【徹底解説:自動車メーカー決算 マツダ】数量減がでかすぎる!ラージ戦略で描く挽回への道

自動車業界の最新ニュース解説を発信するニュースレター、モビイマ!。「各自動車メーカーの22年4-6月期決算」解説、今回はマツダ。北米を主力市場と位置づけ、これからラージ戦略を展開するマツダ。今期決算そして展望やいかに。
カッパッパ 2022.08.13
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お盆休み中は食べ過ぎることが決定しているので、いかに運動して+を抑えるか考え中、カッパッパです。

中期経営計画としてブランド力向上を掲げ、魂動デザインやスカイアクティブエンジンなど商品力の高いクルマを市場に投入、そしてついに待望のラージ製品群を販売開始するマツダ。ただ、4-6月期はあまりにも半導体供給問題の影響が大きすぎて…そして今年22年度の通期見通しは?ここでしか読めない情報、てんこ盛りで解説をお送りします。

1.大幅な出荷台数減により再び営業赤字へ

 マツダは8月9日、2023年3月期第1四半期(2022年4月1日~6月30日)の決算内容を発表した。第1四半期累計の売上高は6172億円(前年同期比1862億円減)、営業利益は195億円の赤字(同456億円減少)、経常利益は207億円(同58億円減)、当期純利益は150億円(同36億円増)となった。連結出荷台数は16万6000台(同9万5000台減)で、グローバル販売台数は23万3000台(同12万台減)。

2022年4-6月期は売上高、6172億円、営業利益-195億円と減収減益。経常利益、純利益では為替差により黒字を維持したものの、営業利益は赤字に転落。厳しい業績となりました。営業利益▲6.4ptはかなり大きい…

業績悪化の要因は生産/出荷台数の大幅な減。生産台数は▲22%20.9万台、販売台数▲36%の16.6万台。4-5月での上海ロックダウンに起因する部品調達不足が主要因。なお、生産よりも販売が少ないのは輸送LTの長い北米向けが出荷まで至らなかったため。地域別にみると、落ち込みが一番大きいのは中国▲50%、続いて欧州▲45%、北米▲42%。北米は販売台数が最も多く、高価格/利益の販売が多いマツダの主要市場。北米での販売落ち込みが営業利益赤字転落の大きな要因。決算発表では「前期は生産制約の中で米国や豪州の販売比率が高かった一方で、今期は前期に十分に商品をお届け出来なかったお客様への供給バランスを考慮し、グローバルで均等な配分」したために、利益が下がったことが説明されていました。

営業利益の増減要因を見ると、出荷台数減、構成変化により▲660億円+原材料高騰▲300億円が寄与し、マイナスの結果に。販売価格の改善(=値上げ)、販売奨励金抑制+220億円、為替+179億円、コスト改善+100億円の改善効果も減益要因を吸収しきれませんでした。

一言でまとめると「生産が出来ず、売上が伸びなかったので赤字」。決算発表で出された「生産台数について」が非常に状況を表しています。4-5月の落ち込み幅が著しい。ただ明るいニュースとしては6月以降の生産は回復していること、また上記で説明したように北米向けを中心に生産はできたが出荷に結びつかなかった洋上在庫が4万台ほどあり、これらが販売に結び付けば7月以降の業績はすぐに回復する見込みです。

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続きは、1452文字あります。
  • 2.これからは回復!据え置かれた通期見通し
  • 3.ラージ戦略での高価格帯シフトは成功するか

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