【徹底解説:自動車メーカー決算 ホンダ】二輪頼みの業績からの脱却は…

自動車業界の最新ニュース解説を発信するニュースレター、モビイマ!。「各自動車メーカーの22年期4-12月決算」解説、今回はホンダ。4輪=自動車の利益率が低く、構造改革を進めてきたホンダ。今期決算そして展望やいかに。
カッパッパ 2023.02.14
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「暑い!」と言って、2月なのに子どもが半袖に。子供は風の子を痛感しているカッパッパです。季節先取りしすぎやろ…

自動車メーカー決算シリーズ今回はホンダ。苦しんできた四輪の収益性改善のため、会社の体制の見直し、工場/モデルの集約化などの構造改革を進め、GM/ソニーとの提携を発表しています。収益改善、果たしてその効果は。そして今期の見通しは?

決算毎回、見るたびに思う、二輪の圧倒的強さ。自動車だけでなく、他で稼ぐことのできる他業種展開がホンダの強み。その内容を含め、ホンダ決算、どこよりも詳しく徹底解説します。

1.4-12月期は増収増益…だけれども10-12月期は

4~12月期は、売上収益が前年同期比同17.3%増の12兆5234億円、営業利益が同9.3%増の7339億円、当期利益が同0.2%増の5831億円の増収増益だった。四輪車販売台数は同8.7%減の274万台。半導体不足や新型コロナウイルス感染拡大による生産影響を受けて減少した。

2022年度4-12月期売り上げは前期比+17.3%増,12兆5234億円、営業利益は前期比+9.3%、7339億円、営業利益率は5.9%(▲0.4pt)。増収増益ながらの営業利益が下がる手放しでは喜べない内容となりました。

  やはり厳しいのは自動車=四輪事業。

特に北米での販売台数の落ち込みがひどく、前年比で▲36.9%と約2/3に。加えて10-12月期では中国でも販売が大きく落ち込みました。コロナロックダウンの影響による販売不振が原因ですが、ホンダの2大稼ぎ頭である北米と中国の販売台数大幅減は業績に大きな影響を与えています。

事業ごとの収益で見ると四輪は営業利益率、1.4%と何とかギリギリ黒字を確保。利益率の高いオートローンなどの金融事業と合わせても3.3%。今回発表された日本の自動車メーカーの中で4輪としては最も低い数字になりました。ホンダは構造改革を進め、収益性を向上させてきましたが、自動車業界全体の課題、部品不足で生産が伸びない、原材料高騰の影響が大きく、前期より収益性は悪化しています。

営業利益の増減要因を見ても、「売上台数、構成変化」が+13億円にとどまっています。他社が販売構成要因で大きく+なのとは対照的。為替影響の2537億円でプラスに転じているものの、営業利益はギリギり横ばい。うーん、厳しい。

いや、それにしてもホンダ、相変わらず二輪の収益性の高さはすごい。営業利益率17.1%。売上高は四輪事業の30%以下ながら、営業利益は四輪事業の3倍以上で過去最高を更新。自動車以外の事業を持ち、十分に稼げる力を持っているは他社にないホンダの強みです。

増収ながらも販売が増えず、特に4輪が厳しい内容となった4-12月期決算。足元でも依然半導体供給問題による生産減が続いているホンダ。果たして今期はどのような見通しとなっているのでしょう。

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  • 2.2輪パワーで見通し維持

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