【クルマニュース】6/27~7/3 まとめ モビイマ!【Vol.8】

自動車業界の最新ニュース解説、おすすめレポ、本を紹介するニュースレター、モビイマ!第8号。【ニュース】明らかになってきた日本メーカーのEV戦略/混迷するアメリカ自動車市場/今週のテスラetc.
カッパッパ
2021.07.05
誰でも

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クルマのイマがわかる「モビイマ!」

( 2021年7月5日発行 )

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ご安全に!

気がつけばもう7月。みなさんはボーナス入ったのでしょうか。

「ボーナスは何を買うのかを考えている時が楽しい」

と言いつつ、ほとんど家計に入るカッパッパにはあまり関係がないのでした。

可処分所得の多かった独身時代が懐かしい。

最近の若い人の話を聞くと、「投資に回します」といった意見を聞いてびっくりします。若くして将来を見据えていて素晴らしい…本当に若い人ほど真面目で優秀になっているイメージがあります。

さて今週も最新ニュースチェックしていきましょう!!

今回は動画もなかなか衝撃的なのでぜひ見てほしい

***

【目次】

1. Weekly Mobility News

  • 明らかになってきた日本メーカーのEV戦略
  • 混迷するアメリカ自動車市場
  • 今週のテスラ

2.モビカイブ

  • Rivian「キッチン付きカー」の衝撃

3.余談:ヘノヘノカッパッパ

  • 上半期買って良かったもの大賞
***

【今週のクイズ】

1970年にアメリカで制定された「1970年大気浄化法改正法」、通称「マスキー法」。当時の排出ガス排出量に対し、一酸化炭素と炭化水素とを75年までに90%減少,窒素酸化物については76年までに90%減少の規制。これを達成できない自動車は販売禁止と非常に厳しい内容でしたが、このマスキー法を世界で初めてクリアしたのが日本のホンダ。シビックなどに搭載されたその低公害エンジンの名称は?

ここに配置されたボタンは、ニュースレター上でのみ押すことができます。

1. Weekly Mobility News

Weekly Mobility Newsでは、自動車業界1週間の注目ニュースや記事を紹介し、Twitterよりも深掘りした情報・視点を発信します。

自動車業界の最新トレンドはこれさえ読めば大丈夫!

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明らかになってきた日本メーカーのEV戦略

今週は日本メーカーのEV戦略に関わるニュースが多く発信されました。これまで何かと遅いと言われてきた日本メーカーのEV進出。具体的にどのように展開していく計画なのでしょうか。

まずはホンダ

ampmedia.jp

北米地域における将来の電気自動車投入計画を公表。

  • 2021年4月の三部敏宏社長就任会見のとおり、2050年にHondaが関わる全ての製品と企業活動を通じたカーボンニュートラルを実現するため、北米地域においても、2040年までにEV・FCVの四輪販売比率100%を目指す
  • 2024年初め、北米におけるEV量販モデルラインアップの第1弾として、Hondaブランドから高い競争力を持つSUV「プロローグ」を発売
  • 2024年中には、AcuraブランドからもEVのSUVを発表
  • いずれのモデルも、ゼネラルモーターズ社(GM)の「アルティウム」バッテリーを採用した両社共同開発のモデルとなる
  • 今回発表する2つのモデルに加え、今後さらにHondaが開発を主導する新EVプラットフォーム「e:Architecture」を採用したモデルを2020年代後半に投入予定

EV量販モデル第1弾が「プロローグ」でここから始まるんだという強い意志を感じさせる名前、大変良いと思います。GMとの連携で進めるEV展開。GMの「アルティウム」バッテリー採用が気になるところ。価格、スペックがどのようになるのか。SUVとなると、現在のラインナップでいえば、ライバルになるのはテスラ、モデルYになりそう。24年とまだ先になりますが、続報を待ち。

続いて日産。

ampmedia.jp

日産は欧州でのカーボンニュートラルに対応したEV生産のエコシステムを構築するハブとして「EV36Zero」を発表。イギリス、サンダーランド工場を中心にEV、再生可能エネルギー、バッテリー生産という相互に関連した3つの取り組みを展開。総計10億ポンドの投資と日産と英国のサプライヤーで6,200名の雇用を創出と現地、イギリスにとってかなり利点の高い内容。

