5分でわかるクルマニュース_モビイマ!1/8

自動車業界の最新ニュース解説を発信するニュースレター、モビイマ!。先週のニュースをダイジェストで紹介。この記事だけ読めば、最新の自動車ニュースを抑えられる。1週間の始まりにぜひ一読を。
カッパッパ 2023.01.08
誰でも

ご安全に!

長期連休が終わって、気分はもはやGWに何しようかと考えているカッパッパです。今年のトヨタカレンダーはいつわかるのだろう。

今年も仕事の前に「モビイマ!」の5分でわかるクルマニュースから。

先週のニュース/トピックスをカッパッパが厳選。コメント付きで解説。この記事だけ読めば、最新の自動車ニュースを抑えられる。1週間の始まりにぜひ一読を。

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【就活/仕事に役立つかもしれないクルマクイズ!】

2022年世界自動車販売台数、国別にみると1位は中国、2位はアメリカでした。では販売台数世界第3位の国は次のうちどれ?

ここに配置されたボタンは、ニュースレター上でのみ押すことができます。

答えはニュースレター一番下にて!

CES開幕!

アメリカで開かれている最新技術の見本市・CESでは、電気自動車や仮想現実などが注目を浴びている。
5日から始まったCESは、3年ぶりに新型コロナによる大きな規制がなく、展示面積が2022年より70%増えた。

世界最大規模のテクノロジーの見本市「CES」がアメリカ、ラスベガスで1/5~開催。自動車メーカーが大々的な発表をするのは「モーターショー」のケースが多かったのですが、直近ではCESでの発表が多くなっています。EVやソフトウェアへの移行が影響していそうです。

そんなCESの発表の中で気になるニュースをピックアップ。(ソニー×ホンダは別途解説

BMWは「BMW i Vision Dee」を発表。簡単にまとめると「ハードウェアとソフトウェア、仮想体験と物理体験の融合」。具体的には「ヘッドアップ・ディスプレイへ表示するデジタルコンテンツを増やす⇒ユーザーで選択可能」「音声とエクステリアで社外からコミュニケーション」とあるのですが、一番気になるのは「フルカラーE Inkテクノロジーによるボディカラーの変更」。好きな色に変え放題!と実装はかなり難しい(コスト高+こわれやすそう)はあるのですが、好きなタイミングで好きな色に変えられるのは非常に興味深い技術だと思います。10年後くらいには量産で出てきそうかな…

ステランティスはコネクテッドでの新部門立ち上げを発表。成長戦略の柱の一つとして、車が取得したデータをライセンス販売(運転者のデータを保険会社に売ったり、道路データを公共機関に販売)するビジネスモデルで30年までに年200億ユーロ(約2兆8000億円)増やす目標。かなり高い目標であると思うのですが、自動車の製造、販売だけでなくソフトウェアで継続的収益をあげることが出来れば、自動車メーカーの業績も大きく変化するはず。

同時に発表されたピックアップトラックの「ラム」ブランドの電気自動車(EV)も気になる。

タバレスCEOは「EVのコストは従来車よりも4割高い」と説明したうえで「この4割を消費者に転嫁するつもりはない」と話した。コスト削減が必要になるため、既存工場の閉鎖・縮小も辞さないとの考えを示した。

EVシフトでの選択と集中、コスト削減をどこまでやって販売価格をどこまで下げれるのかにも注目です。

「暖房で暖まりたいなら、シートベルトを使えばいいじゃない」を欧州メガサプライヤーZFが「ヒートベルト」を発表。冬季で航続距離が落ちるEVで暖房をどうするかは重要な問題。ヒートベルト×他の接触式のヒーターと組み合わせで最大+15%の航続距離拡大が可能とのこと。多くの電気を使う暖房はEVの航続距離に直結。いつ、どんな完成車メーカーで採用がされるのか、実際に乗ってみて効果がどれほどあるのか、ぜひとも試してみたいです。

目玉はゲームと自動運転

ソニーは4日(米国時間)、ラスベガスで開催される「CES 2023」にあわせて、ソニーホンダモビリティによる電気自動車(EV)新モデル「AFEELA(アフィーラ)」のプロトタイプを披露した。2025年前半の先行受注と'25年中の発売に向けて開発を進めていく。

日本を代表する「ソニー」「ホンダ」のコラボ「ソニーホンダモビリティ」がEVのプロトタイプを発表。ブランド名は「AFEELA(アフィーラ)」に。

目玉はゲームと自動運転。自動運転になれば、移動時間、車内をどう過ごすのかが重要になるわけですが、「移動空間をエンタテインメント空間、感動空間へと拡張する」としてゲームを推したプロトタイプ。「エピックゲームス(Epic Games)とも協業し、モビリティでの新たなエンターテインメント体験の創出を目指す。」とのことでクルマで各種好環境を整えてPS5(発売のころには6か7かもしれない)ができるになりそうです。

自動運転では

45個のカメラ、センサーをボディの内外に搭載。室内のインキャビンカメラやToFセンサーにより、ドライバーの運転状況や走行状態をモニタリング。不慮の交通事故防止を目指す。また、特定条件下での自動運転機能「レベル 3」を目指すとともに、市街地など広い運転条件下での運転支援機能、「レベル 2+」の開発に取り組む。

