【プロに聞く】『ぶっちゃけ自動車株ってどうなんですか?』後編【モビトーーク Vol.2】

「モビトーーク」は皆が注目するクルマの最新情報を、詳しい方をお招きして、対談形式で解説。第2回は『自動車株ってどうなの?』です。
カッパッパ
2021.08.12
誰でも

ご安全に!

ぶっちゃけ自動車株(米国株)ってどうなんですか?」後編。プロの投資家であるYSさん今話題の銘柄、NIOやSPAC上場株についてお聞きしました。

そして、カッパッパは最後にとある予想をしているのですが、果たしてその結果は

前編同様、カッパッパのように株なんかさっぱりわからない方でもわかる、また、すでに投資をされている方にも非常に役立つ対談になりました。

読めば自動車株に投資したくなる?!

それでは後編、スタートです。

【後編目次】

  • 中国メーカーという不安
  • SPAC上場は宝くじ
  • 自分の専門分野の株を買う強味

1.中国メーカーという不安

カッパ:先日YSさんがNIOから手を引いたつぶやきをされていたのですが、これはどのような判断でされたのですか?

YS:NIOに関してはブルームバーグという投資の情報を流してくれる会社が、中国政府が自国の株式を海外に上場するためのルールを検討しているっていう記事を出したんですよ。Amazonの話にもなってくるんですが、Amazonの飛躍の理由の一つは、中国で作った製品をAmazonが安く仕入れて、中国人の技術者を引き抜いてきて、自社の成長に活用したことにあります。そしたら中国は、戻ってきたらAmazonの報酬を2倍から3倍出すよって、金の力を使って、全部アメリカに駐在している中国の技術者を戻したんですよ。それぐらいして、法規制もバンバン変えていて、テクノロジーとしても世界トップの地位を作り上げることに中国今ものすごく必死。ドローンを飛ばしまくったりしていて、あと上海の今の町並みの市場とかも見てると全然違っている。

カッパ:らしいですね。中国はばんばんドローンが飛んでるって聞きます。

YS:アメリカは中国の政策に対して恐怖を感じたので、昨年一昨年にトランプさんが喧嘩を仕掛けていたんですね。アメリカへの輸出に対して、25%もしくは20%の関税をかける。中国アメリカ合戦で、技術の奪い合い。アメリカは主導権を握りたい、世界の主導権を持ち、テクノロジーの主導権も握りたい。中国はアメリカのコピーと言われても、アメリカに駐在した中国人を戻して中国国内で産業を強くしたい。でも、会社は国の方針とは別。会社はどちらかと世界企業にならないとして認められないことあって、各国に上場したいんですけど、中国政府からそういうことはさせない。そうするために、どういう法律を持ちかけていくか中国政府は考えているという記事をブルームバーグが出していたんですよ。

これはニュースではなくて、コラムで出たわけですね。僕はもう、そこで売りました。やっぱり政府が、国自体が力を入れると、株価にものすごい影響がある。今までのチャイナショックが全部そうだったので、そこでNIOは手仕舞いしましたね。おそらくこのニュースを見て、個人の人はぱーっと逃げていって、ゴールドマンサックス以下日本の野村証券以上ぐらいのところも、ぱっぱと売っていきました。その間にゴールドマンサックスやモルガンスタンレーなどの大きい機関が、中国株はある程度徐々に売っていきます、この期間までにこれだけ売ります、という売買を実施。関係する横並びの事業、例えば日本企業、あと韓国、付随する貿易相手のオーストラリアなど、このあたりも売り注文を通して、先週の金曜日におそらく実行。月曜日には売り売り売り売りで、おそらく大きく下がったっていうのが今なのかな。おそらくそういうふうに動いたんじゃないかなって僕は思ってるんです。

カッパ:記事を見て、推測してこう動くだろうという予測で、動かれるんですね。

YS:今回はあくまでも国の文化ですね、その国が持つ文化とか力とか、その株価動向ではなくあくまでも自国を強くするためっていうような考え方。それがなかったら、もうちょっと持ってるなと思ったんですけど、中国に関しては、やっぱり共産党が強いので、その動きに対して反抗をすることがまだ法人ではできない。例えばアメリカでいうGoogleとかアマゾンとかマイクロソフトとかAppleとかは国がこういうふうにしたいですと言っても、上手いことして避けていくんですけど、中国に限ってはそれができない。なので、どちらかというとこういう株式市場の全体の動きというよりかは、中国政府が一体どういうふうに物事を考えているかっていう軸で、中国株は買わないと事故を起こす可能性が高いですね。