スペインなどの工場を閉鎖する一方で選ばれたのは「イギリス、サンダーランド」。ブレクジット等の要因もあり、ホンダはイギリスより撤退しますが、日産は欧州の生産拠点をイギリスに定めた模様

生産車種は「新世代のクロスオーバーEV」。欧州でも人気のクラスであるだけに競争は激しいが、アライアンスを活用した「CMF-EVプラットフォーム」採用とのことで価格やスペックで他社に負けない魅力を持った日産らしいクルマが出てくるのでは。

電池の供給能力年間最大10万台。欧州はEV化の進展が最も早い地域。現状、日産は業績が大変苦しいが回復の起点としてこの工場、PJが上手くいけば…

やっちゃえ、日産。

次にスズキ

newswitch.jp

軽自動車中心のスズキ。EVはどうしても電池のコスト上、価格が高くなりがちで、しかもコンパクトカーになると1台当たりの販売価格は低いため、利益を上げることが難しい。今後のカーボンニュートラルを見据えると電動化は不可避ですが、研究開発費も必要で、スズキは難しい選択を迫られています。

今回発表があったのはEV事業の専任組織「EV事業本部」の設置。電動化全体で研究開発費約1兆円をかけてこれから取り組み。スズキ、1社だけでなくトヨタ自動車との共同開発などの方策から有効な手段を検討とのことで、どのような車種で電動化を進めていくのかに注目。またスズキは2輪車もあるので、EVスクーターの展開も気になるところです。

最後に三菱。

asia.nikkei.com

なぜか日本語で出ていない(はず)日経Asiaの記事が三菱自動車の今後の戦略を詳しく解説していたのでここで紹介。

Mitsubishi Motors will offer an electric mini-vehicle for under 2 million yen ($18,100) in Japan by fiscal 2023, joining the growing ranks of automakers pursuing lower prices to catch up with cheaper Chinese EV rivals.

この部分、2023年までに200万円以下のEVを日本で発売はすでに報道済。ただ

Mitsubishi also looks to release an electric minicar priced around $18,000 in Southeast Asia in 2023. The company will invest about 19 billion yen to build a new production facility in Thailand, including for hybrid vehicles.

「三菱は2023年に東南アジアで1万8,000ドルのEVを発売予定かつ、約190億円を投じて、タイにハイブリッド車を含めた生産拠点を新設」は新しい情報かと。

日産/三菱/ルノー連合において東南アジア担当の三菱。先進国同様、タイなどでも環境規制による電動化の促進は発表されており、低価格帯でのEV販売はこれから重要度を増していきます。ただスズキの部分でも書きましたが、利益を上げるのがなかなか難しい小型車。どのような車種がいつ頃出てきて、どれくらい販売するつもりなのか。

日本メーカー徐々に出てきたEV戦略。カーボンニュートラルでは必須となる戦略だけに今後も注目です。

混迷するアメリカ自動車市場

アメリカの自動車市場がかつてない混迷状況になります。すごく簡単に言うと「半導体供給問題で生産が追い付かず、需要>>供給になり、ディーラー在庫が大幅に低下→販売数も減少」している状況です。

まずは4~6月の販売状況。

www.bloomberg.co.jp
www.nikkei.com

4~6月はGMを抜いて、トヨタが68万8813台とTOPに立つ見込み。四半期ベースで米販売首位をGMが明け渡すのは1998年以来と23年ぶりのこと。ビッグ3よりも、なぜトヨタの方が販売台数が多くなったのか。その要因はこれまでのニュースレターでも取り上げてきましたが「半導体供給問題により自動車の生産が限られている」からです。

