5分でわかるクルマニュース_モビイマ!9/5

自動車業界の最新ニュース解説を発信するニュースレター、モビイマ!。先週のニュースをダイジェストで紹介。この記事だけ読めば、最新の自動車ニュースを抑えられる。1週間の始まりにぜひ一読を。
カッパッパ 2022.09.05
誰でも

ご安全に!台風が来ると、各自動車メーカーの操業状況がどうなるか確認せずにはいられないカッパッパです。

ちなみにこちらから見れる地図がめっちゃ役に立ちます。ぜひご活用いただければ。

月曜の朝は「モビイマ!」の5分でわかるクルマニュースから。

先週のニュース/トピックスをカッパッパが厳選。コメント付きで解説。この記事だけ読めば、最新の自動車ニュースを抑えられる。1週間の始まりにぜひ一読を。

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私たちもアメリカに建てます

トヨタ自動車が電気自動車(EV)向け電池の生産へ本格的に動きだした。31日、日本と米国で電池の増産に最大7300億円(約56億ドル)を投資すると発表した。米国でホンダが大型工場の建設を決めるなど巨額投資が相次いでいる。EVシフトの進む米国を中心に、主要部品の電池を自前で生産し確保しようとする自動車各社の競争がさらに激しくなりそうだ。

先週のホンダ、LGとの連携でアメリカに電池合弁会社設立に続いて、トヨタも電池戦略を発表日本ではPPES(プライムプラネットエナジー&ソリューションズ)の姫路工場、アメリカではノースカロライナ州の電池工場に、EV向けを中心に2つの生産ラインを追加の投資を発表。今回投資により増設となる40ギガワット時分の電池は、トヨタが販売をはじめたEV「bZ4X」で換算すると60万台弱に相当。2030年300万台を掲げるトヨタ。今回の増設は2024~26年の生産開始と、徐々に電池戦略が明らかに。

アメリカは先日、EV支援の新法案が可決。ただ支援対象となる自動車の生産・調達条件が非常に厳しい内容。

新車支援の対象は北米生産車のみ。そのうえで、車載電池の部品の一定割合が北米生産でないと7500ドルのうち3750ドル分の支援を受けられない。残りの3750ドルについても、電池に含まれる「重要鉱物」の一定割合が、米国が自由貿易協定を結ぶ国などから調達されたことが条件になる。

EV補助金対象となるにはアメリカでの生産、電池調達必須(日本メーカーで現状受けられるのは日産「リーフ」だけ)となり、トヨタもアメリカでの生産を明確化。ただ他社と組むわけではなく、自社生産。トヨタは自社で内製化してノウハウを貯めたたうえで、外注化していくパターンが多いので電池も同様になるのでしょうか。

それにしても電池に関しては中国、アメリカ、欧州で囲い込みが行われ、現地調達がマストになりつつあります。需要増、材料含め、今後サプライチェーンの構築が難しい部品となっていきそうです。

1年間は長いなぁ

日野自動車がエンジンの排出ガスの不正問題を起こした中型トラックなど一部車種の生産を、少なくともあと1年止めることがわかった。これまで不正問題で出荷を止めているトラックについて、生産停止期間の見込みを明らかにしていなかった。対象車種は出荷再開に向けて国土交通省の許可を得るための試験などに時間がかかると見込む。取引先の部品メーカーなどの業績への影響も大きくなりそうだ。

不正問題が相次いで発覚している日野自動車、中型、大型トラックの生産再開は早くても23年夏、1年以上生産がSTOPすることに。あとから問題が発覚した小型トラック向けは試験方法での不正だったので、10月から生産再開と比較的早いのがせめてもの救い。

1年間、主力製品の販売が難しいとなると経営にも大ダメージ。トヨタが親会社であること、手元資金が十分であることから当面「倒産」の可能性は低いですが、信頼回復も含めると今後の立ち直りは困難を極めるでしょう。

トヨタからの人的な支援も受けるようですが、何よりも大事なのは社内の意識からの変革。

商用車メーカーの中の人
@trucknakanohito
日野自動車が新たなプロジェクトを立ち上げた!その名は「信頼回復プロジェクト」と「パワハラゼロ活動」

色んな最小化を聞いたけど、「ご迷惑の最小化」は初めて聞いた。ご迷惑って最大化も最小化も出来るんだね。
2022/08/30 18:35
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いや、やりたいことはわかるんですが、上手くいくのかな(表面的ではなく、根本的治療となってほしい)

チャンピョン交渉は鉄鋼の勝ち?

