5分でわかるクルマニュース_モビイマ!

自動車業界の最新ニュース解説を発信するニュースレター、モビイマ!。先週のニュースをダイジェストで紹介。この記事だけ読めば、最新の自動車ニュースを抑えられる。1週間の始まりにぜひ一読を。
カッパッパ 2025.01.27
誰でも

ご安全に!

気分はすでにGWの休みに向かっているカッパッパです。

セブンイレブンで出ている豆腐のスイーツバーがとても美味しいかつ、ヘルシーでよく食べているのですが、他社製の豆腐スイーツバーを食べたら、「なにこれ」と驚愕するほど美味しくなかったです。セブンイレブン、業績が悪いと言われていますが、味のクオリティは保証されているなぁと思った次第です。チョコに加えて新発売されたスイートポテトも美味しいのでおすすめです。

月曜の朝は「モビイマ!」の5分でわかるクルマニュースから。

先週のニュース/トピックスをカッパッパが厳選。コメント付きで解説。この記事だけ読めば、最新の自動車ニュースを抑えられる。1週間の始まりにぜひ一読を。

見えてきた「リバイバルプラン」

 経営再建中の日産自動車が国内でリストラに着手する方針であることが20日、わかった。商用車などを製造する子会社「日産車体」の湘南工場(神奈川県平塚市)で生産体制を縮小し、数百人規模の人員を削減する見通しだ。日産は昨年11月、世界で9000人規模の削減を進めると発表したが、国内での具体策が明らかになるのは初めて。

業績が悪化し、構造改革「リバイバルプラン」を実施することを発表していた日産。決算時には具体的な中身は公表されませんでしたが、徐々にその内容が明らかになっています。グローバル全体で人員削減9000人を実施するとしていましたが、北米や中国に続き、日本国内でも人員削減へ。子会社である日産車体での商用バンを生産終了→生産体制を縮小することが分かりました。

商用車は一定の需要が見込めるものの、利益率はそれほど高くない+日産が今回廃止する「AD」は長年モデルチェンジされておらず、競争力が落ちていました。業績回復に向けた構造改革が必要となる中で、採算性+将来性+競争力が低い商用車が対象となるのは、当然の流れなのかもしれません。グローバルで見た場合、生産能力が過剰なのは北米や中国で、すでに人員削減は始まっています。ホンダとの統合に向けても、まずは日産自社の中で業績回復の目途を立てることが重要であり、日聖域を設けることなく、日産全体として構造改革に取り組んでいかなければ、採算性の向上を成し遂げることは難しいと思います。

日産自動車は、北九州市若松区にEV=電気自動車向けの電池工場を建設することを正式に発表しました。2028年度の稼働開始を目指すとしています。発表によりますと、日産自動車は北九州市若松区の響灘エリアにおよそ15万平方メートルの土地を取得し、新たにEV向けの電池工場を建設します。投資額は1533億円で、来年度中に着工し、2028年度の稼働開始を目指します。

工場の再編と共に、新規電池工場の建設を発表。LFP電池(リン酸鉄リチウムイオン電池)を生産、日産九州工場に供給する予定となっています。現在、軽BEVの「Sakura」は三菱自動車の水島工場で生産されていますが、今後数量増と共に、日産が自社生産を進めていく計画です。業績改善のためには、「選択と集中」が不可欠です。不採算の事業を見直し、将来性のある事業には投資を行っていく。構造改革はホンダとの経営統合もあることから、短期間で効果をあげる必要があり、今後どのような再編が行われていくのかに注目です。

24年は減りました

欧州の新車販売台数は昨年、微増にとどまった。持続的なインフレや高金利、電気自動車(EV)に対する関心の薄さなどから、消費者が自家用車の購入を控えた。欧州自動車工業会(ACEA)が21日発表した2024年の欧州新車販売は前年比0.9%増の1300万台。完全EV販売台数は1.3%減となり、市場全体に占める割合は15%に低下した。ドイツなどが補助金制度を廃止したことが影響したもよう。

グローバルでもEVシフトが進んでいた欧州。ただ、補助金の打ち切りや購入希望層への需要が一巡した結果、24年は前年比▲1.3%の結果に。自動車販売台数の多い、ドイツ、フランスでの落ち込みが欧州全体のBEV販売台数を押し下げています。

