【自動車メーカー決算解説:トヨタ】過去最高でも株価下落?手堅すぎる見通しとは

自動車業界の最新ニュース解説を発信するニュースレター、モビイマ!。今週は「各自動車メーカーの22年3月期決算」を解説します。今回はトヨタ。世界TOPの販売台数を誇り、営業利益率も非常に高い、独り勝ちともいえる業績。円安などの追い風を背景にどこまで伸びるのか。また依然問題が山積する中で通期見通しはどの程度を予測になっているのか。どこより詳しい解説をお送りします。
カッパッパ 2022.05.12
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「iPhoneがない!」と懸命に探しても見つからず、「iPhoneを探す」で調べたら、近所のコンビニにあることが発覚。以後、コーヒーを入れるときは忘れないように気を付けているカッパッパです。

世界TOPの販売台数を誇り、営業利益率も非常に高い、独り勝ちともいえる業績のトヨタ。その業績は自動車業界のみならず、日本経済全体にも影響し、今後を占う重要な指標になっています。円安などの追い風を背景に業績はどこまで伸びるのか。また依然問題が山積する中で通期見通しはどの程度を予測になっているのか。ここでしか読めない情報、てんこ盛りで解説をお送りします。

1.増収増益で営業利益は過去最高。ただ、市場の予測が高すぎて…

 トヨタ自動車は5月11日、2022年3月期通期決算を発表した。2022年3月期通期連結業績(2021年4月1日~2022年3月31日)は、営業収益31兆3795億円、営業利益2兆9956億円と増収増益。コロナ禍前に遡っても、過去最高の営業収益、営業利益となった。税引き後の利益についても2兆8501億円となり、当期利益率は9.1%となった。

2022年度3月期売り上げは営業収益31兆3795億円、営業利益2兆9956億円と増収増益。売上高/営業利益約共に日本で断トツのTOPかつ、過去最高を記録。営業利益率は9.5%。大衆車も手掛けるメーカーとしてこの利益率は他社とは一線を画す圧倒的な数字。販売台数世界1位も含め、世界のTOP自動車メーカーと言って良い業績となっています。

所在地別営業利益で見ても、全地域でプラスとなり、業績は上向き。実績だけ見れば非常に好決算。

ただ通期見通し含め、市場のコンセンサスよりも悪かったため、株価は下落。うーん、株って難しい。

2021年度連結の販売台数は823万台、トヨタ/レクサスブランドでは951万台、ダイハツや日野自動車を含めたグループ総販売台数では1038万台。前年度と比較して4.7%(グループ総販売台数)伸びているものの、コロナ禍以前の19年3月期までは回復していません。半導体供給問題による生産ネックが如実に表れた結果に。また電動化比率は4.9%増加。ガソリンが高騰することで燃費の良いHEVを選択する消費者が増え、結果高い伸びを記録しています。

営業利益で個別の項目を見ると、他社同様、資材(原材料)高騰が大きなコスト増、6400億円に。売上高からすると約2%のコストUP。得意の原価低減で+2800億円の効果を上げていますが、額が大きいために吸収しきれていません。営業面での努力、その他に含まれるであろう販売奨励金減が大きく効果を上げ、利益を押し上げました。

内容を見ると、圧倒的。日本メーカー各社と比べると、頭一つとびぬけた好業績。売上高/営業利益、日本TOP。日本が世界に誇れる自動車メーカー、トヨタ。

果たして今年、2022年度はどんな見通しになのでしょうか。

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