5分でわかるクルマニュース_モビイマ!7/18
ご安全に!
今年の梅雨は2クール。蒸し暑さでとろけそう、残業時間は冷房を切る風習は何とかやめてほしいカッパッパです。
月曜の朝は「モビイマ!」の5分でわかるクルマニュースから。
先週のニュース/トピックスをカッパッパが厳選。コメント付きで解説。この記事だけ読めば、最新の自動車ニュースを抑えられる。1週間の始まりにぜひ一読を。

いつかはクラウン、再び?
トヨタ自動車は7月15日、『クラウン』新型を世界初公開し、その第1弾として『クラウン(クロスオーバー)』を今年秋頃に発売すると発表した。価格は475万円から640万円。サブスクリプションサービス「KINTO」でも取り扱いを開始する予定だ。
モデルチェンジし16代目となるトヨタ、クラウンが世界初公開。これまでセダンのみだったクラウンがSUVタイプなど4タイプに。グローバルに展開する計画も合わせて発表、年間販売目標は20万台に設定。
SUVになるという噂は流れていたものの、まさかの4タイプ。
セダンとSUVを融合させた新スタイルの「クロスオーバー」に加えて、スポーティな走りを楽しめる「スポーツ」、新たなフォーマル表現とともにショーファーニーズにも応える「セダン」、大人の雰囲気で余裕のある走りを持つ機能的なSUV「エステート」
これまでのクラウンのデザインとは異なり、かなり洗練されてシュッとした、今の流行に合わせたデザイン。クラウンは裕福な高年齢むけのイメージが強かったのですが、このデザインなら若者にも受けそう。そして、基本的に日本向けだったクラウンも、今回のモデルチェンジからグローバルに展開。SUVクーペスタイルはグローバルで人気なので、これまた世界で売れそうな感じ。工場は堤と元町らしいのですが、全部日本で作るのかも気になるところ。あとレクサスブランドとのすみ分けどないするんでしょう。
まずは「クロスオーバー」を今秋から販売開始。以降3車種は1年ほどの間に追加されていく見込み。「いつかはクラウン」の時代が再来するようなHITになるのかどうか。トヨタ、フラグシップモデルだけに受注動向に注目です。
問題は割と重大化かも
トヨタ自動車は2022年7月11日、7月中の追加の稼働停止予定を発表した。「bZ4X」などを生産する元町工場(愛知県豊田市)の第1ラインで7月下旬も操業を停止する。生産台数への影響は4000台。7月のグローバル生産台数80万台は据え置いた。
トヨタ「bZ4X」を生産する元町工場、リコール問題対応でライン停止期間を延長、7月まるごと1ヵ月は生産が停止することに。不具合部位はタイヤを取り付けるハブボルト。ボルトが緩み、異音が発生し、最悪の場合にはタイヤが脱落する恐れがあるとのことで、使用中止を連絡し、現在原因調査中。
当初はハブボルトのゆるみで、原因箇所が特定されているのですぐに問題解消に向かうだろうと思っていたのですが、意外にも問題は長期化。リコールの原因調査で1ヵ月もラインを止めるのは極めて異常事態。「bZ4X」以外の車種でも同様の部品(ハブ)でボルト締めは行われており、市場にもすでに多く出回っているはず。工場のラインを止めて原因究明=製造/組付け時の異常(締め付けトルクの基準外れなど)なのかなと思う一方で、これだけ長期化すると、設計/開発段階での問題かもと思ったり(どっちやねん)
トヨタ待望のBEV、滑り出し車種だっただけに、この不具合は痛い。具体的な原因解明がいつ発表され、生産再開がいつになるのか。注目です。
カイコ!カイコ!
新興電気自動車(EV)メーカーの米リビアンは従業員に対して15日に、全般的な事業再構築の一環として今後レイオフを実施する可能性があり、幾つかの開発プログラムを中止すると伝える。スカーリンジ最高経営責任者(CEO)が従業員宛てに11日夜付けで記したメモの内容をロイターが確認した。
EV新興「リヴィアン」、業績悪化に伴い人員削減へ。量産を開始したものの、工場の生産台数が伸び悩むリヴィアン。アメリカ全体が景気後退、リセッションの気配漂う中で、固定費削減のため、人身削減へ。
まだまだ事業が始まったばかり、これから拡大する方針の中での人員削減。いくつかの開発プログラムを中止しなければならないほど、追い詰められている模様。納入されたクルマは高評価をつけられていることが多いので、生産さえ増やせれば何とかなりそう…なのですが、半導体供給問題や工場の量産立ち上げなど課題は多く、すぐに数が増やせることはないでしょう。
資金は十分に調達されているので、すぐに倒産には至らないですが、これまでの「EVバブル」からは大きく潮目が変わった気配。テスラを含め、株価が大幅に下落しており、EVメーカーに向けられてきた熱い視線、過剰な期待が見直される時期になっています。
10億円GETだぜ
完全自動運転車の開発・製造を目指すスタートアップ企業TURING(チューリング、千葉県柏市)が、シードラウンドでの総額10億円の資金調達を7月13日、発表した。
TURINGは将棋AI「Ponanza」の開発者として知られる山本一成氏と、米カーネギーメロン大学で自動運転開発に従事し、博士号を持つ青木俊介氏が共同創業したスタートアップ。2021年8月に設立された。
創業から1年経たずの、比較的大きな規模の資金調達となる。
日本の自動車ベンチャー「TURING」が10億円の資金調達。日本では自動車業界、ベンチャー企業の数は少なく、これほど大規模な資金調達は異例。
Twitterでもよく呟かれていて、現在どのような開発が進められているのかよくわかるのが楽しいTURING。自動運転に関していえば、深層学習を活用して、ソフトウェアとして売り込むのはベンチャーとして成り立ちそうと思うのですが、「We overtake TESLA.」を掲げて、自動車の製造量産を目指しているところ、すごく志が高い。自動車の量産、ハードルが高いので、そこまで達することができたら、本当にすごいと思う。
自動車ベンチャー企業、製造まで考えている企業は日本では数えられるほどしかなく、本当に少ない。テスラがライジングしてきたように、日本でもベンチャー企業で市場参入、事業として成り立つことが出来れば、業界全体へとても良い刺激になり、自動車業界が盛り上がると思います。心の底からに応援しているので、上手く開発が進んで、「TURING」製のクルマが見てみたいです。
【今週の一言】
半導体供給問題やら中国でのロックダウンでなかなか生産が伸びない自動車業界。新型車が発表されるものの、軒並み納入は後ろ倒し。人気車は納期が半年超えは当たり前で1年以上、または受注を停止しているクルマもあります。こんな異常事態はこれまで自動車業界になかったこと。
先日ディーラーに行って、話を聞くと若い営業社員の方が「僕がこの仕事を始めた時はすでに納期は半年待ちが当たり前で、1-2ヵ月でクルマが納車された時代が信じられないです」と言うてはりました。
今の受注をさばくだけでも、相当の時間がかかるので、以前のような「納期1-2か月」といった状況に戻るのは来年は無理で、24年ごろまでかかりそう。CASE云々も話もあるのですが、20年代前半で自動車業界のあり方を変えるは、半導体供給問題に端を発した「受注>供給」の長期化⇒販売体系の見直しになるかもしれません。
異常事態が長く続きすぎて何が正常なのかもはやわからん!仕事する身としては、毎月の内示調整がデフォルトになっているの何とかならんもんかと日々思うばかりです(半分愚痴でした)
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今回も最後までお読みいただきありがとうございました!!
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