5分でわかるクルマニュース_モビイマ!7/25

自動車業界の最新ニュース解説を発信するニュースレター、モビイマ!。先週のニュースをダイジェストで紹介。この記事だけ読めば、最新の自動車ニュースを抑えられる。1週間の始まりにぜひ一読を。
カッパッパ 2022.07.25
誰でも

ご安全に!

子どもと一緒に外で遊んでいたら、日焼けで真っ黒。アップルウォッチの部分だけ色が白いカッパッパです。

月曜の朝は「モビイマ!」の5分でわかるクルマニュースから。

先週のニュース/トピックスをカッパッパが厳選。コメント付きで解説。この記事だけ読めば、最新の自動車ニュースを抑えられる。1週間の始まりにぜひ一読を。

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【就活/仕事に役立つかもしれないクルマクイズ!】

日本参入が発表された中国大手EVメーカー、BYD。漢字の場合の名称、「BYD」正しいのはどれ?

ここに配置されたボタンは、ニュースレター上でのみ押すことができます。

答えはニュースレター一番下にて!

長い夏休み

トヨタ自動車は7月19日、8月のグローバル生産台数について、年初に仕入先に伝えた計画から約15万台減の70万台程度(国内約20万台、海外約50万台)となる見込みであると発表した。
トヨタのグローバル生産台数は5月が当初計画から15万台減の約70万台、6月は同20万台減の75万台、7月は同5万台減の80万台と、生産計画の見直しが続いている。8月も新型コロナウイルス感染拡大等に伴う部品供給不足により、生産計画の見直しを行う。なお、8~10月のグローバル生産台数は、平均で月85万台程度としており、通期生産は予定通り約970万台を見込んでいる。

トヨタ、8月も大幅減産。全14工場28ライン中、6工場9ラインで一部工場/ラインで稼働停止。年初計画比△15万台のグローバル70万台に。まだまだ続くよ、各社の減産。「意思のある踊り場」だったはずなんですが、ずっと減り続けていて上向くのは果たしていつになるのか。

今回のトヨタの減産で特に大きいのは元町1ラインと吉原1ライン。元町1ラインはbZ4Xを生産しているラインで7月も休止のため、合計で2ヵ月の休止。現在リコールが発表されているハブボルトの締め付け不良による脱輪懸念の異常調査も含む…ということなんですが実際何が起きているのか。工場のラインが2ヵ月も止まるなんて異例中の異例なので、問題がかなり深刻なことがうかがえます。また吉原1ラインは受注好調で納期が長期化(人気のあまり受注停止)しているランクルの製造ライン。納期が4年後…だったりしていたので、誤差の範囲かもしれませんが、少しでも注残を解消したい自動車メーカーとしてはライン停止は非常に手痛いはず。

トヨタ、以外でもホンダダイハツで8月の減産が発表。8月は自動車メーカーのカレンダーではお盆休みが1週間入るので、実質の稼働日はかなり少なくなる模様。

欧州もバカンス入るし、もういっそ長い夏休みにはいろうぜ!という気持ちなのですが、減産になれば、それはそれでやることが増える。「夏休みのある小学校時代に帰りたい」(byミスチル)

黒船来襲

 ビーワイディージャパン(BYDジャパン)は2022年7月21日、日本でBYDの乗用車タイプのEV(電気自動車)の販売を開始すると発表した。2023年1月からEV3車種を順次発売する。これに合わせて、乗用車の販売会社のBYDオートジャパンを設立した。2025年までに日本国内にディーラー100店舗を構え、購入の検討からアフターサービス、充電まで対応できる体制を整える。

発表中国の販売台数はテスラ超え、今最も成長著しい中国自動車メーカーのBYDが日本乗用車への参入を発表。すでにバスでは日本市場に参入済みで大きくシェアを伸ばしており、乗用車でも成功できるか。

BYDの特徴は何より安価であること。今回発表された三車種の現地、中国での値段はe-SUVの 『ATTO 3(アットスリー)』13万8000元〜16万6000元(約280万〜340万円),コンパクトハッチバック『DOLPHIN(ドルフィン)』11万2800元(約231万円)〜,セダン『SEAL(シール)』が26万2800元(約539万円)~とかなりのお買い得価格。ただし、すでに販売されているオーストラリアの価格では+100万強の値段設定となっているため、一番安い『DOLPHIN(ドルフィン)』でも300万(補助金定期用前)くらいでしょうか。

BEVとしては破格の値段ですが、ガソリン車と比較すればどうしても高いのは否めない。中国ブランドで知名度も低い中でどこまで売れるのか。輸入自動車特別取扱制度(PHP)を利用して日本に輸入するため、1車種あたり5000台/年までの販売と型式認証取るまでは一気に販売拡大は進まない見込み。ただ販売店を25年までに100店舗とかなりの力の入れよう。日本向けの品質に合わせて作りこむとのことで、どこまで日本の消費者に受け入れられるのか。

価格の詳細は11月発表、販売は23年1月から。台数がどれほど伸びるのか注目です。

チェンジ!

