新型SUV「CX-50」から見えてきたマツダ販売戦略【これからは北米の時代!】_モビイマ!_Vol.40

自動車業界の最新ニュース解説を発信するニュースレター、モビイマ!第40号。【ニュース】マツダ、新車SUV「CX-50 」を北米で発表。直近の決算や販売動向を含めてマツダの今後の戦略を分析、解説します。他にも今週のテスラやクルマ・マメチシキなど内容盛りだくさんでお送りします。
カッパッパ 2021.11.22
読者限定

ご安全に!

布団から子どもたちがなかなか出てこなくなってきて、寒さを感じる今日この頃。カッパッパの寝てる位置が一番窓際で、外からの冷気が伝わってきて辛い。昨年は段ボール引いて対処したのですが、今年はどうしたものか。

ちなみに子どもたちが朝起きる時間がギリギリになったので、毎朝ドタバタ劇を繰り広げることに。「さぁ、着替えていくよ!」と無理やりパジャマを脱がせ、体操服を頭からかぶせています。朝飯も早く食べてほしい。食べきった後に「おなか減ったからコーンフレーク食べる」って言わないでほしい。

時間と心の余裕が欲しい朝を過ごしています。

みなさんも急な寒さに体調を崩されぬようお気を付けて。

それでは、今週もモビイマ!スタートです。

***

【目次】

1. モビニュース!

  • 新型SUV「CX-50」から見えてきたマツダ販売戦略【これからは北米の時代!】

  • 今週のテスラ

  • その他気になるニュース、ツイート

2.クルマ・マメチシキ

  • 【内示】

3.余談:ヘノヘノカッパッパ

  • 「同じ値段ならどのEVを買いますか」アンケート結果発表!

***

【今週のクイズ】

現在販売されているマツダのSUVは「〇X‐〇」という名前が付けられています。

次のうち、日本では販売されていないクルマはどれでしょう??

ここに配置されたボタンは、ニュースレター上でのみ押すことができます。

答えはニュースレターの最後で‼

***

1. モビニュース!

「モビニュース!」では、自動車業界1週間の注目ニュースや記事を紹介し、Twitterよりも深掘りした情報・視点を発信します。自動車業界の最新トレンドはこれさえ読めば大丈夫!

***

新型SUV「CX-50」から見えてきたマツダ販売戦略【これからは北米の時代!】

マツダの米国部門は11月15日、新型クロスオーバーSUVの『CX-50』(Mazda CX-50)をワールドプレミアした。
マツダは2022年から、新型クロスオーバーSUVをグローバルで5車種投入する計画だ。5モデルの中で、米国向けとなるのが、CX-50、『CX-70』、『CX-90』の3車種となる。
このうち、CX-50は、SUVらしい存在感やオフロード性能が求められる米国市場に向けて、新たなラインアップの中核として導入されるクロスオーバーSUVだ。『CX-30』などと同じく、マツダのスモールラインナップに属するという。
https://response.jp/article/2021/11/16/351384.html
いかつくてカッコイイ!!

いかつくてカッコイイ!!

マツダが北米向けクロスオーバーSUV「CX-50」を世界初公開。事前に決算資料等で北米向けに販売されることは発表されていましたが、外観を含めた詳細が発表されたのは今回が初めて。これまでのマツダ、「魂動デザイン」は都市型の洗練されたイメージが強かったのですが、今回の「CX-50」はアウトドア、オフロード志向

PVでもボートを車上に乗せ、森の中を颯爽と駆け抜ける、発表ではダート路面を快走するシーンが登場、フロントバンパー下のアンダーガードやホイール見てもかなり本格的なアウトドア仕様。これまでのマツダ車にはないSUVになっています。

個人的にはかなりカッコイイデザイン。日本だとフォレスターやエクストレイルなどと競合しますが、十分に売れそう…と思いきや販売は北米だけで日本販売は計画されていません。実に残念。CX-50、位置づけとしては「スモール商品群」なんですが、CX-5よりも一回り大きい、写真を見る限り全幅デカそうで一体「スモールとは」という気持ちが。(ラージはFRという位置づけなのでしょう)。ピックアップトラックが売れる北米にしたら確かにスモールなのかもしれません。

なお、パワートレインは2.5LガソリンのスカイアクティブG 2.5と、同ターボのスカイアクティブG 2.5Tを搭載。将来的にHV設定も販売される予定です。

 マツダの専務執行役員(北米事業統括)でノースアメリカン最高経営責任者(CEO)のジェフ・ガイトン氏は15日、来年の「CX-50」を皮切りに新型SUV(スポーツ多目的車)3車種の展開を見込んでおり、マツダが2020年代半ばまでに米新車販売を約3割増やす
https://news.yahoo.co.jp/articles/f50571f0dbabe33d6d52b3c44a05d61dec88b705

