5分でわかるクルマニュース_モビイマ!
ご安全に!
久しぶりの5分でわかるクルマニュースを書けたカッパッパです。公私ともどもゴダゴダが続いておりまして、多忙な日々を送っておりまして、発行ができていませんでした。楽しみにされていた方にはすいません。ただ、年末休暇まで残りあとわずか。みなさん、やっていきましょう!
月曜の朝は「モビイマ!」の5分でわかるクルマニュースから。
先週のニュース/トピックスをカッパッパが厳選。コメント付きで解説。この記事だけ読めば、最新の自動車ニュースを抑えられる。1週間の始まりにぜひ一読を。
自動運転は難しい
ゼネラルモーターズ(GM)は、ホンダと共同で進めてきた自動運転タクシーの開発を中止した。自動運転車両の開発を行なっていたGMの子会社であるクルーズは、今後GMが全株式を取得して完全子会社化する方針。自動運転タクシーの開発を中止して個人向け自動運転車両の開発に注力する。
GMがホンダと共同して進めていた「Cruise」での自動運転を開発中止に。2026年以日本での導入も予定されており、専用車両も公開されていましたが、中止となったため、自動運転車両の日本投入は遅れる見込みです。
今回の中止はGMがCruiseでの開発資金と投じない→事業撤退する方針を受けたもの。Cruiseは事故が相次いだこと、その後の行政への報告内容に問題があったことから、23年10月以降、自動運転タクシーの運行を停止。事業再開のめどが立たないことから事業撤退を決定しました。Waymoなど競合する企業の技術革新が進み、自動運転タクシー市場は競争が激化しています。事業拡大には相当の時間とリソースが必要になり、採算性が見合わないことを踏まえて、事業撤退がきめめられたと考えられます。
人が運転しなくてもよい自動運転タクシーは、タクシーのコストを下げ、人の移動を大きく変えるモビリティとして注目を集めています。しかしながら、開発に莫大なリソースがかかる点、初期投資に見合うだけの採算性の確保が難しい点、事故が起きた際のリスクが高い点など、ハードルは非常に高くなっています。
昨年までであれば、TOP集団に含まれていたCruiseが事業撤退する自動運転タクシーの難しさ。テスラも来年以降自動運転タクシー事業に参入と伝えられていますが、決して簡単ではなさそうです。
交渉は難航
ドイツの自動車大手フォルクスワーゲンは9日、工場の閉鎖などコスト削減策をめぐって従業員が加入する労働組合と交渉を行いました。今回も折り合いがつかず、今後の交渉次第では長時間のストライキが行われ、会社の業績が一段と悪化するおそれもあります。
採算性の悪化からドイツ国内の工場閉鎖を検討している欧州最大手の自動車メーカーVW。工場閉鎖に向け、組合と交渉を続けてきましたが、難航し、一部ストライキが開始されています。
ヨーロッパでの需要の落ち込みや中国のEVメーカーとの激しい競争から業績が悪化したVW。現状では根本的な打開策は見えておらず、欧州工場の閉鎖で固定費削減を実施し、採算性を確保、将来への投資資金をねん出しようとしています。ただこれまでの歴史の中でドイツ国内の工場を閉鎖したことはなく、組合は反発。組合は賃金の一部を会社の成長のための資金として捻出することを提案しましたが、会社側は持続可能なコスト低減案として不十分として却下。交渉に折り合いはつかず、国内の9つの工場でストライキが実施。今後の交渉次第では更なる大規模ストライキも予定されています。
VWは中国事業の割合が高く、中国自動車メーカーが躍進を続ける中で大きく売上、利益を落としています。足元の欧州でも全需が回復せずに売上が低迷しており、EVへの先行投資の重荷とエネルギーを含めたコスト高によって採算性が悪化しています。こうした中で事業を継続するためには構造改革が必須となっているのですが、自動車産業は雇用に大きな影響を与え、また組合も非常に強いことから改革を進めることは容易ではありません。
VWの持ち株会社である、ポルシェSEは最大3.2兆円のVW株、減損処理を行う可能性があることを発表。もしこれが実現すると、決算は大幅に赤字となる見込み。欧州メーカーが軒並み苦しい経営状況にある中で、その代表と言えるVWが最も窮地に立たされている状況であり、いかにこの苦境を乗り越えるのか今後の交渉状況に注目です。
「月1.2万円」
賃上げ相場のけん引役が帰ってきた。自動車業界の労働組合でつくる自動車総連は、2025年の春季労使交渉で7年ぶりに賃上げ要求額を示した。強制力を伴う「統一要求」ではなく、交渉の目安となる「指針」にとどめた。トヨタ自動車の労組が要求額を明らかにしない方針を貫くなか、けん引役として苦悩の折衷案となった。
19年以降ベースアップの要求を提示していなかった自動車総連。25年は7年ぶりに賃上げ要求額を提示。「12000円/月」の賃上げに向け、年明け以降各社で労使交渉が始まる予定です。
トヨタが18年労使交渉以降、ベースアップ額を非公開の方針にしたことから、この7年からは総連全体として統一要求を行ってきませんでした。自動車業界では「ケイレツ」各自動車メーカーをTOPとしてサプライヤーが連なる業界構造になっており、労使交渉の際にも上位の自動車メーカーを基準に決定される傾向があります。ベアが非公開になったことで、サプライヤーでの労使交渉がやりづらい、賃上げが浸透していないとの意見があり、この度再び要求額の目安が示されました。
インフレが進む中で賃上げを実施していかなければ、これまでの生活も担保できません。自動車業界は裾野が広く、関わる人の数も非常に大きいため、こうした具体的な目安を提示して、賃上げが進んでほしいと思います。
【今週の一言】
日産の業績が悪化し、苦境が伝えられる中で、批判的な報道が多くなっています。ただあまりにも日産を叩いて良いと風潮が先行しすぎていると感じています。かく言うカッパも日産に対しての批判を多数しているので、人のことを言えたものではないですが、雰囲気だけで批判している空気とPVを取るために過剰に煽りすぎた内容に寄っているのを感じます。そんな中で出た自動車ジャーナリストの池田さんの記事はバランスが取れていて素晴らしいと感じました。日産を擁護しつつも問題を明らかにし、これからどうすれば良いかを提案する。ネットでの批判内容についても反論されていて、自動車業界に関わる方はぜひとも読んでいただけたらと思います。
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