5分でわかるクルマニュース_モビイマ!9/26

自動車業界の最新ニュース解説を発信するニュースレター、モビイマ!。先週のニュースをダイジェストで紹介。この記事だけ読めば、最新の自動車ニュースを抑えられる。1週間の始まりにぜひ一読を。
カッパッパ 2022.09.26
誰でも

ご安全に!

台風が過ぎ去って一気に秋。季節の変わり目で子どもが体調を崩して大変、カッパッパです。

月曜の朝は「モビイマ!」の5分でわかるクルマニュースから。

先週のニュース/トピックスをカッパッパが厳選。コメント付きで解説。この記事だけ読めば、最新の自動車ニュースを抑えられる。1週間の始まりにぜひ一読を。

まだ減るんかい!

トヨタ自動車は2022年9月22日、同年10月の生産計画を発表した。グローバルで80万台程度を見込んでおり、内訳は国内生産が約25万台、海外生産が約55万台である。
 同社は2022年8月10日、同年9~11月の世界生産台数計画について、月平均で約90万台と発表していた。今回発表した10月の世界生産台数は、車載半導体不足の影響によって、前回計画から約10万台の減産となる。
 ホンダは22日、鈴鹿製作所(三重県鈴鹿市)の第1・第2ラインで10月上旬に約4割の減産を実施すると発表した。埼玉製作所の寄居工場(埼玉県寄居町)は約3割の減産。半導体不足や物流混乱などの影響が続いている。

まだまだ続くよ、自動車減産。下期に入って半導体供給不足も解消されるはず…だったのですが、10月もトヨタ、ホンダが減産を発表。トヨタは当初予定より△10万台、ホンダは鈴鹿で4割、寄居で3割減産に。

減産幅はこれまでとほぼ同様のレベルで、依然半導体供給で生産が限られている状況に変化はない模様。半導体在庫が回復しつつあるといった報道もあったのですが、自動車向けはまだまだ本回復には至っていない状況。

ただし、トヨタは通期での販売台数は維持。ということはこの挽回が11月以降あるということであり、そうなると過去最高レベルの生産になっていくのかもしれません(けど半導体が本当に追いつくの問題はあり)。10月後半から上期の決算発表で各社が通期見通しを下方修正するのかに注目です。

「意思のある踊り場」踊り場が長すぎて、長期減産やん、いつ上がんねんみたいな気持ちですね。。。

ロシアはやめます

トヨタ自動車は23日、ロシア事業から撤退すると発表した。ロシアのウクライナ侵攻を受け3月4日からサンクトペテルブルクにある工場を一時停止していた。日本の自動車メーカーが撤退方針を明らかにするのは初めて。ウクライナ侵攻の長期化と地政学リスクの高まりを受けて、事業の整理の決断を迫られる企業が増えそうだ。

ウクライナ侵攻が長期化しているロシア、自動車大手トヨタが事業撤退を決定。自動車産業は非常に波及効果の大きい産業であり、トヨタの撤退は経済、雇用などロシアにとってもダメージが大きい。

2021年実績で約8万台を生産、11万台を販売しており、トヨタからすれば1%ほどの数量とそれほど大きい市場ではありません。撤退を宣言するのは簡単なのかもしれませんが、これまでに費やしてきた投資、現地で働く従業員を考えると、その決断にはかなりの痛みを伴うはず。現在の社会情勢、今後のロシアの立ち位置を考えると撤退が合理的…とはいえ苦渋の決断なのだと思います。

ロシアには日本から中古車もかなり輸出されていたのですが、どうなっているのだろうと調べてみたら、新車の輸入が規制された分、人気が出て2022年は前年比1.5倍に急増している模様。トヨタの撤退も日本からの中古車輸出で埋まっていくのかもしれません。

自動車メーカーが払います

トヨタ自動車とホンダ、日産自動車など日本車大手と欧州ステランティスが、インターネットに接続する「コネクテッドカー(つながる車)」について、通信技術の特許料の支払いに応じる。フィンランドのノキアなど通信大手51社の交渉の窓口となっている米企業がトヨタなどと契約したと21日発表した。日本車メーカーが支払いに応じるのは初めてで、日本の自動車業界の取引慣行の転換点となる。

