テスラ2021年決算徹底解説【世界一稼げる自動車メーカー?】
ご安全に!
今回は号外版として「テスラ2021年通期決算」のニュースについて詳細に解説します。販売/生産台数が30万台を超えている報道が事前にあったため、好業績であることはわかっていましたが、まさかここまでとは…どこよりも詳しく、ここでしか書けない解説。自動車業界の方、テスラファンのみならず、クルマに少しでも関心のある方、必見です。
世界一稼げる?自動車メーカー「テスラ」決算のすごさ
テスラ、21年10-12月期、および21年通期決算を発表。わかっていたけど、強すぎ!自動車メーカーとは思えない、利益率とその成長。今、世界で一番稼げる自動車メーカーはテスラなのかもしれません。
実際の決算資料を見て、その強さを確認していきましょう。
まずは21年10-12月期の数字から。
https://tesla-cdn.thron.com/static/WIIG2L_TSLA_Q4_2021_Update_O7MYNE.pdf?xseo=&response-content-disposition=inline%3Bfilename%3D%22tsla-q4-and-fy-2021-update.pdf%22
売り上げは177億1900万ドルで約2兆円⁼日産とほぼ同じレベル(通期で8兆8000億円⁼1Q2兆2000億)。圧倒的なのは営業利益率で14.7%。日本でも絶好調トヨタの2021年度通期見通しが9.3%と比較するとそのすごさがよくわかります。(会計基準の違いがあり一概に比較はできないのですが)純利益は前期比8.6倍の23億2100万ドル。伸び率が凄まじいです。
生産、販売も過去最高を記録し、30万台超え。能力がフリーモント、上海ギガファクトリー合わせて105万台とされていて、1Q当たり26万台がマックスのはずなのですが、それ以上の数字。工場を土日含めたフル稼働で生産している状況なのでしょう。半導体不足で世界各社が操業を止める中、テスラはソフトウェアの書き換えなどで押し切ったとされ、実力以上の稼働を成し遂げています。作れば作るほど売れる状況で在庫も非常に低水準。
未だかつてない好決算。正直自動車メーカーの業績とは信じられない。
続いて2021年通期を見ると…
21年12月通期の売上高は71%増の538億2300万ドル、純利益は7.7倍の55億1900万ドルだった。21年通年のEV販売台数は前年比87%増の93万6222台、生産台数は83%増の93万422台だった。
2020年通期で黒字化後、完璧に利益が積みあがっていく体制に。2021年通期は売上高、純利益、販売/生産台数、どれも信じられない伸び。これに大きく寄与しているのは上海ギガファクトリーの成功。上海ギガファクトリー本格稼働後、販売/生産台数が伸びているのはもちろんのこと、営業利益率は大幅も向上。安価な電池の調達や新規設備を取り入れた工場の生産性向上が効果をあげ、原価が大きく下がっているのでしょう。
加えて単価の高いモデルYが販売好調なことも影響大。2021年では中国国内では47万3000台販売されたとされ、2021年の伸び ⁼中国での成功と考えてOK。
またテスラの貴重な収入源、CO2排出権を他社に販売する「クレジット販売」は2020年と比較し、ダウンはしているものの14億6500万ドルと非常多額。ただ、クレジット販売無しでも自動車事業が十分黒字なのは、テスラが利益拡大のフェィズに入ったことを示しています。
今後、テスラはどうなる?
絶好調テスラですが、果たして今後も急成長を続けられるのか。
まず新工場の稼働。21年夏開始だったドイツ、ギガベルリンは21年末にテスト製造を開始。政府からの最終承認待ちで許可が下り次第、生産を始める予定(ただこの状況がずっと続いているのでどこから開始できるのかがわからない…)
またアメリカ、ギガテキサスも21年末にモデルYをテスト製造開始。ただいま最終確認中とのこと。いつ頃開始になるかは明言はされなかったものの、22年には生産が開始されそうです。
ギガベルリン、ギガテキサスの稼働開始時期にもよりますが、無事立ち上げが上手くいけば2022年は150万台レベルでの生産が可能に。テスラ車は需要>供給の状況が続いており、生産能力を増やした分は販売まで結びつきそうです。
ただ、今回の決算で言及されたのは半導体供給問題の影響。2022年中は影響があるとの見通しを示しており、生産能力よりも半導体不足が大きく、いかに確保できるかが生産を伸ばせるポイントに。他社と比較すれば影少なかったテスラですが、今年は稼働に影響が出るかもしれません。
また新車、ピックアップトラック「サイバートラック」、トラック「セミ」も23年生産/販売へ延期。こちらも当初の予定よりは大幅に遅れているのですが、上記半導体不足影響もあり、まだまだ明確な販売時期は見えない状況。また開発を進めていたとされたカローラサイズの廉価、2万ドルEVは一時開発中止。現在の状況を考えれば、利益の出にくい小型車での規模拡大よりも十分に利益の出る現行車種+サイバートラックで自動車事業は問題ないとの判断は当然です。
それよりもヒューマノイドの開発を進めると発表したのは実にテスラらしい…
決算を見る限り、まだまだ続きそうなテスラの圧倒的成長。21年は中国、そして上海ギガファクトリーが成功の要因、同様に考えれば22年はギガベルリン、ギガテキサスの稼働開始が注目ポイントとなりそうです。
ちなみに決算資料、末尾にギガベルリン、ギガベルリンの写真が載ってまして、大変カッコいいので一度見に行くことをおすすめします。
https://tesla-cdn.thron.com/static/WIIG2L_TSLA_Q4_2021_Update_O7MYNE.pdf?xseo=&response-content-disposition=inline%3Bfilename%3D%22tsla-q4-and-fy-2021-update.pdf%22
未来感ある工場や…
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