2022年、果たしてどうなる自動車業界!(22/5月版)

自動車業界の最新ニュース解説を発信するニュースレター、モビイマ!。今回は「果たしてどうなる自動車業界!」を解説します。2022年になって4か月。現在の自動車業界の現状、そしてこれからどうなるのか。5つの注目ポイントを解説します。
カッパッパ 2022.05.06
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ご安全に!

最近、子どもがYouTuberの真似を始めたカッパッパです。

2022年が始まって4か月。コロナ禍の2020年、半導体供給問題が噴出した2021年を経て、平常に戻っていくはず……だった自動車業界ですが、依然混迷中。まだまだ「通常」とはいえない状況が続いています。

年始に発信したこちらの注目ポイントを踏まえながら、22年5月時点での自動車業界の現状を解説。そして今後どうなっていくのかを予想します。

GW明けの仕事に役立つこと間違いなし。ぜひともこの記事を読んで、連休あけ、周囲と一歩差をつけましょう!

***

1.モビコラム

① 一向に解消されない半導体供給

2020年末から影響の出始めた半導体供給問題。時期を経るごとに解消の時期が遅くなっています。2022年に入ってからも半導体供給要因による減産が相次ぎました。トヨタでは遂に「意思のある踊り場」として長期的な減産を発表。海外メーカー含め工場の稼働調整は4月に入っても続きました。

5月以降も減産の見込みが高く、すでにトヨタ、ホンダなどでは稼働停止日があることを発表済み。これは後述する中国コロナロックダウンの影響もありますが、全体の総量としてネックになっているのはやはり半導体。日本メーカーが休みとなるGWも半導体メーカーは稼働するため、多少在庫は増えそうですが、抜本的な解決には至らない模様。

直近の大きな稼働調整は今年の夏ごろまで。しかしながら半導体ネックでの生産は引き続き、自動車業界が望む数量を作れるのは2023年以降になりそうです。現在、バックオーダーがかつてないほど積み上がり、また在庫水準も過去最低に。2022年後半は増産体制には入るものの、「平常」時のバックオーダー、在庫水準に戻るのは無理そうです。

② 中国で広がるコロナロックダウン

世界各地でワクチン接種が進み、ようやく収まるかに見えたコロナ影響。ところがどっこい、中国で感染が拡大し、サプライチェーンに影響が。

中国は国策として「ゼロコロナ」を推進しており、コロナ感染者が少しでも発生すると基本的にはロックダウン、都市封鎖に。2月以降、中国国内で散発的に発症地域がロックダウンし、工場が稼働できない、物流も停止する事態に。そして3月後半では上海で感染が拡大し、大規模なロックダウンに。約1ヵ月に及ぶロックダウンはテスラギガ上海やトヨタなどの主要自動車工場を止める事態を引き起こしました。

2021年は比較的コロナ影響が少なく、自動車の生産/販売を高く保つことのできていた中国。ここに来ての大幅な失速は自動車業界全体に大きくマイナス影響を与えるでしょう。

また、問題なのは中国国内だけではありません。中国から部品を調達し、他の国で生産しているラインにも影響が出ています。半導体ネックに加え、中国でロックダウンで工場が稼働できず、部品が生産できない/物流が機能せず製品出荷不可⇒日本で作る自動車の部品が足りない。4月の中旬以降、トヨタ、マツダ、スズキなど主要自動車メーカーが中国ロックダウンを理由に稼働を停止。

徐々に上海ロックダウンは解除の見込みが見えてきましたが、北京での感染が広がっている情報もあり、依然中国での生産リスクは高い状況。本当にいつどこで、ロックダウンが起きるかわからない。部品を作れるときになるべく作って、在庫を積み増しておくくらいしか手段はなさそうです。

他国についてはほぼ解消されたものの、中国で大きなネックとなった「コロナ感染拡大」。今後の感染の広がり、および中国政府の方針によりますが、2022年はまだまだ影響がでるでしょう。

➂ 新たに浮上した「ロシア」リスク

ロシア、ウクライナ侵攻。まさかロシアが戦争を始めるとは年始には全く想定していなかった事態。自動車業界にも大きな影響が出ています。

まず、主要自動車メーカーはロシア国内の工場を稼働停止。輸出も制限。市場自体はそれほど大きくないものの、販売台数の多いルノー、現代は影響大。ロシアで一番売れているブランド「アフトワズ」はルノー傘下にありましたが、株を売却し、撤退する見通しとなっており、ロシアでの自動車産業そのものが大きく減退していくでしょう。

また侵攻により、他国に供給する部品にも影響が。侵攻先のウクライナでは欧州メーカーに供給されるワイヤーハーネスの工場が多数あり、3月にはVWなどの完成車工場が稼働を停止しました。生産移管により現在は生産を再開していますが、移管費用などの負担は業績に影響を与えるでしょう。

中長期で見た場合、自動車業界にとっては原材料の供給および価格の高騰が問題に。排ガス触媒として使用されるパラジウムは4割がロシア生産、電池の生産に必要なニッケルでは1割、また半導体を作るうえで欠かせないネオンの5割はウクライナ製。5月時点ではまだ供給に影響は出ていませんが、今後侵攻が長期化すれば不足するリスクがあり、値段は上昇していることから販売価格への影響が懸念されます。

そしてロシアからの石油供給が滞っていることにより、原油価格が高騰。ガソリン価格が近年ないほどの高値をつけ、消費者にもすでに影響が出始めています。ガソリンを使わないEVが有利かと思いきや、電力価格も上昇しており、どちらが良いとは言えない状況。ロシア侵攻により、自動車業界のトレンド「EVシフト」は大きく変化しているわけではありません。燃費の良いHEVには若干の追い風となっています。

ロシア、ウクライナ侵攻がいつまで続くのか。終了した後のロシアとの各国の関係がいかなるものになるか。状況はまだまだ不透明。自動車業界にとっては下方の影響を与える大きなリスク要因になっています。

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