マツダ、現状でのグローバルの販売台数は下記の表の通り。実は北米で日本の2倍近くの台数を販売しています。ちなみに北米生産台数は13万台ほどなので、27万台は輸出していることに。すごくざっくりとした計算ですが、日本で生産されたマツダ車の3割は北米向けに輸出、販売されているのです。

https://www.mazda.com/ja/about/profile/activity/

https://www.mazda.com/ja/about/profile/activity/

21年上期の決算発表の中でも黒字を確保できた要因として「北米など販売好調な市場への優先供給」が挙げられていました。決算資料を見ても、北米での販売台数の伸びは他地域を抜いて断トツの1位。特にアメリカはコロナ前、対20年3月期と比べても+5.3万台(38%)と著しい成長を見せています。21年5月には過去最高の月間販売台数を更新しました。(27年ぶりの更新)

北米自動車市場は今、需要>>生産。部品供給で生産が出来ず、いまだかつてないほど新車在庫が減っています。「新車があればすぐに売れる=高い車(上位グレード)or値下げしなくてもOK」と1台当たりの利益が非常に大きい、まさにドル箱市場。北米で販売台数を増やすことが出来れば、売上、営業利益を大きく増やすことが出来るのです。(それに比較すると日本市場はこれから販売台数も徐々に減、1台の販売価格も低く、かつ日本メーカー同士での競争も熾烈と北米よりも売上、利益を生み出しにくい市場であることは間違いありません。)

新車販売を3割増やす=40万台を52万台レベルへ。実際にそこまで販売数量を伸ばすことが出来るのか。販売の前提になるのは、ユーザーにとって、その会社のクルマが魅力的であるかどうかのブランド力。アメリカでマツダはブランド力のベースとなる車の信頼性において、非常に高評価を得ています。ロードテストのパフォーマンス、信頼性、所有者の満足度、安全性を考慮して、ランキングがなされるコンシューマーレポートで2位。ブランド力向上の活動が実を結んだ結果です。

  (このコンシューマーレポート、アメリカでは非常に大きな意味を持つという池田さんの記事が大変参考になり、面白かったのでぜひ読んでください)  

次に生産能力。今回のCX-50は、トヨタと合弁で新規に設立したアラバマ工場で生産。新規工場立ち上げに伴い、能力は15万台/年の純増。(ちなみにトヨタは同じSUVのカローラクロスを生産)当面はCX-50しか作らないとのことで、単純に生産分を販売できるかはわかりませんが、現在の輸出数量を維持したうえで、アラバマ工場生産を販売に結び付けることが出来れば、北米での販売台数3割増は十分可能です。CX‐50は北米で人気のあるオフロード色の強いSUVとなっており、ヒットする可能性は十分にあると思います。 

マツダは22年3月期通期見通しでの営業利益率は2.0%、昨年は赤字と決して業績の良い経営状況とはいえません。

今後、北米での販売拡大が上手くいけば、売り上げ、利益共に大幅に伸びていくはず。CX-50 以降もラージ商品群「CX-70」「CX-90」の販売が予定されています。

マツダの命運は北米が握ると言っても過言ではありません。今後、マツダがどれだけ北米で販売を増やしていけるのか、注目です!(それにしてもCX-50,日本で売らないかな…)

この記事は無料で続きを読めます

続きは、4703文字あります。
  • 今週のテスラ
  • 2. クルママメチシキ
  • 3.余談:ヘノヘノカッパッパ

すでに登録された方はこちら

提携媒体・コラボ実績

サポートメンバー限定
【テスラ2Q決算徹底解説】EVで 稼げないなら 蓄電池
サポートメンバー限定
【もはや『確トラ』?】4つの切り口で見えてくる大統領選がもたらすアメリ...
サポートメンバー限定
【これだけ読めば大丈夫!】トヨタ/日産/ホンダ BEV戦略 総まとめ
読者限定
5分でわかるクルマニュース_モビイマ!7/8
サポートメンバー限定
【テスラ/中国企業も熱視線】自動車メーカーでメキシコが今『熱い』4つの...
読者限定
5分でわかるクルマニュース_モビイマ!
サポートメンバー限定
【EV普及のカギ!】儲からない??充電事業、ビジネスとして成り立つのか...
読者限定
5分でわかるクルマニュース_モビイマ!6/24