トヨタ自動車は日本製鉄と車用の鋼材を値上げすることで合意した。部品会社に供給する価格を2022年度下期(22年10月~23年3月)は上期よりも1トン当たり約4万円引き上げる。上昇幅は10年度以降で最大となる。半導体や樹脂なども値上がりしており、インフレの連鎖が車の販売価格にも波及する可能性が出てきた。

トヨタ自動車と鉄鋼最大手の日鉄の価格交渉、通称「チャンピオン交渉 」。半期ごと、年2回行われますが、2022年度下期は上期よりも1トン当たり約4万円、2~3割引き上げへ。鉄鋼(特殊鋼含む)は自動車の重量比で40%も使われる主要材料。値上げが進むことで車両価格にも反映が進んでいくかもしれません。

かつては多量を発注することで自動車メーカー側の意見が通りやすかったチャンピョン交渉。鉄鋼メーカーが業績に苦しむ中で、近年はその関係が大きく変化し、値上げすることが多くなってきました。トヨタとの価格は他自動車メーカーや産業向けにも影響を与えるので、下期は全体を通じてより材料高が進んでいくことになりそうです。

世界で進んでいる、インフレが原材料高騰により日本でも浸透していく気配がビンビン。その分給料が上がってくれないと生活に困る。自動車は今のところ、価格が下がる要因があまり見当たらなく、価格は今後高くなっていくことが予想されるので、欲しい方は今のうちに買った方が良いと思います(この2年くらい同じことをずっと言ってます)。

BYDの伸びが半端ない

中国の2022年1~6月の乗用車販売は電気自動車(EV)など新エネルギー車の品ぞろえやロックダウン(都市封鎖)の影響が明暗を分けた。EV大手、比亜迪(BYD)は新エネ車で米テスラなどを抜いて首位となり、乗用車全体でも6位に躍り出た。EVに強い中国勢の存在感が高まる一方、外資大手の多くは苦戦する。

世界最大の自動車市場、中国。新エネ車(PHEV,BEV,FCEV)の伸びがすさまじく、22年上期はその中でもBYDの成長が著しい結果に。新エネ車の販売台数は前年実績の2.2倍の242万台、通年では500万台を超え、550万台に達するという予測も。BYDは新エネ車の販売台数を前年同期の4倍近い62万台、中国のみならず日本を含めた世界各国へも販売を広げようとしています。

個人的に22年上期一番の驚きであったBYDの躍進。特徴は高級車だけでなく、10万元(約200万円)前後から30万元程度までの幅広い品ぞろえ。利益率は高くないものの、大衆車を作りながら、赤字になっていない点が素晴らしい。電池メーカーとしての技術、調達力が躍進のカギとなっています。トヨタと中国BYD協業のセダン型電気自動車、新型BEV『bZ3』がネットでは先行リークされており、今後も増々の伸びが期待できそうです。

ちなみにBEVで遅れていると批判されているトヨタは22年上期は前年比+1.8%でシェアも拡大。現状ではBEVの遅れが販売に影響を与えているかといわれると「NO」。今はどれだけ作れるかが販売の一番の要因となっているため、一概に言えませんが、BEV投入が業績を左右してはいなさそうです。(ホンダが生産できずに、前年比△8.6%で辛い)

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【今週の一言】

気になっていたマツダ、CX-60が近所のディーラーに試乗車入荷されたので見に行ったのですが、やはり大きい。家の周りの道が狭いので、どうしようかなと考え中(いずれ買いたい)

ゆきし
@kiyu_utoisa
>アンケート実施時、選択肢から「マツダ」が漏れており、本ランキングはマツダ以外のメーカーで作成されています。

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2022/09/02 15:53
0Retweet 7Likes

マツダ、入れないのはあかんでしょ!(カッパも国内メーカー挙げる際は、全部かけているか細かくチェックするようにしています)

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今回も最後までお読みいただきありがとうございました!!

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