【徹底解説:自動車メーカー決算 ホンダ】上方修正!だけれども四輪事業の収益は…
アップルウォッチの充電が切れかけ層で改札を通るのが危なかった、カッパッパです。文明の利器に頼りすぎると時にえらい目に合うことに
自動車メーカー決算シリーズ今回はホンダ。GM/ソニーとの提携、苦しんできた四輪の収益性改善のため、会社の体制の見直し、工場/モデルの集約化などの構造改革を進めてきました。果たしてその効果は。そして今期の見通しは?
今回は4輪の解説なのですが、見るたびに思う、二輪の圧倒的強さ。自動車だけでなく、他で稼ぐことのできる他業種展開がホンダの強み。その内容を含め、ホンダ決算、どこよりも詳しく徹底解説します。
1.増収増益…だが手放しで喜べない4輪業績の厳しい
ホンダは11月9日、2022年4~9月期(第2四半期累計)の連結決算を発表。二輪販売台数の増加や円安影響などもあり、増収増益となった。
売上高は前年同期比15.7%増の8兆0853億円となった。営業利益は半導体供給不足の影響による四輪生産・販売台数の減少、原材料価格高騰の影響などはあったものの、商品価値向上に見合う値付け実施やインセンティブの削減に加え、二輪販売台数の増加や為替影響などにより同2.5%増の4534億円。四半期利益は同13.0%減の3385億円となった。

引用:HONDA 2022年度 第2四半期 決算説明会資料 より
2022年度上期売り上げは前期比+15.7%増,8兆853億円、営業利益は+2.5%、4534億円、営業利益率は5.6%(▲0.7pt)。増収増益ながらの営業利益が下がる手放しでは喜べない内容となりました。

引用:HONDA 2022年度 第2四半期 決算説明会資料 より
やはり厳しいのは自動車=四輪事業。
特に北米での販売台数の落ち込みがひどく、前年比で▲44.5%と半減に近い数字に。北米生産の車種の半導体供給が滞ってしまったこと、前年は販売店在庫も活用して台数を確保していましたが、今期は在庫も尽きてしまい販売が伸びず。日本や中国では7-9月期は前期比+なので、北米の凹みがより強調されて見えます。

引用:HONDA 2022年度 第2四半期 決算説明会資料 より
事業ごとの収益で見ると四輪は営業利益率、1.3%と何とかギリギリ黒字を確保。利益率の高いオートローンなどの金融事業と合わせても3.3%。自動車業界、他社と比較しても低い値。(トヨタやスズキ、三菱自動車は5.0%超え)構造改革を進め、収益性を向上させてきましたが、自動車業界全体の課題、部品不足で生産が上がらない問題の影響が大きく、前期より収益性は悪化しています。

引用:HONDA 2022年度 第2四半期 決算説明会資料 より
営業利益の増減要因を見ても、やはり「売上台数、構成変化」で▲338億円。他社が販売構成要因で大きく+なのとは対照的。為替影響の1532億円で+に転じているものの、営業利益はギリギリプラス。税引き前利益はマイナスの結果に。うーん、厳しい。
いや、それにしても相変わらず二輪の収益性の高さはすごい。営業利益率15.9%。売上高は四輪事業の30%以下ながら、営業利益は四輪事業の3.5倍。自動車以外の事業を持ち、十分に稼げる力を持っているは他社にないホンダの強みです。
増収ながらも販売が増えず、厳しい内容となった上期決算。足元でも半導体供給問題による生産減が続いているホンダ。果たして今期はどのような見通しとなっているのでしょう。