった。

テスラ、23年1-3月期決算発表、世界各地で大幅値下げをした影響により売上高、純利益は22年10-12月より下がったものの営業利益率は11.4%と高水準を維持。他自動車メーカーが5%前後、(トヨタは22年10-12月期7.6%)であることを考えると依然高い水準を維持。テスラの「稼ぐ力」は自動車メーカーの中でも随一といえる「強さ」を持っています。

実際の決算資料を見て、その強さを確認していきましょう。

売り上げは233億2900万ドルで約3.1兆円。値下げの要因により、自動車事業で前期213億ドル→199億ドルと前期比▲7%営業利益率も16.0%→11.4%と前期比▲4.6ポイント。

確かに売上高の伸びは止まり、営業利益率も下がってきたと言えるかもしれませんが、他自動車メーカーと比較すれば極めて優秀な業績。テスラも大幅な値下げをしましたが、他自動車メーカーも中国では同様の大幅値下げを実施しています。他社の決算が出てくれば、テスラは比較するとマイナスの幅は小さく、依然BEVトップメーカーとして自動車業界の中でも断トツの業績上げている…となりそうな予感がしています。

この利益を支えているのはコスト削減。今回の決算資料では主力「モデル3」が18年比で▲30%のコスト削減を実施したことが発表。値下げをできる余力は製造原価を下げることによって生み出されています。ただ値下げ幅が非常に大きいために、1台当たりの利益は減少。右肩上がりの成長!とは大々的に言うのは難しくなっています。

ちなみに毎回注目される「排出権取引(クレジット)」、今期は5億2100万ドル。毎年1Qが高い傾向にあるのですが、前年今回の決算から6億7900万ドルからはマイナス。他社が徐々にEVシフトを進めていく中でクレジットでの利益は少なくなっていくのかもしれません。(テスラはもはやクレジットなしでも十分黒字なので問題ないかもしれません)

販売台数は過去最高を記録。生産は44.0万台、販売は42.3万台。今期は主力の上海工場が春節で長期に止まっていたにも関わらず、過去最高→各工場がフル生産で稼働していたことがわかります。立ち上げに苦しんでいたベルリン工場も遂に3シフトを開始するという報道もあり、23年4-6月期も過去最高を記録することになるでしょう。

少し気になるのは徐々に在庫日数が増えている点。前期13日→15日へ増、前年同期は3日だったので12日間も増えています。特にモデルS/Xは生産19437台に対し、販売が10695台と単純計算で在庫が8742台増えている計算。約2.4カ月分の在庫を抱えていることになり、正直あまり売れていないのでは疑惑があります(そのため直近で大幅な値下げがなされたのでしょう)

と書いた後で決算発表後のコールを確認したところ、モデルS/Xの在庫増は中国、欧州向けに販売開始→輸送途中の在庫が増えたことによる要因と説明がありました。輸送中の在庫であれば次の2Qに売上として反映されるので業績に大きな影響はないと考えるべきでしょう。

また「スーパーチャージャー」の設置数も前年同期比33%の4947台に。1Qで300台ずつ増えている計算なので1ヵ月に100台設置していることに。短時間で充電可能な独自の充電網の整備もテスラの大きな魅力の1つです。

大幅な値下げの影響が懸念された今期の決算でしたが、業績は自動車メーカーでは極めて優秀で隙の無い好決算。他社と比較しても頭一つ抜けている業績。ベルリン、テキサスがフル生産できるようになった際には純利益ベースで世界で一番稼ぐ自動車メーカーになる可能性が高いです。

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