5分でわかるクルマニュース_モビイマ!12/5

自動車業界の最新ニュース解説を発信するニュースレター、モビイマ!。先週のニュースをダイジェストで紹介。この記事だけ読めば、最新の自動車ニュースを抑えられる。1週間の始まりにぜひ一読を。
カッパッパ 2022.12.05
誰でも

ご安全に!

先日もおつたえしたとおり、週に3日は鍋。カッパッパです。攻守優れる鍋の素はとり野菜みそ。こちら肉は鶏肉/豚肉。野菜は白菜/キャベツ、締めはごはん/うどんでもいける万能選手。味噌タイプなので場所をとらないのもうれしい。

月曜の朝は「モビイマ!」の5分でわかるクルマニュースから。

先週のニュース/トピックスをカッパッパが厳選。コメント付きで解説。この記事だけ読めば、最新の自動車ニュースを抑えられる。1週間の始まりにぜひ一読を。

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まだまだ続くよ

トヨタ自動車は2022年11月22日、同年12月の世界生産台数が75万台程度になると発表した。内訳は国内が約25万台、海外は約50万台である。
 同社が2022年9月22日に同年10月の生産計画を発表した時点では、10~12月の世界生産台数は平均で月85万台程度としていた。ただ実際には、車載半導体不足の影響を受けて10月は約75万台に、11月は約80万台に下方修正した。12月もこの計画に比べると約10万台の減産となる。
 ホンダは24日、12月上旬の埼玉製作所(埼玉県)の生産台数を、当初の計画より3割減らすと発表した。生産に必要な半導体の供給不足が続いているためとしている。11月中は計画通りの生産を継続する。 
減産により、埼玉製作所で生産しているミニバンの「ステップワゴン」、中型車の「シビック」の納期の遅れにつながるとしている。2車種は、ガソリン車、ハイブリッド車ともに納車まで半年以上かかる見込みという。

依然続く半導体供給問題による自動車メーカー減産。12月もこれまで同様各社で生産調整が入る状況に変化なし。トヨタは10月内示比で▲10万台、ホンダは11月内示比で▲3割。この2社は減産内容が報道されるのですが、他社は減産情報が公開されません。大手二社が減産であれば他社も同様の状況が続いていると思われます。

通期見通しでも各社が生産/販売台数を下方修正。当初の計画よりも自動車の生産挽回はできていません。半導体全体で見れば、供給不足が解消されつつあるものの、自動車に使われる旧世代の半導体供給は依然タイト。1月以降の生産もまだまだ不安が残ります。

そもそも自動車の生産計画が在庫積み増し、超納期化=バックオーダー解消のために、かつてないレベルで高く設定されていることもあり(トヨタの10月生産は過去最高)、半導体、自動車メーカーの希望通りの数量は確保できていません。

流石に通期見通しを見直したばかりなので、年度単位では下方修正が発表されることはないと思いますが、ただ年を明けても大幅な改善を望むことは難しいでしょう(当初は21年中に解消される見込みだったのですが)

ダイハツ工業は30日、滋賀第2工場(滋賀県竜王町)で30日夜勤分から12月2日まで稼働を停止すると発表した。中国で新型コロナウイルスの感染が拡大したことに加え、感染を徹底的に封じ込める「ゼロコロナ」政策によって物流が滞り、必要な部品の調達に支障が出ているためという。

また半導体以外でも中国ゼロコロナ政策=ロックダウンにより、ダイハツが減産。中国はいつロックダウンが起きてもおかしくない状況にあるので、在庫の確保や工場での稼働対応(バブル生産と呼ばれる工場泊り込み)でリスクヘッジしているのですが、それでも急に生産、物流が止まれば自動車の生産にも影響が。

半導体供給問題もロックダウンもまだまだ全面解消の余地はなし。自動車業界の業績は引き続き、これらの問題に大きく影響されそうです(業績と待っている消費者のことを考えると、早くフル生産体制になってほしい)

中堅メーカーのあるべき戦略は

マツダは30日、2030年までの電気自動車(EV)開発や生産の基本方針を示した。22日には協業先の投資分を含めて1兆5000億円を同年までに投じる計画を表明した。1960年代の「ロータリーエンジン」世界初の量産化が象徴するように内燃機関を強みにしてきたが、電動化対応にかじを切る。世界的には中堅規模の車メーカーにとって巨額となる投資に勝算はあるのか。

マツダ、中期経営計画を発表。年間100万台規模の中堅自動車メーカーは100年に1度の変革期をどう乗り切ろうとしているのか。

マツダの戦略は簡単に示すと

  • 2025年までは内燃機関車、直近販売を始めたラージ商品群で利益を伸ばす

  • 並行してサプライチェーン強化

  • 2027年にかけて電動化(BEV,PHEV、HEV)に移行

  • 2028年~BEVに本格参入

内燃機関車でキャッシュを稼いで、それをBEV開発の原資に変える。トヨタ規模のメーカーであれば「全方位」、各種のパワートレインを同時に開発するリソースがありますが、マツダ規模=中堅では難しい。現段階で優位性のある内燃機関でがっつり稼いだ後で、電動化の開発を切り替え。

妥当な戦略だと思う一方で不安点も。利益を稼ぐ予定の内燃機関車=ラージ商品群が果たしてそれだけ売れるのかどうなのか、電動化の本格投入が28年以降で先行する他社に追い付いていけるのかどうか。

