テスラ22年1Q決算徹底解説【営利19.2%=自動車メーカーの数字じゃない】

自動車業界の最新ニュース解説を発信するニュースレター、モビイマ!今回は号外版として、テスラ2022年1Q決算について詳細に解説します。
カッパッパ 2022.04.22
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ご安全に!

今回は号外版として「テスラ2022年1Q決算」のニュースについて詳細に解説します。21年決算が絶好調だったテスラ。今回も業績が良いのはわかっていましたが、予想以上の好業績に。自動車事業での営業利益率19.2%ってもはや完成車メーカーの営業利益率じゃない。世界で1番儲かっているメーカーかもしれません(対抗できるのは高級車メーカーメルセデスベンツくらい)。売り上げ、利益、販売台数も過去最高を記録した歴史的な決算。どこよりも詳しく、ここでしか書けない解説。自動車業界の方、テスラファンのみならず、クルマに少しでも関心のある方、必見です。

圧倒的利益率19.2%=もはや自動車メーカーの数字じゃない

電気自動車(EV)メーカーの米テスラが20日発表した2022年1~3月期決算は、売上高が前年同期比81%増の187億5600万ドル(約2兆4000億円)、純利益は7.6倍の33億1800万ドルだった。中国政府による都市封鎖(ロックダウン)の影響で中国・上海工場が期末にかけて操業を一時停止したものの、売上高と純利益はそろって四半期ベースで過去最高を更新した。

テスラ、21年10-12月期決算を発表。わかっていたけど、強すぎ!自動車メーカーとは思えない、利益率とその成長。今、世界で一番稼げる自動車メーカーはテスラなのかもしれません。

実際の決算資料を見て、その強さを確認していきましょう。

売り上げは187億5600万ドルで約2兆4000億円=日産とほぼ同じレベル(通期で8兆8000億円⁼1Q2兆2000億)。圧倒的なのは営業利益率で19.2%。日本でも絶好調トヨタの2021年度通期見通しが9.3%と比較するとそのすごさがよくわかります。(会計基準の違いがあり一概に比較はできないのですが)純利益は前期比7.6倍の33億1800万ドル。伸び率が凄まじいです。

今回の決算で気になるのは「排出権取引(クレジット)」(上から2行目;of which regulatory credits)の収入。6億7900万ドル(871億円)。営業利益19.2%のうち3.6%稼いでいる計算。ただ、前四半期より倍増している要因が不明。過去の決算でも1Qは高い傾向なので、クレジット取引の時期の都合かもしれません。額としては過去最高。販売台数が増えている分、クレジットでの収入も大きくなっています。(他社がEVシフトを進めるので、クレジット取引は減るかもと予想していたのですが、そんなことはなさそうです)

販売台数も過去最高を記録し、31万台超え。生産は3月末上海ロックダウンの影響ありで、惜しくも前四半期を超えることが出来ず。依然過去最高レベルを更新続けています。生産能力がフリーモント、上海ギガファクトリー合わせて105万台とされていて、1Q当たり26万台がマックスのはずなのですが、それ以上の数字。上海工場を中心に土日含めたフル稼働で生産している状況なのでしょう。半導体不足で世界各社が操業を止める中、テスラは問題となっている旧世代の半導体使用が少ない/またはソフトウェアの書き換えなどで押し切ったとされ、実力以上の稼働を成し遂げています。

作れば作るほど売れる状況で在庫も非常に低水準。遂に在庫日数3日まで低下。生産してすぐ販売に結び付けられる=キャッシュフロー上、非常に有利。(なお、供給が絞られている都合上、自動車業界全体で今は在庫日数がかなり少なめ)

未だかつてない好決算。正直自動車メーカーの業績とは信じられない。営業利益率19.2%、今後も維持できるのであれば、ベルリン、テキサスの新工場が立ち上がり、フル生産になる2023年には純利益ベースで世界で一番稼ぐ自動車メーカーになる可能性が高いです。

その他の決算の見どころ

今回の決算発表資料、業績以外での見どころをピックアップ

新工場/新製品の予定

4月よりベルリン、テキサス工場が立ち上がり、テスラは4工場体制に。ベルリン、テキサスは立ち上がったばかりのため、まだ生産量は少ないですが、あと数ヶ月もすれば、フル稼働になるはず。年間150万台ほどの生産能力となるでしょう。

販売が遅れているサイバートラックもテキサス工場生産が正式に決算資料に。計画では来年の頭ごろからになる見込み。

広告費かけなくても売れてます

決算資料に解説もなく唐突に出てくるグラフ。

テスラは広告を一切うっていないのですが、「スーパーボールの後にオーダーこんだけ増えたで」を示しています。ドヤ感を感じる…

言いたいことはわかるけど

テスラの営業利益率の伸びを表したグラフ

他社と比べて、伸びがすごいことはわかる。ただ、他社の線の色が同じで、どの線がどのメーカーなのか全くわからない。会社でつくるとすごく怒られそうなのですが、これでOKが出たんですね…

周りの人の「テスラらしさ」

ギガベルリン立ち上げの1コマ。マスク氏の隣に移っているのがシャツを着た青年たちでいかにもテスラっぽい。いい笑顔。

シンプルなのはいいことだ

アルミダイキャストによる一体鋳造で車体構造をシンプルに。溶接個所1600削減は生産性に大きく寄与。これを決算資料に出すの好き。

***

今回は決算資料の中身について詳細に解説しました。好業績なのはわかった。でもなぜこんなに儲かっているのか?その理由は次週のニュースレターで発信予定。

「テスラが儲かる7つの理由」皆さんもなぜテスラがこんな儲けられるのか、ぜひ考えてみてください。

本当は決算資料解説と同時に書こうと思っていましたが、あまりのボリュームに次週別途発信します。乞うご期待!

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