【ホンダ 23年第3四半期決算解説】過去最高を更新するイマだからこそ進める構造改革

自動車業界の最新ニュース解説を発信するニュースレター、モビイマ!。「各自動車メーカーの23年第3四半期決算」解説、今回はホンダ。4輪=自動車の利益率が低く、構造改革を進めてきたホンダ中国市場での販売台数が大きく落ち込む中で、今期決算そして展望やいかに。
カッパッパ 2024.02.16
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「四輪は儲からない。」昨年2022年度は最終的に品質費用が計上され、通期で四輪事業が赤字になってしまったホンダ。苦しんできた四輪の収益性改善のため、会社の体制の見直し、工場/モデルの集約化などの構造改革を推進。好調二輪にも支えられ、過去最高の売上、営業利益が見えてきました。

1.四輪復活!北米と二輪パワーで過去最高更新へ

  前期22年度決算、単独では赤字に陥った四輪事業でしたが、今期業績は回復。四輪事業の売上高は10兆1,205億円(前年同期比+28%),営業利益は4,605億円(前期比+307%),営業利益率は4.6%まで上昇しました。前期の決算資料で記載のあった金融サービス込みでの四輪営業利益率は、四輪事業単独でも十分に営業利益率が確保できていたために、今期は削除。決算資料の構成を見ても、四輪事業が好調であることが分かります。

好調の要因となったのは北米での販売台数の大幅な伸び。前年比+42.8%の102.4万台。前年半導体不足で大きく生産を落としていたことを踏まえても、台数の増加率は約1.4倍と著しい数字になっています。前年度にデビューさせた新型車『アコード』『CR-V』『パイロット』の需要に対し、半導体不足から解消され、生産が追いつき、販売が大幅に増えました。新型車は価格も改訂しているため、1台当たりの単価、利益も向上。進めていた構造改革も効果をあげ、営業利益率は他社に引けを取らない4.6%にまで回復しました。

不振が続いていた中国でも4-12月期で前年同期比、▲0.5%、101.4万台とほぼ横ばい、10-12月期に限れば+24.8%と販売は回復しています。ただこれは前年が半導体不足による減産で大きく販売量が減っているためで需要が大幅に増えたわけではありません。ホンダにとって中国は極めて重要な市場です。22年度、ホンダ四輪中国販売台数は124万台で日本(56万台)の2倍以上、全体の約1/3を占めます。地場メーカーとの競争が激化する中でいかにシェアを維持できるのかが喫緊の課題となっています。

利益の増減要因を見ると、販売影響(=台数増)、売価/コスト影響(単価UP)が大きなプラス要因。この2つの要因により営業利益は大幅に伸びました。ただ注目すべきなのは諸経費が▲3666億円と売価/コスト影響のプラスをほぼ打ち消している点。これは一過性の品質費用(シートウェイトセンサー リコール▲550億円)と八千代工業の再編による減損▲450が大きな要因です。八千代工業はホンダ系列の連結子会社でしたが、インドの大手部品サプライヤー、マザーサン・グループへの売却が決まり、株式を公開買い付けしたことで評価損が発生しました。構造改革費用であり、将来に向けた戦略的な一時的な損失。競争の激しいEV市場に本格参入する前、業績が比較的好調な今だからこそ構造改革を進め、体質を強化する戦略です。

四輪事業もさることながら、やはりホンダの業績を支えているのは二輪事業。世界TOPは伊達じゃない。収益性の高さはすさまじく、驚異の営業利益率17.5%。売上高は四輪事業の約1/4ながら、営業利益は全体の1/3以上を稼ぎ出しています。自動車以外の事業を持ち、十分に稼げる力を持っているは他社にないホンダの強みです。

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