【なぜトヨタは世界一になれたのか】②トヨタが『どん底』だったころ
ご安全に!
欧州が長いバカンスに入ってしまうのを見て、毎年羨ましいと思うカッパッパです。(その期間一切欧州の仕事は進まない)
7月は連載企画「なぜトヨタは世界一になれたのか」をお送りします。第2回は「トヨタがどん底だったころ」。世界一の自動車メーカー、トヨタも経営が非常に苦しくなった期間がありました。リーマンショックからの赤字転落、アメリカでの品質問題…なぜそんな「どん底」に至ったのか。
強みを知るためにはその強みがいかにして作られたのかを知ることが必要です。今の強みはどん底だった時期の反省を活かして培われたもの。今のトヨタを語るうえでは欠かせない、一番経営が苦しかった時期を解説します。
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1)60年ぶり、創業期以来の赤字「トヨタショック」

https://global.toyota/pages/global_toyota/ir/financial-results/archives/jp/20090508_presentation.pdf
2009年3月期、トヨタは創業期以来、60年ぶりの営業利益で4610億円の赤字を計上しました。日本を代表する企業、製造業の中心を担ってきたトヨタが赤字に転落、大幅な業績悪化。前期2008年3月期は最高益だっただけにそのインパクトは大。株式市場の大幅下落や系列会社の人員整理による雇用環境の悪化、トヨタ関連の企業の税収の落ち込みなど各方面へ影響は波及。「トヨタショック」と名付けられるほど、日本経済に大ダメージを与えました。
この要因はご存知の通り、リーマンショックからの金融危機⇒景気の悪化。影響はトヨタのみならず自動車業界全体に。GM、クライスラーは破綻に追い込まれ、各社の業績も赤字に転落しました。トヨタだけでない/比較的傷は浅いのではないかと言われればそうなのかもしれません。しかし、創業期以降どれだけ景気が悪くなっても黒字を計上し、製造業全体を引っ張ってきたトヨタ。徹底した原価低減を行う、トヨタ生産方式は「不況の時、減産に対しても利益が確保できる」はずでした。
なぜトヨタは赤字転落に至ってしまったのか。その理由は「台数の罠」。成長を目指すどの自動車メーカーも陥いりがちな「台数の罠」とは一体どのようなものでしょうか。