新型コロナウイルス禍で疲れた消費者の自動車購入意欲は高まっているものの、世界的な半導体不足で自動車生産は減少し、ショールームで販売するモデルは減っている。JDパワーの推定では、こうした不均衡を背景に新車平均価格は先月初めて4万ドルを上回った。調査会社コックス・オートモーティブによると、在庫は5月末時点で33日分に減少した。
「4-6月の米自動車販売、GMやトヨタ大幅増-半導体不足に対応」より
「ディーラーの在庫減少の影響が業界全体の販売台数に影響を与え始めており、購入者は希望する新車を探すのに苦労している」と指摘した。平均取引価格は14.9%上昇し、4万0206ドルと過去最高に達するもよう。1台当たりの販売奨励金(インセンティブ)は前年同月の4349ドルから2492ドルに減少する見通し。
「6月米自動車販売、半導体不足で伸び鈍化へ=JDパワー/LMC」より

売りたくても生産が限られていて、売れるクルマがない…特にFordはその影響が大きく、4~6月期でも大幅減、そして7月以降でも北米の工場で生産を減らすことを発表しました。生産の中身を見ても、ほぼピックアップトラック/SUVだけに絞っているんですが、アメリカで一番売れるかつ利益も出るピックアップトラック「Fシリーズ」まで生産調整していて、本当ににっちもさっちもいかないんだろう感。

news.yahoo.co.jp

そんな中で生産を減らしていないのがトヨタ。(あくまでも他社と比べると)

調達力の強さを感じます。結果、今回の四半期では販売TOPに。

アメリカの現在の状況を理解するには「自動車の販売方法」の違いを理解しておく必要があります。日本ではディーラーで希望の車種を伝え、生産するまで納期を待つ受注生産が主流ですが、アメリカは日本と違い、新車販売はディーラーが持つ在庫車から買うのが大原則。

そのため、ディーラーに在庫がないと、販売が伸び悩みます。ディーラーの在庫日数が市場を判断する非常に重要な支障になるのですが、在庫日数はかつてないほど低下「希望の車の在庫がない」状況が続いています。

コロナによる支給金で金余りの状況がうまれ、ユーザーの購入意欲は非常に高止まり。「新車がなければ中古車を買えばいいじゃない」と中古車価格もかつてないほど高騰中ここまで在庫が絞られたケースはこれまでなかったのでは。

自動車メーカーでは生産が限られているため、現在人気の高いもしくは利益率の高い車種に生産を集中させています。結果1台当たりの利益は上がっている+ディーラーでの値引きの原資となる販売奨励金も低下傾向にあるため、この四半期に関しては売上は少ないものの、利益は上がる「減収増益」になる可能性が高いと個人的に推測しています。(前年はコロナ影響があるため、どこと比較するかが難しいのですが)。ただし、生産数の減少が大きいFordについては、固定費の負担が大きく、利益はそれほど上がらなさそう。

そして、半導体供給問題さえ片がつけば、各社は旺盛な需要+在庫水準の回復のため一斉に大規模な増産にかかってくるでしょう。当初は21年秋ごろからは解消となっていましたが、全体的な報道を見ると遅れる傾向にあり、いつになるかはわかりませんが…ただ、しばらくは「部品が続く限り、作れるだけ頑張ってつくる」状況が続きそうです。

半導体供給問題以外にも樹脂問題もまだ根本的解決に至っていないし、船の遅れも解消の目途は全然立っていないのですけどね…そういえば今年末から、港湾関係は労使交渉のはずなので、またそこでストライキが起こると、さらに大変な目に合いそう…北米市場はしばらく混迷状況から抜け出せそうにありません。

今週のテスラ

時価総額世界最高の自動車メーカー、テスラ。

なんだかんだでみんな大好き(テスラニュースは伸びが良い)、ニュースには事欠かない。ここでは1週間のテスラニュースを振り返ります。

***
news.yahoo.co.jp

テスラ、4~6月納車20.1万台と過去最高を記録。各社が半導体供給問題で苦しむ中、これだけ生産、納車できたのはすごい。上海もいろいろ問題が起きてはいるものの、なんだかんだ生産、販売できている感じ。

www.afpbb.com

発売になったばかりの「モデルSプレイド(Model S Plaid)」が発火。運転手が一時的に閉じ込められ、消火に2時間以上を要するという大事に。乗っていたのが弁護士さんで

