【マツダ 23年上期決算解説】過去最高更新尽くし!フェーズ1で仕込む電動化への道筋

自動車業界の最新ニュース解説を発信するニュースレター、モビイマ!。「各自動車メーカーの上期決算解説」最終回はマツダ。昨年から販売した新PF「ラージ商品群」の真価が試される今期、果たしてその結果は。
カッパッパ 2023.12.05
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中期経営計画としてブランド力向上を掲げ、昨期から満を持してのラージ製品群を投入したマツダ。CX-60に続いてCX-90も発表し、ラージ商品群が本格的に台数を伸ばすことが期待される今期、果たしてブランド戦略は上手くいっているのか。どこより詳しく解説します。

1.増収増益!過去最高更新尽くめの好業績!

出典 マツダ 2024年3月期 第2四半期決算  プレゼンテーション資料より

出典 マツダ 2024年3月期 第2四半期決算  プレゼンテーション資料より

2023年上期は売上高、2兆3,173億円(前期比+6,748億円)、営業利益1,296億円(前期比+4688億円)と増収増益。営業利益率は5.6%、前年同期比+2.2ポイント。増収増益、売上高、営業利益共に過去最高を記録する好決算になりました。

出典 マツダ 2024年3月期 第2四半期決算  プレゼンテーション資料より

出典 マツダ 2024年3月期 第2四半期決算  プレゼンテーション資料より

直近の23年7-9月期では売上高1兆2,263億円、営業利益996億円,営業利益率8.1%と四半期単位でこれまでにないほどの利益を計上。マツダは他社と比較すると営業利益率が低い傾向にありましたが、7-9月期だけで見れば、日産、ホンダを超えており、世界的に見ても十分高い利益率となっています。3年前通期で赤字を計上していたことを考えると体質は大きく改善。

出典 マツダ 2024年3月期 第2四半期決算  プレゼンテーション資料より

出典 マツダ 2024年3月期 第2四半期決算  プレゼンテーション資料より

生産台数は前年同期比+9.0万台の59.3万台。22年が4-5月での上海ロックダウンに起因する部品不足により生産を落としたために、前期比では+18%の大幅な増加。販売台数は前期同期比+10.2万台(+20%)の61.6万台、半導体不足が本格的に解消し、生産量が回復した半期となりました。

販売を地域別にみると、前期比で北米、欧州、日本が大きくプラスなのに対して中国、ASEANがマイナス。前期は上海ロックダウンで営業日が極めて少なかったにも関わらず、今期がマイナスであったことを踏まえると中国での販売の落ち込みは極めて深刻です。またASEANも自動車向けローンの審査厳格化などにより需要が落ち込み、マイナスに。地域によって業績に差が出ています。

2020年ごろのマツダは世界各地域の販売比率が日、欧、米、中、その他でほぼ均等20%ずつという点に特徴があったのですが、直近では比率に大きな変動が。北米が全体の40%を超える一方で、中国は6%まで比率が低下しています。利益率の高い北米での販売増が過去最高の大きな要因となる一方で、中国の落ち込みをいかに抑えるのかがマツダの直近の課題となっています。

出典 マツダ 2024年3月期 第2四半期決算  プレゼンテーション資料より

出典 マツダ 2024年3月期 第2四半期決算  プレゼンテーション資料より

個別の市場を分析すると日本は生産回復と共に販売も+20%と回復、シェアも拡大。少し気になるのはこれまで販売を牽引してきたCX-8が年末に販売を終了してしまうこと。後継車種であるCX-80については未だに販売開始時期の発表がなく、販売台数減につながらないかが心配されます。 

出典 マツダ 2024年3月期 第2四半期決算  プレゼンテーション資料より

出典 マツダ 2024年3月期 第2四半期決算  プレゼンテーション資料より

、続いて絶好調北米。他社同様に高需要継続+半導体不足解消による大幅な生産、販売増。今回の好業績の一番の要因となっています。ラージ商品群+価格見直しによる単価UPに円安効果が加わりまさに「ドル箱市場」。アラバマ工場で生産される「CX-50」も7月より2直化が開始され、下期も台数は伸びていきそうです。

出典 マツダ 2024年3月期 第2四半期決算  プレゼンテーション資料より

出典 マツダ 2024年3月期 第2四半期決算  プレゼンテーション資料より

欧州でも日本、北米と同様に生産、販売が大幅に増加。環境への意識の高い欧州ではCX-60 のPHEVの販売が伸びており、売上高を伸ばす大きな要因となっています。欧州は22年販売数が低かったために、前期比で大きく販売が伸びているのですが、マツダは全体よりも大きな伸びを見せ、シェアは拡大しています。

出典 マツダ 2024年3月期 第2四半期決算  プレゼンテーション資料より

出典 マツダ 2024年3月期 第2四半期決算  プレゼンテーション資料より

問題なのはやはり中国。前期比▲8&と厳しい戦いを強いられています。7-9月期に入ってからは若干の回復は見せているものの、NEVのシェア拡大が大きく、ICE主体のマツダは台数の維持が精いっぱいの状況。コロナ前の2019年3月では年間24.7万台あった販売台数は上期時点で4.5万台にまで落ち込み。今後これ以上台数を落とさない+挽回に向けた計画が必要となっています。

出典 マツダ 2024年3月期 第2四半期決算  プレゼンテーション資料より

出典 マツダ 2024年3月期 第2四半期決算  プレゼンテーション資料より

マツダの特徴はその他の地域でも販売比率が大きい点。オーストラリアでは前年比で台数を伸ばしたものの、物流要因でデリバリーができなかったこともあり、北米や欧州ほど大きく増加はしていません。ASEANでは主要市場のタイで自動車市場全体が落ち込んでいることもあり、台数が▲45%と大きく減少しています。

出典 マツダ 2024年3月期 第2四半期決算  プレゼンテーション資料より

出典 マツダ 2024年3月期 第2四半期決算  プレゼンテーション資料より

これらを踏まえて営業利益の増減要因を見ると、出荷台数増、構成変化により744億円のプラス。販売台数の回復とラージ商品群への移行→高価格帯へのシフトの効果が出ています。マツダは北米への輸出が多いので為替益が大きく出ているかと思いきや、上期で+143億円とそれほど大きくなっていません。これはタイバーツとメキシコペソが円安要因によりマイナスとなったため。直近足元では円安が続いているものの、今期はそれほど為替益は期待できないかもしれません。

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続きは、1778文字あります。
  • 2.通期でも過去最高更新へ
  • 3.マツダらしい電動化のために

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