【過去最高更新‼販売台数世界3位‼ 】韓国『現代』自動車はなぜここまで躍進できたのか??

既存自動車メーカーの中でも成長が著しい、韓国、現代自動車。世界で販売台数を伸ばすなか日本にも再び進出し、注目を集めています。なぜこれほど成長できているのか。その詳細を解説します。
カッパッパ 2024.09.29
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韓国、現代自動車が直近大きな成長を遂げています。2021年から売上高は過去最高を3年連続で更新。2023年では営業利益は過去最高となる15.1兆ウォン(約1兆6000億円)、営業利益率はトヨタにも匹敵する9.3%まで向上しました。既存自動車メーカーの中でもその成長を著しく、販売台数は世界第3位に躍り出ました(2022年~)

なぜこれほどまでに現代自動車は「絶好調」なのか。現代自動車(グループ会社の起亜含む)の現状の立ち位置、そしてその要因を詳細に解説します。

コロナ禍以降右肩上がりの業績

現代自動車 決算資料より筆者作成

現代自動車 決算資料より筆者作成

現代自動車はこの3年で大きく業績を成長させています。2010年中ごろは営業利益率は9.5%(2013年)と他社と比べても、採算性が高くなっていましたが、2010年代後半にかけて徐々に業績は悪化。コロナ禍での2020年、現代自動車は売上高約100兆ウォン、営業利益2.4兆ウォン、営業利益率2.4%にまで落ち込みました。

ただ2021年から大幅に業績を回復。2021年に売上高、過去最高を更新すると、右肩上がりで大幅に成長。この2年は売上高、営業利益共に過去最高を更新し、営業利益率も9.3%と他海外メーカーと比較しても、上位に入る高収益体質となっています。

直近の24年4-6月期でも同時期として過去最高を更新。24年に入ってから、自動車メーカーにより、業績に差が出始め、「勝ち負け」が明確になっていますが、現代自動車の直近の勢いはとどまることを知らず、「勝ち組」の1つになっています。

販売台数は世界TOP3位入り

各社販売データより筆者作成

各社販売データより筆者作成

売上高だけでなく、販売台数においても現代自動車Gr(現代自動車・起亜)は成長しています。2023年での自動車販売台数メーカー別ランキングではトヨタ、VWに次ぐ第3位。かつて第3位だった、日産・ルノー・三菱連合が大きく数を落とす中で、現代自動車は着実に数を伸ばし、グローバルでのシェアは8%にまで達しています。現代自動車は既存自動車メーカーの中でもこの数年で特に台数、業績を伸ばしているメーカーの1つとなっています(他はトヨタ、スズキ、BYDなど)。

販売のピークは2010年半ば

現代自動車 起亜 決算資料‣販売台数データより筆者作成

現代自動車 起亜 決算資料‣販売台数データより筆者作成

21年からの躍進が凄まじい現代自動車Grですが、実は販売台数のピークは2010年代半ばです。2014、15年には800万台を販売していましたが、2020年にかけて台数は減少。23年にはコロナ禍以前の730万台レベルにまで回復はしたものの、ピーク時と比べれば、▲70万台、販売台数は減少しています。

なぜこれほど販売台数は落ち込んでしまったのでしょうか。

大きく変わった販売地域

現代自動車 起亜 決算資料‣販売台数データより筆者作成

現代自動車 起亜 決算資料‣販売台数データより筆者作成

現代自動車Grが2010年代後半に販売台数が落ち込んでしまった要因、それは当時地域別で最も販売割合の高かった中国での販売不振です。2017年、韓国政府が地上配備型ミサイル迎撃システム(THAAD)の国内への配備を発表したことで、中韓関係が大幅に悪化。韓国メーカーである「現代自動車」への買い控えが始まり、販売台数が大きく減少しました。その後、日本自動車メーカーをはじめとする海外メーカー及び中国新興メーカーとの競争激化、モデルチェンジ遅れなどの車種戦略の失敗もあり、シェア減。2016年には179万台あった販売台数は2023年には36万台、7年間で130万台も落ち込みました

また現代自動車にとって、ロシアも主要市場の1つでした。2021年では現代、起亜を合わせたロシア販売シェアは20%を超え、ロシア国内メーカーのアフトワズを抑えてTOP。しかし、22年ウクライナ侵攻が始まったことで、経済制裁が実施され、現代、起亜も生産/販売を縮小。23年にはロシア工場を売却し、撤退することになりました。ロシア販売台数は30万台弱→12.9万台と半減以下になっています。

こうした生産減を補ってきたのが、北米、欧州での販売台数増加です。北米は2016年150万台→2023年213万台(+63万台/42%増)、欧州では2016年93万台→2023年125万台(+32万台/34%増)。欧米での販売好調が現代自動車Grの快進撃を支えています。

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