【今期はヤバイ!?】大胆予想!7-9月期自動車業界決算_モビイマVol29

自動車業界の最新ニュース解説、おすすめレポ、本を紹介するニュースレター、モビイマ!第29号。今回のコラムでは21年7-9月期の自動車業界決算を大胆予想。部品供給問題に苦しみ「トヨタショック」もあった7-9月期。果たしてどのような決算になるのか、語ります!
カッパッパ
2021.10.14
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ご安全に!

今回の記事では、今月10月の末から発表される21年7-9月期自動車関連企業の決算がどのようになるか大胆予想!していきます。

4-6月期は完成車、部品メーカー含めかなり好調だった業績。しかしながら、7-9月は「トヨタショック」に代表される大減産、他社も毎月操業調整が入り、全世界的に販売台数は低迷しています。

果たして決算はどのようになるのか。カッパッパなりに推測します!!(ちなみに前回はトヨタの決算がめっちゃ良いという予測は当たったのですが、株価は下がるという結果になったことが)

それではモビコラム、スタートです!!

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1.モビコラム

モビコラムでは、カッパッパが自動車業界最新トレンドを独自の視点と切り口で語るコラムです。かなり力を入れた内容で仕事/投資に役立つこと間違いなし!

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好調だった21年4-6月決算

newswitch.jp
乗用車7社の2021年4―6月期連結決算が出そろい、トヨタ自動車など全社が増収、ホンダなど5社の営業損益が黒字に転換した。新車販売は新型コロナウイルスの感染拡大で落ち込んだ前年同期と比べ米国などで回復。収益体質の強化も利益を押し上げた。
https://newswitch.jp/p/28297

7-9月の決算を予想するにあたり、前回4‐6月期の決算がどのようなものだったのか復習しておきましょう!

端的にいうと「すごく良かった4-6月決算」。完成車メーカーは全社増収、黒字化。主要市場である北米や中国で需要が伸び、販売が好調であったこと、在庫がひっ迫している影響で販売奨励金が少なくても車が売れる→1台あたりの利益が高まったことにより、業績好調。トヨタでいえば営業利益率が10%を超えるなど、自動車メーカーとしてずば抜けた高利益率に。

https://newswitch.jp/p/28297
https://newswitch.jp/p/28297

通期見通しでは、足元の好調な販売や為替の円安などを追い風に、ホンダが営業利益を、日産と三菱自動車は営業損益を上方修正。一方、トヨタやマツダは半導体不足や資材価格の高騰などの影響が不透明として従来見通しを据え置き。(この判断が今回の7-9月の決算に影響大かも)

newswitch.jp
トヨタ自動車グループの主要部品メーカーの業績回復が進む。2022年3月期連結業績予想をデンソーなど3社が上方修正した。コロナ禍で落ち込んだ自動車メーカーの生産回復を受け増収。さらに体質改善の取り組みの成果が出て利益を押し上げる構図だ。
https://newswitch.jp/p/28216

完成車メーカー好調の波に乗った自動車部品メーカーも軒並み好調な決算

トヨタ系の主要部品メーカーの業績回復が進み、黒字化+増収。通期の見通しも上方修正が発表。トヨタ系以外の他主要な部品メーカーも業績好調であり、「コロナ禍からの回復」を成し遂げた!決算になっていました。

依然続く半導体不足問題

newswitch.jp

4-6月は好調だった各社。しかし、7-9月に入ってからは暗雲が立ち込めてきました。元々リスク要素として挙げられていた半導体不足。3月に起きたルネサス那珂工場の復旧が進み、下期からは挽回生産で取り返す!はずが、半導体前工程の能力不足が予想以上に響き、生産が増やせない状況にあります。

当初は21年下期には回復と言われていた半導体供給問題。その解消の時期は時を経るごとに遅れていき、直近での減産幅もどんどん大きくなっています

コンサルティング会社の米アリックスパートナーズは、半導体不足による世界の自動車メーカーの生産損失額が2021年に2100億ドル(約23兆円)になるとの予測を公表した。5月時点では損失額を1110億ドル(約12兆円)と見積もっていた。

9月大減産となった「トヨタショック」。その主要因の一つがこの半導体不足。4-6月時は生産調整をしなかったトヨタがこれほどまでの減産に陥ったことを考えると、状況は悪化している傾向にありそうです。