ドイツ自動車最大手のフォルクスワーゲン(VW)は22日、ヘルベルト・ディース社長が9月1日付で退任すると発表した。ソフトウエアや電気自動車(EV)開発の遅れについて社内外から批判が出ており、事実上の更迭とみられる。後任は子会社である独ポルシェのオリバー・ブルーメ社長が就く。

VW、ディース社長が9月1日付で退任へ。2025年までが任期だったのですが、3年前倒し。VW、業績自体は比較的堅調であるものの、EVの開発遅れ、組合との関係悪化、株価低迷などが重なり、創業家の信頼も失い、退任することに。

ソフトウェア開発の新組織立ち上げやEVシフトを打ち出し推し進めてきたものの、社内の舵取りが上手くいかず、TOP交代。規模が大きくなればなるほど、方針の転換は難しい。後任はポルシェ社長のブルーメ氏。e-fuel推しの方なので、これまでVWが一気に推し進めていたEVシフトも少し方針が変わるのかもしれません。

組合との関係悪化は、構造改革によって、本社工場で最大3万人の従業員を削減する計画を根回しなしで明らかにしたことから。日本でもEVシフトで大きく雇用は変わるだけに、この点はうまく抑えておかないと反発は必至。EVシフトを進める難しさと象徴するニュースとなりました。日本でもEVシフト遅れが批判させていますが、上手く軌道に乗せるのは社内/社外を含めて事前に十分な手を尽くしておく必要がありそうです。(JTC仕草と言われれば確かにそうなんですが)

儲かっています

アメリカの電気自動車メーカー、テスラの先月までの3か月間の決算は、原材料価格の高騰を受けて値上げを実施した結果、増収増益となりました。
一方、新型コロナウイルスの影響で中国にある工場が一時的な生産の停止を余儀なくされたことなどから、世界全体の販売台数は小幅な増加にとどまりました。

テスラ、4-6月期の決算は増収増益。販売台数は上海ギガファクトリー、ロックダウンでの操業停止があったために、30万台は割り込んだものの、高営業利益率は維持し、14.6%。

有料ニュースレターで7%くらいと予想していたのですが、がっつり外れました。売り上げ150億$予想⇒169億$と車両価格の上昇を十分に織り込めてなかったのが、外れた要因。今回の決算を見てわかったのはテスラは原価の上昇を車両価格にそのまま(もしくはそれ以上)反映し、1台当たりの利益を確保し続ける戦略であるということ。需要は十分にあるので、しばらくは価格を下げることなく、高価格帯で販売が出来、現在の利益率を維持し続けられるでしょう。上海ギガファクトリーがフル生産、テキサス/ベルリンの稼働も上がってきた7-9月の決算は4-6月期よりも好業績になることは間違いないでしょう。

また今回の決算発表ではピックアップトラック「サーバートラック」も23年半ばから販売されることが明らかに。すでに多くの受注、予約を持っているのですが、発表当時の3万9000$という価格では原材料/物流費高騰もあり赤字待ったなし。さすがにこの価格では売り出されないのでは思っています。

それにしてもやはり強かったテスラ。テキサス/ベルリンで数十億ドルの損失が出ている、人員削減を進めているといったマイナスの報道は一体何だったのか。しばらくは10%後半の高い営業利益を叩き出してきそうです。本当に強い。

【今週の一言】

現場にでると一瞬で汗だく。PCの前には卓上扇風機とタオルが欠かせない時期になりました。本当に熱い。現場のスポットクーラーでちょいちょい涼むのが好きなカッパッパでした。

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今回も最後までお読みいただきありがとうございました!!

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【クイズの答え】

正解は「① 比亜迪」=BYD。「② 蔚来」はNIO 「➂ 小鵬」はXiaopeng「④ 威馬」はWM Motor。中国メーカー、名前覚えるの本当に大変。合弁会社もあってややこしすぎる…

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