車が「自然発火」し、運転手が「閉じ込められ、死亡する可能性があった」という投稿をリツイート

というあたりなかなか揉めそうな模様。

現在米道路交通安全局(NHTSA)が事故を調査中。

その他の気になるニュース、ツイート

www.bloomberg.co.jp
news.yahoo.co.jp
courrier.jp

この記事、自動車生産における垂直統合と水平分業のあり方、今後の動向を知るうえで参考になる内容なのでおすすめ。通常だったら触れられない参入障壁「安全基準の高さ」を挙げているあたり、ポイント高い。

2.モビカイブ

「モビカイブ」ではカッパッパがおすすめのクルマに関する動画をお勧めします。クルマは文字だけでなく、動いている方が面白い!見て楽しい動画をご紹介します。

***

Rivian R1T Camp Kitchen Walkthrough with RJ

Amazonからの受注も決定し、新興EVメーカーとして期待大のRivian。一般向けの販売、第1弾はピックアップトラックのR1T

そのオプション($6750⁼約75万円)として選択可能な収納式電動キッチンがすごい。

そもそも収納式電動キッチンがクルマに付くという発想自体が日本メーカーではありえない。そして実際の機能。がっつりつけられたIHクッキングヒーター(2口)。そして当然のように出てくるシンクとシャワー蛇口。引き出しを開けるとそこには各種キッチンツール。お皿はもちろん、フライパン、鍋、ポッドまで。料理するのには十分な設備。

そしてIHクッキングヒーターとシンク部分は取り外し可能。コンセント二つついてテーブルとしても使用可能。

動画内でも言うてますが

“Very Cool!”

“Awesome!”

絶対に日本では考えられない仕様。部品NOとかどう設定するのだろうと気になるのは、自動車業界勤めの性。

アメリカではこのキッチンを広げて「よーし、今日はパパ、気合入れてBBQやっちゃうぞ」みたいなテンションで休日を過ごすのでしょうか。

75万の価値はあるのだろうか…文化の違いを感じる動画なのでした。

3.余談:ヘノヘノカッパッパ

100%私的なtwitterやnoteでかけないよもやま話。皆さんの役には立たない「チラシの裏」。ご興味がある方のみ、お読みいただければ

***

2021年も半分が過ぎたので,ここでカッパッパがこの半年で買って一番よかったものを紹介します。

それが「コールマン(Coleman) チェア インフィニティチェア

お値段約9000円なのですが、座り心地がとても良い!ハンモックのよう。

角度も調整でき、本を読むのに最適。快適すぎてこの上で寝てしまうこともしばしば。アウトドアブランド、丈夫かつ外での使用前提なので、室内はもちろんベランダにおいて使うのもあり。サウナの整うイスとして至高の評価を受けているとの話も。

折りたたみ可能、使わないときは場所を取らない点もGOOD。リラックスできるイスを探している方にぜひともおすすめしたい一品です。

本当に買ってよかった。

***

【今週のクイズ】

1970年にアメリカで制定された「1970年大気浄化法改正法」、通称「マスキー法」。当時の排出ガス排出量に対し、一酸化炭素と炭化水素とを75年までに90%減少,窒素酸化物については76年までに90%減少の規制。これを達成できない自動車は販売禁止と非常に厳しい内容でしたが、このマスキー法を世界で初めてクリアしたのが日本のホンダ。シビックなどに搭載されたその低公害エンジンの名称は?

正解は「➂ CVCC」。日本自動車メーカーの強み、功績として良く語られるエピソード。達成不可に見える規制に対し、技術で解決という構図は、現在のカーボンニュートラルとよく似ているので、比較として出させれることも多い。なおマスキー法自体はオイルショックで試行が延期になり、実際に施行になったのは90年代とずいぶん後なのでした。

***

そういえば前回はVol7なのにVol6と書いていました…気が付いていなかった…今回はVol8です!

***

最後までお読みいただきありがとうございます!!

クルマのイマがわかる「モビイマ!」

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