カッパ:NIO以外でもアメリカで上場している中国企業、EV関係でいえば理想汽車や他にも上場しようとしている企業あるんですが、企業としては出ていきたいんですけど、中国政府の影響を極めて受けやすいということなんですね。

YS:そう思います。あれだけ大きいアリババのTOPですら、干渉を受けるので、共産党の前では何もできないですね。

2.SPAC上場は宝くじ

カッパ:現在EVが注目されていて、SPAC上場が今いろんなところで出てきたり、今後も出てくるかと思うのですが、そうした新規上場銘柄ってどうなんでしょう。車関連で働いている身からすると、まだ車全く作ってないのに株価に値がついてどんどん上がっていくことはあまり信じられないなと。いい車を量産するってすごく難しい。テスラも最初そうでしたが、コケることが多い。ただ将来性だけで株価は上がっていく。NIOのように買えば、一攫千金になるのでしょうか。

YS:そのあたり上手くまとまっていないんですが、もう宝くじを買うような感覚です。全力では多分皆さん買ってないと思うんですよ。

カッパ:やっぱりそういう感じなんですよね。

YS:急速充電ができる製品を運営する会社、NSパワーの子会社、EVGOという銘柄を買っていて、SPAC上場なんです。ここはまだこの充電設備を作れるっていう権利を持ってるだけ。ただもしこれが実現可能であるならば、間違いなく上がっていく。権利、特許を持ってる段階なので、国策の流れに乗りたい、IPOとして上場するには時間がかかりすぎる。なので、SPAC上場した。

僕がEVGOを買った要因はまず国策として、バイデン政権が800億ドルの資金を投じている。あと世界的なトレンドが生まれてる。テスラをはじめとして、GMやフォードもEVを作り始める。そうなら、急速充電スタンドは急激に普及していく。どうなるかはわからないのですが、手持ちの少額のお金ならちょっと買っとこうかなと。多分、ほとんどの方もそんな感じだと思うんですけどね。

カッパ:SPAC上場って本当に宝くじなんですね。

YS:ビールの例えで言うと、完璧に泡です。注がれるのを待ってる状態。

カッパ:これからSPAC上場しようとしているEV関連でいくつかはすごいと思うところがあるんですね。Amazonが発注してるRIvianなど。自動車メーカーとしては、ネクストテスラなるかもしれない。ただニコラやローズタウンのようにSPAC上場してこけてる銘柄もある。実際どうなるか、やっぱりわかんないですね。

YS:結局株は誰かが注目して買わないと駄目なんです。それがどこかと言えば、まず大口のヘッジファンドとかが買いだす。ヘッジファンドって中の人の構成はそんなに多くない。10人だとして、10人とも株価さえ上がれば自分の手取りが上がる。なので、常に儲けるネタを探しているんですよ。例えばAさんがSPAC上場されたとある銘柄を買ったとするじゃないですか。そのAさんが過去にすごい業績を上げていて、Aさんがその銘柄を買ったという情報が業界内で流れるんですよ。それやったらうちも買おうかなと続く。それでポーンと上がる。上がると、もちろんチャートに反映されるので、それを見てる一般人が注目する。それを上手いことをマスコミがかぎつけて、化けていく。実態はないので、実際の現場から見るとなんでなんだろうということが多い

カッパ:ビールの例えだと黄色の部分はなくて、泡だけなんですね。

YS:これが正解かどうかはわからないですが、いろんな人に会って話を聞いて、パズルのように組み立てていくと、こんなロジックなんだと思います。

カッパ:SPAC上場株は自動車株というより、投資家の中での動きということですね。

3.自分の専門分野の株を買う強味

カッパ:これまでの話、大変わかりやすく、株について少し理解できた気がします。今回対談をしようと思ったきっかけなんですが、普段ニュースを集めている側からすると、今回ここは良い決算なんだろうなーということはなんとなくわかるんですね。ただ、株価は「予想外の好決算」といった形で上がることがあって、「いやそれ、こっちからすると当然なんだけど」みたいなこともよく思ったりする。