この半導体不足問題、現時点で回復は22年に入ってから(それもいつ頃かは未定)。

10月に入ってからも操業調整が続いていることを考えると、今後もまだまだ影響は大きいと言えます。(日本国内メーカーも影響大ですが、7-9月期、アメリカBIG3やVWもめちゃくちゃ影響を受けています)

解消されない物流の混乱

mainichi.jp

2020年末から続いている物流網の混乱も収束していません

巣籠需要を背景に大幅に増えた中国⇒アメリカへの輸出。コンテナの需給バランスが崩れ、物流費が高騰。また、荷役人員の確保が出来ず、積み下ろしの遅れにより世界各地で荷揚待ちの滞船が続き、その数量は減っておらず…

www.jetro.go.jp

21年10月現在では北米向けでは、通常のリードタイムからは2週間~1ヵ月の遅れが発生しており、時によっては予定されていた船がキャンセルになる(抜船)ことも。

22年はアメリカ港湾との労働協約の改定時期でもあり、ここでストが起きたりすると、更に状況は悪化。物流の数量は今後も減る見込みはなく、根本的な解消に至る道筋は見えていません。(半導体不足問題と同じくどんどん解消見込みが後ろにずれていってます)

コロナ感染拡大によるロックダウン

7-9月期で自動車業界の操業に最も影響を与えたのは東南アジアでのロックダウンです。

www.nikkei.com

ベトナム、マレーシアでは6月末以降長期、1ヵ月以上に及ぶロックダウンが実施。工場の稼働を停止させ、自動車部品の供給網に大きなダメージを与えました。工場の泊まり込みや部分的な稼働を認めてもらうことで初期は何とかしのいでいたものの、長期化していくにつれ、需要に見合った供給が困難に。

労働集約型のワイヤーハーネスなどの部品は人件費の安い東南アジアでの生産が主流となっており、元々不足していた半導体もマレーシアに後工程工場があるなど操業への影響は甚大。

9月のトヨタショックは半導体問題もありますが、この東南アジアでのロックダウンの影響も主要因の1つ。

9月以降、東南アジアでの感染拡大は収まり、工場の操業は戻りつつあるものの、操業できない期間が長かったため、中間=安全在庫が枯渇、また帰郷した労働者が戻ってこない問題もあり、何か起こればまたすぐ供給が危うくなるリスクをはらんでいます

はね上がる原材料費

news.yahoo.co.jp

供給問題以外での大きな問題が「はね上がる原材料費」です。需給ひっ迫を理由に半導体や樹脂(21年前半に問題)が値上げを表明。自動車のボディを作る鋼板では、原料となる鉄鉱石の値段がこの1年で2倍に。日鉄とトヨタでの自動車部品向け鋼材の価格交渉ではこれまでにない大幅な値上げが決定されました。

その他の材料に関しても概ね上昇傾向にあり、1年前と比較すると原材料費は大幅に上がっています。これを受けて、一部海外メーカーではすでに値上げを実施。メーカー直販のテスラではオンラインでの販売価格を幾度も変更、価格は上がる一方。

これから普及が見込まれるEVでは、電池に使用する貴金属関連が大幅に価格上昇しており、ただでさえ利益が出づらい中で採算性を保つことができるのか、難しくなっています。

低迷する7-9月の販売/生産実績

このような環境の中で7-9月は部品供給が制限されたために、生産が出来ず、結果販売も大きく落ち込む結果となりました。(特に8月、9月)

jp.reuters.com

直近の9月でいえば主要市場の中国では前年比△19.6%。国内大手各社も大幅減となり、これまで比較的数量減が少なかったトヨタでも△36%。

もう一つの主要市場、アメリカでの7-9月の販売実績は全体で△5%。

https://mainichi.jp/articles/20211002/k00/00m/020/046000c
https://mainichi.jp/articles/20211002/k00/00m/020/046000c

中国に比較すると、数量減は少ないですが、9月に入ってからは前年比マイナスとなっているメーカーが多く、販売状況は非常に厳しい。

日本でも9月新車販売は中国とほぼ同等の△32%。各社、新車と投入し、受注が好調な車種があるものの、生産が遅れ納期がどんどん長期化し、半年以上になるなんてことも。

販売が伸び悩んでいる以上、売り上げ高はかなり減ることになると推測できます。

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