と最先端技術をもりもり織り込んで、運転車の負担減、自動運転範囲を広げる見込み(RIDARが少ないのが気になりますが)

販売は25年受注開始、25年北米から。おそらく超高級車(1000万レベル)だと思うのですが、日本の2大ブランドが協業しているだけに人気は出そう。日本でもいつから発売になるのか今後の動向に注目です。

またソニー・ホンダモビリティの川西泉社長兼COOのインタビュー、目指す方向性がわかる記事になっているので興味のある方はぜひ(ちょっと長い)

大幅値下げ

米電気自動車(EV)大手のテスラは6日、日本と中国で値下げしたと発表した。日本では最大82万円値下げするなど、日中ともに価格を10%程度引き下げた。EVを巡る競争が激しくなり、日中で販売台数の伸びが鈍化しており、値下げでテコ入れする狙いがあるとみられる。

受注残の大幅減や工場の稼働調整が入り、需要が落ち込んでいると報道されていたテスラ、値下げを発表し、販売台数の伸びへテコ入れ。

イケイケドンドンだった2022年秋までとは状況が異なり、工場の稼働率を保つためにも価格を見直し。1割以上という日本では最大82万とかなり思い切った内容。ただ、値下げは1台当たりの利益が低下するだけでなく、リセールバリュー、ブランド価値の低下につながるため、自動車メーカーにとっては諸刃の剣。取り急ぎ受注は増えるものの長期的に見た際に、果たして企業の業績にどう影響を与えるのか。値下げ後の23年1Qの決算がどうなるのか、今年の注目ポイントです。

ただテスラはそもそも自動車メーカーとしては営業利益率が高すぎ。

カッパッパ@ニュースレター「モビイマ!」🚗
@kappapa03
テスラ、値下げによる業績の影響を計算してみる。
22年3Q営業利益3688百万$、販売台数34.3万台。
大雑把に計算して1$=130円で約140万円/台の利益。
原材料高騰によるコストUPなしで、80万値下げしても十分利益が出て、営業利益率、7.3%くらいで自動車メーカーとしてはすごく儲かっているレベルに。
2023/01/07 08:10
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自動車メーカーでは5%超えていれば合格点なので、値下げしても既存メーカーよりは儲かっている計算に(とりあえず原材料高によるコストUPはおいておいて)

他社が値上げする中でテスラが値下げすれば、まだまだ需要は維持できそう。ただし2022年のような超高営業利益率(15%超え)は難しそうです。22年後半は株価も急落したテスラ。成長に暗雲が立ち込めてきた中、23年はどのような一年になるのか。23年要チェックポイントの1つです。

買うよりも早くてお得??

 トヨタ自動車系のKINTO(キント、名古屋市)が、新たなサブスクリプション(定額利用)サービスの第1弾となる新型プリウスの月額を最安で1万6610円にすることが5日、分かった。無線通信によるソフトウエア更新などの仕組みを備え、車両価値を下げないまま返却されるようにして月額を下げる先進的な手法を導入する。

12月末から予約が始まり、すでに長納期1年以上待たないと買えないと噂される「プリウス」。トヨタのサブスク「KINTO」だと月額1万6610円から乗れることが明らかに。ただしボーナス16万5千円×年2回で7年契約なので総額は370万5千円。保険や車検費用なども織り込み済みなので安いと思うか、リセールもできないので高いやないかと思うのは個人にとって分かれるところ。ただ旧型プリウスでの同条件よりも総額で47万減、OTAなどの更新も含まれることを考えるとサブスクとしてはかなりお得になっていることは間違いありません。

またプリウスは大人気で販売店に行っても納車は当分先…なのですが、

納期は厳しい状況だが、KINTOを扱う販売店によると「KINTOアンリミテッドのサービスを利用して新型プリウスUを契約すると、納期が3~4カ月に収まることが考えられる」という。

とのことなので早くプリウスに乗りたい人はKINTOでの契約も大いにありだと思います。走行性能が大幅UPした新型プリウス。早く街中で見てみたい+試乗してみたいです。

これは読んでおきたい2022年の振り返り

コンサル会社ATカーニーの2022年自動車業界振り返りレポートが実によかったのでここでご紹介。半導体供給不足や加速するEVシフト、ウクライナ侵攻など2022年の主要な項目、23年の課題もまとめられた自動車業界の方、必見のレポートになっています(これだけ読めばOKといっても過言ではありません)

お時間のある方はぜひご一読を!

カッパッパ@ニュースレター「モビイマ!」🚗
@kappapa03
ATカーニーのレポート、BEVの部分は特に必見で、想定以上に加速するEVシフトが数々の問題に直面して23年どうなるか?懸念事項がまとめられているのがとても勉強になる。
2023/01/06 19:25
19Retweet 111Likes
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今回も最後までお読みいただきありがとうございました!!

【クイズの答え】

答えは「④ インド」。これまでは日本が第3位を維持してきたのですが、半導体供給不足もあり、2022年は販売不振。遂にインドに追い抜かれてしまいました。日本は今後縮小市場、インドは自動車普及率が低く、まだまだ伸びていく市場。日本メーカーも売り上げを伸ばすには海外進出を進めていく他ありません。インドだと高いシェアを誇るスズキがやはり強い。トヨタもスズキと共同してインドでのシェアを伸ばそうとしていますが上手くいくかどうか。新進市場のインドの動向注目です!

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