【徹底解説:自動車メーカー決算　SUBARU】北米EVシフト加速で一気に仕掛ける電動化

ご安全に！

一番食べているアイスはあずきバー、カッパッパです。固さと甘すぎない、あずきバー大好きです。

自動車メーカー決算シリーズ、今回はSUBARU。これまでは減産割合が他社と比べ高く、生産調整の大きかったSUBARU。生産、販売の挽回、そして業績を回復させることが出来たのか。メイン市場の北米での景気後退、金利上昇に伴い実需減が想定される中、今期の業績見通しは。

その内容を詳しく徹底解説します。

スバルの2023年3月期決算、3年ぶりの増収増益　円安が利益押し上げ　24年3月期はコロナ前の水準へ

2023年3月期売上収益は前期比＋37.5％、大幅増3兆7745億円。前年同期がコロナ、半導体不足により大きく落ち込んでいるため、単純比較することはできませんが、前年より業績が大幅に回復していることは間違いありません。特に海外での売上が大幅に増えています。  

営業利益も前期比195％増の2675億円。営業利益率7.0％と国内各社の中でも高水準。営業利益の増減要因を見ると、やはり大きいのは為替益。前期比＋2226億円。海外、輸出の割合が多いSUBARUにとって円安は大きな追い風。そして販売構成差で1687億円のプラス。前年より販売台数が増え、加えて価格改善(要するに値上げ)は進んだ結果。

ただ、足元の原材料高騰により△1200億円。そして、ややこしいのが諸経費が△776億円と大きくコスト増になっている点。こちらは保証修理費372億円と多くを占めています。これは製品に不良があった時のための製品保証引当金、海外分の引き当てが円安により積み増す必要があったため。円安は減益要因にもなりえるのです。また直近では設備投資を進めていることから、製造固定費が159億円、コスト増になっています。

前期、日本自動車メーカーの中で半導体供給不足の影響を最も受け、販売/生産台数が伸び悩んだSUBARU。23年3月期は販売85.2万台と前期比で＋16％。ただコロナ禍前の水準までは回復しておらず、まだまだフル生産とは言えません。ただ、販売台数は16％の伸びに対し、売上は37.5％伸びていることを考えると1台当たりの価格が大きく向上。作れば作るほど儲かる環境にあり、どれだけ部品を確保し生産できるかがSUBARU業績のカギ

地域別の状況を見ると販売、売上の大半が北米が占めていることがわかります。実は2022年の販売台数ではテスラよりも上だったりします。北米はSUVなどの高利益車種の人気が高く、SUBARUブランドが浸透。着けば売れるまさにドル箱市場。ただ、販売が北米に偏りすぎていることは経営上大きなリスク。一本足の北米が倒れてしまえばSUBARUの業績も一気に悪化。SUBARUの経営状況を見る上では北米の景気動向をチェックしておくことが必要です。(特に直近は金利が大幅に上がっている＋景気後退懸念があり、新車販売にどうダメージがでるか。。。）