現状、BEVはどうしても価格が高く、補助金がなければ販売が伸びません。ドイツ、フランスに代表されるように補助金の打ち切りが台数の伸びを止め、EVシフトが減速しています。充電インフラの整備が進んでおらず、利便性が高まらない、ドイルではカンパニーカー(会社が購入し、個人に社有車として支給する)としてBEV採用が減ったことも大きな要因となっています。

一方でイギリスではBEVの販売台数は増加しています。これは全販売台数のうち、一定BEVの販売割合を求める規制が試行されたために、自動車メーカーが実質的なEVの値下げを進め、販売を促進した結果によるものです。ただし、イギリスでは実態とかけ離れた目標のため、自動車メーカーからの見直し要請があり、実際に行うかどうかの議論が行われています。

EVシフトに先進していた欧州での減速。中国メーカーの進出もある中で、EVの販売不振により、欧州メーカーが苦境に立たされており、欧州自動車産業全体が危機を迎えています。自動車産業は経済に与える影響も大きく、地球温暖化防止のため、EVシフト推進を進めるのか、もしくは産業保護のため。環境規制を緩和していくのか。今後の欧州の環境政策動向に注目です。

政策、急展開@アメリカ

トランプ米大統領は20日、新車販売に占める電気自動車(EV)の比率を2030年までに5割にするとしたバイデン前大統領の21年大統領令を撤回した。5割の目標に法的拘束力はなかったが、米国内外の自動車メーカーは支持を表明していた。トランプ氏は大統領令で、50億ドルの基金から自動車充電ステーション向け政府資金拠出を停止するとし、35年までにゼロエミッション車規則を採用する州への連邦規制適用免除を撤廃するよう求めたほか、EV税額控除の終了を検討すると述べた。

トランプ氏、大統領就任に伴い、アメリカの政策は大きく変更。自動車産業にとっては環境規制の緩和=EVへの補助金、CAFE規制(Co2排出)見直し、そして関税強化が大きな影響を与える見込みです。

バイデン政権下では環境が目玉政策の1つとなり、IRAでの最大$7500の購入補助などEVへ手厚い支援が行われ、普及を促してきました。トランプ氏はEV補助金を中止する方向性を打ち出しており、実施されれば、BEVは購入者からすると、実質的には値上げ→販売が落ち込む可能性が高くなっています。ただ一方で、カリフォルニア州を代表とする環境規制を積極的な地域では、ZEVの販売規制が26年から開始、販売比率を達成できなければ多額の罰金を払うことになります。自動車メーカーはどのように販売車種を揃え、生産/販売していくのか、非常に難しい判断を迫られることになるでしょう。

そしてもう一つ大きな問題は関税強化。中国への関税強化は前回政権担当時からの既定路線でしたが、周辺国のメキシコ、カナダへも関税を強化。アメリカで生産、販売される自動車の完成品や部品はカナダ、メキシコで生産されているものも多く、関税強化が実行されればコストが大幅に上がることになります。企業内でコストを吸収しきることも難しく、製品販売価格に転嫁されていく可能性も高い+企業の採算性悪化も懸念されます。

サプライチェーンや車種戦略の大規模な見直しが迫られる、今回のトランプ氏大統領就任。今後どのような政策が打ち出され、いつから施行されるのか。そして各企業はどのようにその政策に対応していくのかに注目です。

*トランプ氏の大統領就任による自動車産業への影響は↓のレポートが詳細で非常に参考になります。時間のない方は最後にあるまとめ部分だけでも読んでおくと、今後のアメリカ自動車産業の注目ポイントがつかめて、とてもおすすめです。

【今週の一言】

2025年のトヨタカレンダーが出ています。今年はGW10日、お盆9日、年末年始10日のお休みで5/5(月)、1/5(月)が休みな点がポイントです。このトヨタカレンダーというか自動車業界のカレンダーは長年、年間休日が121日だったのですが、今回の春闘では+5日獲得が掲げられています。実現はなかなか難しいと思うのですが、年間休日121日は他業界と比べて多いわけでもないので、魅力UPのためにも今年増えてくれんかなーと思うばかりです。(単純に生産=売上が減るので簡単ではないのですが)

***

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今回も最後までお読みいただきありがとうございました!!

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