YS:なるほど。例えば僕のフォロワーさんで、NIOがまだ売れていないときに、NIOの株を1000万円分、自分の貯金全部を日本株に投資をした方がいるんですよ。この方もうカッパッパさんと一緒で、自動車関連の業界に働かれてる方なんですね。その方も「市場では今、ワーッと言われてるけど、業界だったらそんなこと結構昔から話題なっていたことなのに。」と同じようなことをおっしゃってました。自動車業界の中でNIOが話題になったとき、全然安いときに投資されて、1000万円分を買って、今億万長者になれてる。

カッパ:Twitterで話題になってみた気がします。NIOで2億り人みたいな感じで。

YS:そうですそうです。それで億万長者になって、今会社の仕事は楽しみながらやってますっていう方が、いらっしゃる。僕はあくまでも決算上の数字と経済ジャーナルから流れてくる数値から、おそらくこうなってくるのかなっていうのからしか読み取れなくて、実際、いろんな投資家さんに聞くと、やっぱり現場にいてその現場の流れを知ってるからこそ投資の銘柄がわかるというのは非常に強い

パンさんっていう方がいらっしゃるんですけど、この方も元々シリコンバレーで、ハイテクネットワークの分野で元々働いている方。業界の中で働いているので、このハイテク分野が広がる前から、「この業界は来る」っての投資をされて、資産を作り上げられた。やっぱり業界ならではのことを投資に活かすっていうのはすごく一つの強みなのかなっていうのを僕すごく感じるんですよね。

カッパ:なるほど。そうした自分の強みを活かして投資をするのもありですね。例えば来週8/4、(対談したのは7/29)、トヨタの決算があるんですが、内容は間違いなく良いんですよ。なぜかと言うと、これまでに出ている日本メーカー、日産、三菱などの決算が非常によくて上方修正になっている。中身を見ると、北米、中国での販売が好調であること、半導体供給問題で需要が絞られている分、インセンティブ(自動車メーカーがディーラーに支払う販売奨励金。車を購入する際にで値引きの原資となる)が減って1台あたりの利益が上がっている。北米は本当に在庫がなくて、適正在庫60日に対して、25日まで減っていて、販売奨励金出さなくてもがんがん売れるんですね。北米、中国が主要市場のトヨタは確実に収益が上がっている。加えて、半導体供給問題で一番影響受けていないのもトヨタで販売台数は上半期500万台を超えて、世界一。半導体関連で全然車を作れていないFordですら、上方修正する好業績になっている。世界的に1台あたりの利益は多分過去最高のレベルまで来ていると思うので、決算が悪いはずがない。

YS:なるほど、なるほど。

カッパ:前回2020年の決算が営業利益率8%くらいだったので、10%超えもあり得ると思うんですよ。過去最高の決算の可能性もある。ただ僕はそれが株価に織り込まれているかはさっぱりわからない。コンセンサス(企業分析のプロであるアナリストの業績予想平均)に含まれているのか、投資家の人たちがもう気づいていて、株を買っているのかはわからないですね。

YS:こうした業界の中のことを掴んで、投資ができるのはその人の強味だと思います。

カッパ:どこまで当たるのかはわからないんですけどね。テスラは好決算だったのに、株価は下げていたこともあるので。ただ言われるとおり、自分の専門分野で投資を考えていくのは確かに強味かもしれませんね。買える範囲で買っていこうかな…あと、こうした専門情報を取りまとめて、発信していくので、ニュースレター、自動車業界の方だけでなく、投資家の方にも役立つかなと思いました。

今回の対談、非常に楽しく、参考になりました。特に株価=ビールの例え、めっちゃわかりやすかったです。YSさんのニュースレターも参考にしながら、自分のへそくりを使って、少し株投資を始めようと思います。本当にありがとうございました!

YS:こちらこそ、ありがとうございました。

***

さて、この対談のあと、トヨタの決算発表が。

みなさんもご存知のとおり、過去最高益、営業利益率は12.6%。非常に強い決算…になったわけですが、通期見通しを据え置いたことにより株価は下落。4-6月期のコンセンサスは超えていたのにと株はやっぱりわかりません。難しい…

今回の記事、投資をこれから始めようと興味のある方、また自動車株に興味のある方に参考になったのではと思います。

これからもこのニュースレターでは自動車業界の最新情報をお伝えします。仕事だけでなく投資にも役立つニュースレター「モビイマ!」を今後ともよろしくお願いします。

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