CASE,コネクテッドで「つながる車」が増える中、自動車メーカーが通信技術の特許対価を通信大手に支払いすることに。

日本の自動車業界では取引先の部品メーカーに特許の権利処理を任せる慣行。なので完成車メーカーは自分で特許使用料を払うことがなかったのですが、コネクテッドの技術では異業種である情報技術(IT)企業などが強みを持つこともあり、今回通信技術の契約を結ぶことに。

コネクテッドは不可避の流れなので仕方ないと思いつつ、従来の自動車-仕入先との関係があちこちで変わっているのだなということを実感させられる案件。完成車メーカーの絶対的地位が崩れつつあります。

なお、1台当たりの使用量は15-20$、トヨタの場合最大で約300億円を特許料として支払うことに。原価が高くなるため、今後クルマの価格に反映されていくかもしれません(原材料価格やらもろもろコスト高の要因多すぎ)

自動車製造から「モビリティ」へ

 9月22日、経団連(日本経済団体連合会)に新たに設けられたモビリティ委員会の第1回会合が行なわれた。モビリティ委員会は、モビリティ産業の国際競争力強化を図るために設けられたもので、カーボンニュートラル(CN)の実現、自動運転等のデジタル化といった課題への対応などを視野に入れている。 
自動車産業の日本経済・社会への貢献度は、試算によると規模は60兆円(GDPの約1割)、雇用は約550万人(全産業の1割)、輸出・外貨獲得は約15兆円(資源輸入16兆円をまかなう)、納税は約15兆円(税収の15%)、経済波及効果は約2.5倍(全産業トップ)になる。日本経済が輸出に支えられているのは多くの人が実感として持っているところで、電気製品や半導体輸出などが地盤沈下した現状、自動車産業の比重も必然的に高まっている。

自動車産業の競争力強化のため、経団連で「モビリティ委員会」が発足。 このモビリティ委員会には、自工会会長でもある豊田章男委員長(トヨタ自動車社長)、部工会(日本自動車部品工業会)会長でもある有馬浩二委員長(デンソー社長)が委員長となり、委員会加盟約200社とモビリティ産業の競争力強化を検討。

100年に1度の変革期と言われ、直近では半導体供給問題で大きく構図も変わってきた自動車業界。今後も日本自動車業界が競争力を保つためには、業界全体での戦略の決定、協力が不可欠。

今回1回目で強調されたのは税収の活用方法。「世界一高い自動車関連諸税」はこれまで改善を申し入れてきたものの、税制の改革にはつながらず。税制は産業に大きな影響を与えるので、単なる購入インセンティブではない未来を見据えた税制構築が必要…なんですが、日本政府、そこまで考えてやってくれるのか論。

良くも悪くもこれまで企業主体で産業を引っ張て来た自動車業界。ただカーボンニュートラル対応や政府全面支援の中国メーカーと戦っていくためには政策での後押しが必須。業界全体の意見をまとめ、政策に反映できると将来が明るいなぁと思います。(ただ政府が介入してきて失敗した産業もあるので舵取りは難しいっすよね)

【今週のおすすめレポート】

久しぶりにおすすめレポートを紹介。「自動車のカーボンニュートラル戦略 BEVは唯一解か?」カーボンニュートラルというゴールに向かう中でBEVは他のパワートレインに対して優れているのか、俯瞰した視点で分析。

カーボンニュートラルの実現に向け、自動車(特に乗用車)におけるBEV化の波が先鋭化し不可逆的な動きとなっている。しかし、「BEV一辺倒」に対して欧州の各種ステークホルダーが異なる主張をするなど、必ずしもBEVを唯一解と言い切れない状況が見え始めている。

GHG排出量、エネルギー供給の状況、パワトレ別のエネルギー効率、OEMの対応方針などで説明し、表やグラフを用いて大変わかりやすい。

読むと「やっぱBEV一辺倒危ういよな」と思わせる説得力。カーボンニュートラルに積極的な欧州内でも「BEVだけじゃなくね?」の意見があり、これから覆りそうな予感も。

BEV化の流れは止まらないのだろうけど、カーボンニュートラルに向け、自動車メーカーは最適解(モデルミックス、パワトレ、生産・販売地域ミックスなど)を見出し、かつ社会全体としてCO2フリーエネルギーの安定供給や充電器の整備など社会インフラ見直し、拡充が求められる。と難しいなあ…

本当におすすめなのでBEVに興味のある方はぜひ。

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今回も最後までお読みいただきありがとうございました!!

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