BEV普及に関しては、この記事で指摘されているようにどこまで進むかは不透明。たしかにEVシフトが遅れれば、内燃機関で優位性のあるマツダは今以上に競争力を持つことが可能。果たしてその戦略は上手くはまるのかどうか。

マツダが主戦場として選択したアメリカは金利上昇により、徐々に自動車の購買意欲が落ち始め。ただもう後には引けないのでやり切るしかない。命運を握るのはラージ商品群とアメリカの売れ行き、EVシフトの動向になるでしょう。果たしてマツダの運命やいかに。

水素がなければ電気をつかえばいいじゃない

ホンダは30日、2024年に米国で水素を使う燃料電池車(FCV)を生産すると発表した。外部から充電できるプラグイン機能も搭載する。ホンダは40年に新車販売の全てを電気自動車(EV)かFCVにする目標を掲げる。主要市場である北米で、顧客に対しFCVも選択肢の1つとして提示する。
新たに生産するFCVは、多目的スポーツ車(SUV)「CR-V」をベースにし、米オハイオ州のパフォーマンス・マニュファクチャリング・センターで少量生産する。同工場では11月までスポーツカー「アキュラNSX」をつくっていた。
水素の供給拠点がまだ十分に整備されていないこともあり、外部からの充電もできる「プラグインFCV」にする。こうした技術を採用するのは、「北米の市販車としては初」(ホンダ)という。

ホンダ、北米で「プラグインFCEV」を生産、販売へ。FCEV、クラリティを販売していたものの、打ち切られ、現在はラインナップにないホンダFCEV。ここに来て北米で復活。

ただ水素インフラは不十分。ならばプラグインにして水素でも電気でも走れるようにすればいいじゃないとプラグインハイブリッド化。カッパは当初、ガソリンとのハイブリッドかと思ったのですが、フォロワーさんが「電気」とのハイブリッドですよねと指摘されて「そらそうやな」と間違っていたことに気がつきました。FCEV、水素を電気に変え、モーターで駆動するので電気とのハイブリッドの方が自然ですね…

ただ、電池も水素の燃料タンクも積むとなると、それぞれの搭載量がどれほどになるのか。共にスペースを必要とするだけに、バランスが気になる。CR-Vベースなのでそこまで大きいわけでもないですし、車両設計上スペースは限られるはず…あと機構が複雑になるので、価格も上がりそう。

正直、プラグインFCEVという発想はなかった。電動車の区分がまた増えることになるんですが一体。表記になるんだろう。まだまだ情報が限られ、未知数。続報に注目です。

来年は値上げ?

中国のEV(電気自動車)大手の比亜迪(BYD)は11月23日、ほとんどの車種の希望小売価格を2023年1月1日から2000~6000元(約3万9600~11万8800円)値上げすると発表した。
その理由についてBYDは、「新エネルギー車」の普及を後押しする中国政府の補助金が2022年末をもって廃止されることと、2022年後半に車載電池の原材料の価格が急上昇したことを挙げた。
サクラの税込み価格は下記のとおりだ。
Sグレード:249万3700円(現行モデル比16万0600円高)
Xグレード:254万8700円(現行モデル比14万9600円高)
Gグレード:304万0400円(現行モデル比10万0100円高)
見てのとおり、最上級モデルは300万円を超える設定へと見直される。なお、仕様は変わらない。
一方、リーフの税込み価格は下記のとおりだ。
◆40kWhモデル
Xグレード:408万1000円(現行モデル比37万1800円高)
X-Vセレクション:431万8600円(現行モデル比37万1800円高)
Gグレード:444万8400円(現行モデル比37万1800円高)
◆60kWhモデル
e+ Xグレード:525万3600円(現行モデル比102万8500円高)
e+ Gグレード:583万4400円(現行モデル比102万8500円高)
このように40kWhモデルは約37万円、60kWhモデルは100万円以上(!)も値上がりする

躍進目覚ましいBEV。主なコスト要因である電池が量産効果で価格が下がり、それに伴ってBEVの価格も下がっていく…はずだったのですが、直近は値上げ傾向。電池の原材料であるリチウムといった資源価格が高騰。販売価格に反映され、車両価格は高くなる見込み。

右肩下がりになるのではないかといわれていたBEV価格も見直しの時期へ。原材料高騰以外でも補助金の打ち切りによる消費者負担増もあり、来年は価格は上がる傾向にありそうです。ただ、BYDなどの大衆車向け価格が売り上げを伸ばしており、(日本にも来年進出予定)手の届きやすいBEV自体は増えるかもしれません。

内燃機関車に比べ、原材料、補助金の影響を受けやすいBEV。EVシフトが加速(特に2022年は中国とアメリカ)する中で、価格がどう変化し、そして消費者はBEVを選択していくのかどうか。

2022年が予想外に伸びすぎた(特にBEV)のですが、2023年も同様に伸びるのか、はたまた頭打ちになってしまうのか。直近ではエバーグランデのBEV撤退、電池ノースボルトの工場建設延期の報道もあり、BEVシフトへまっしぐらとはいかない模様。

BEVの価格は果たしてどうなるのか。今後の各社の価格戦略に注目です。

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今回も最後までお読みいただきありがとうございました!!

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