過去最大規模の生産調整!トヨタショックの要因とこれから/テスラから考える自動運転事故問題_モビイマ!【Vol.18】

自動車業界の最新ニュース解説、おすすめレポ、本を紹介するニュースレター、モビイマ!第18号。【ニュース】過去最大規模の生産調整!トヨタショックの要因とこれから/テスラから考える自動運転事故問題/今週のテスラetc.
カッパッパ 2021.08.23
読者限定

━━━━━━━━━━━━━━━━

クルマのイマがわかる「モビイマ!」

( 2021年8月23日発行 )

━━━━━━━━━━━━━━━━

ご安全に!

お盆明けの1週間、予想以上にバタバタの日々。悪天候で止まるマツダ…そして9月大減産の「トヨタショック」。

波乱の幕開けとなった自動車業界。これまでの回復モードから再び低迷モードに入るかもしれません。日本経済を引っ張ってきた自動車業界。果たしてどうなる?

それでは「モビイマ!」Vol18スタートです。

【目次】

1. Weekly Mobility News

  • 過去最大規模の生産調整!トヨタショックの要因とこれから

  • テスラNHTSA調査に見る自動運転事故をどう考えるべきか問題

  • 今週のテスラ

2.モビカイブ

  • かわいいダースベイダー!【CM】2011 フォルクスワーゲン パサート The Force 

3.余談:ヘノヘノカッパッパ

  • ネットに毒されすぎてはいけない

***

1. Weekly Mobility News

Weekly Mobility Newsでは、自動車業界1週間の注目ニュースや記事を紹介し、Twitterよりも深掘りした情報・視点を発信します。自動車業界の最新トレンドはこれさえ読めば大丈夫!

-----------------------------------

過去最大規模の生産調整!トヨタショックの要因とこれから

トヨタ自動車は19日、9月の世界生産を約36万台減らす大規模な減産に踏み切ると発表した。部品メーカーが集まる東南アジアで新型コロナの感染が拡大し、部品不足が広がっているため。
(中略)
 減産36万台のうち、国内分は14万台、海外分は22万台。最大市場の北米と中国はそれぞれ8万台減らす。9月の世界生産計画は当初約90万台だったが、約4割減る。

8/19に発表された8~9月トヨタの大幅減産。半導体供給問題でもこれまで減産幅の少なかったトヨタ。「さすが、トヨタ。部品調達力凄まじい」と周囲が驚く中で、4~6月業績も非常に好調。このまま、世界で一番売れるかつ儲かる自動車メーカーとして快走する…と思いきや、ここにきて9月計画比40%減の大減産へ。14:30過ぎに日経から第一報が入ったのですが、それを受けて株価は一気に下落。「トヨタショック」と言われ、自動車業界のみならず、日本経済全体への影響が懸念されています.

具体的な工場、車種の減産内容は公式リリースを見るとわかりやすいです。

注目すべきなのは新車、売れ筋、利益率の高い車も大幅な生産調整が入っている点です。日本での納期は2年近くかかるのではないかと言われる新型ランクル300、新型車の発売を始めたばかりのNX、販売上位に位置するヤリス、ヤリスクロス、アルファード、SUV人気で需要も多く利益率も高いRav4、ハリアー。通常であれば、これらの車種は生産を続けるべく、必死に在庫を繋ぎ減産を回避するのですが、今回は生産調整。特にランクル300、吉原の20日間稼働停止は大きい。単純に考えると、納期が1ヵ月遅れることになります。

今回の減産の要因は先週の記事でも書いた「再拡大するコロナ感染」です。

コロナを抑え込んだとされる中国、ワクチンの接種が始まった北米ではコロナ感染防止策が解除されていき、通常の生活に戻る一方で、21年5月以降東南アジアを中心に感染は拡大し、ロックダウンが再び行われています。
マレーシアやタイ、インドネシア等でロックダウンにより工場が停止。しかもロックダウンされても感染拡大が収まらなかったことから、より規制は強化され、工場の停止期間も長期化していきました。グローバルで展開する自動車業界では仕入れ先が東南アジアに工場を持ち、日本や中国、北米に部品を輸出するサプライチェーンを構築している企業も多数あり、影響を大きく受けています。在庫を多く持って対応していたとしても、ロックダウンが長期化、1ヶ月を超える国も出てきており、部品の必要量に対し不足が生じ始めました。トヨタ7月末での富士松工場の稼働を停止,及び日産8月米南部テネシー州の完成車工場の生産を2週間休止はこの東南アジアの感染拡大によるものと報道されています。

実はマレーシアにはルネサス、インフィニオン、STマイクロの半導体工場があり、元々在庫の少なかった半導体関係はこのロックダウンで非常に影響を受けることに…

東南アジアの部品供給で問題になっている部品は半導体だけではありません。8/21の日経新聞の報道では半導体の他に、ワイヤーハーネス(矢崎総業)、そして生産調整を行っている企業として自動車ランプの小糸製作所、東レや三菱ケミカルなど素材メーカーが挙げられています。ワイヤーハーネスは自動化が進んでおらず、人海戦術、労働集約的に生産されているので、今回のコロナ拡大で出社できないとなると影響が大きそう…

この記事は無料で続きを読めます

続きは、5797文字あります。
  • テスラNHTSA調査に見る自動運転事故をどう考えるべきか問題
  • 2.モビカイブ
  • 3.余談:ヘノヘノカッパッパ

すでに登録された方はこちら

提携媒体・コラボ実績

サポートメンバー限定
【ホンダ 24年上期決算解説】中国不振とアメリカBEVの2大問題をいか...
サポートメンバー限定
【スズキ 24年上期決算解説】トヨタを超える1人勝ち!インド軸戦略に死...
サポートメンバー限定
【マツダ 24年上期決算解説】北米パワーで利益を維持!内燃機関で稼ぐ『...
サポートメンバー限定
【トヨタ24年上期決算解説】苦境の上期から下期挽回へ!十全な足場固めの...
サポートメンバー限定
【日産24年上期決算解説】急転直下の一人負け。再び『リバイバル』が必要...
サポートメンバー限定
【SUBARU24年上期決算解説】増収増益でも喜べない、潮目が変わった...
サポートメンバー限定
【三菱自動車24年上期決算解説】PHEVと北米パワーでどこまで乗り切れ...
誰でも
5分でわかるクルマニュース_モビイマ!