【徹底解説:自動車メーカー決算➂】絶好調決算だけど中身を見ると先行きは?トヨタ/ホンダ/マツダ編

自動車業界の最新ニュース解説を発信するニュースレター、モビイマ!。今週、来週にわたり「各自動車メーカーの21年10-12月決算」を解説します。今回はトヨタ/ホンダ/マツダを発信します。
カッパッパ 2022.02.12
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ご安全に!

自動車メーカー決算発表Week。今回がラストということで、トヨタ/ホンダ/マツダをお送りします。

この3社、今回の発表はかなりの好業績だったのですが、中身を見ると手放しでは喜べない内容に。特にトヨタは前回までの決算、強気の姿勢がかなり弱まっています。

一寸先は闇。VUCA(最近覚えた言葉:ブーカと読むらしい)な時代と言われる昨今、自動車メーカーは今年果たしてどうなるのか。

3社の決算について発表資料を基に分析していきましょう。

1.モビコラム

モビコラムでは、カッパッパが自動車業界最新トレンドを独自の視点と切り口で語るコラムです。かなり力を入れた内容で仕事/投資に役立つこと間違いなし!

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① 為替と販売奨励金減で上方修正。相変わらず二輪が強い!好調ホンダ決算

ホンダ、21年度3四半期累計の決算は実に好調。売り上げは前年比+1兆1303億円、営業利益は+6716億円、営業利益率は4.7%⇒6.3%と向上。どの数字を見ても、前年比プラスであり、業績がコロナ禍から回復していることが明確になっています。

ただし、やはり問題になるのは半導体供給問題。ホンダも他社同様に部品の確保に苦労し、生産台数を伸ばすことが出来ていません。

主要市場、まず日本。新型Vezelが好調な一方で、メイン工場である鈴鹿工場が稼働調整。軽自動車で絶対的王者であった「N-BOX」が首位を明け渡した月もありました。この3か月では全需に対して落ち込みは低いものの、これはトヨタの減産が本格に始まったのが10-12月期であり、ホンダが特別に改善したわけではありません。3四半期での累計で見ればマイナスで、他社よりも減産のダメージは大きいでしょう。

主要市場その2、アメリカ。アメリカは今非常に需要が旺盛で、販売奨励金を少なくしてもすぐに売れる状況。販売台数は日本よりも落ち込みが少なく、ホンダの中でもアメリカを優先していることがわかります。ただ、直近の10-12月期は全需よりも落ち込みが大きく、やはり思ったようには作れない環境。

売れ筋のCIVICが2022 North American Car of the Yearを受賞したのは大変良いニュース。半導体供給問題が解消されてたくさん売れると嬉しい。

主要市場その3、中国。こちらは減産幅が非常に大きく、全需に対してどちらの時期もマイナス。中国は国の力で半導体供給を中国国内メーカーに優先配分したという動きもあり、海外メーカーの減産幅が相対的に大きく見える形になっています。需要は本当に旺盛なので作れば売れるのですが、部品が確保できないのは本当につらい。ちなみに中国にEV専用工場を新設することを発表。国内や他海外の工場は集約を進める中で、成長市場である中国は新規に立ち上げ、生産能力を増強する計画です。

第3四半期累計での営業利益は前期比+1865億円。大きくプラスなのは売上変動⁼販売奨励金(インセンティブ)減と為替差。販管費の減+800億円、品質関連費用の減少と大きなリコール等がなかったことも影響がありそうです。

第3四半期累計の内容をまとめるとこんな形に。半導体供給問題に関しては主要市場での販売台数の割合を見ればわかるように、世界全体で優先順位をつけ、融通し合うことで生産減をなるべく少なく、かつ利益の高い地域、車に集中。生産が回復しつつあることもあり、状況は改善。原材料高騰はあるものの、為替差、販売奨励金減の効果が大きく、増収増益に。

ちなみにこのスライドの「減産タフネス」。なかなかのパワーワードで良いと思います。

しかし、二輪事業。四輪と比べて売上はものすごく少ないんですが(24%)、営業利益は四輪以上。営業利益率は14.5%と本当に儲かる金の成る木。TOPシェアはやはり強い…

通期見通しでは前回見通しに対し、四輪販売台数は維持。(二輪は△46万台の下方修正)営業利益はインセンティブ抑制、販管費、特に品質関連費用の減少により、前回見通しより1,400億円の上方修正の8000億円に。第3四半期累計の好業績と合わせ、今回の発表は好決算と言えます。

しかし、第3四半期累計だと好業績なのですが、実は10-12月期に限れば業績はさほど良いとはいえません。

10-12月期では前年比マイナス。特に四輪事業は△24.6%と非常に大きくなっています。

想定以上の為替差で+があるものの、販売台数の減少が大きく響き、営業利益は前期比△482億円。もし今後も半導体供給問題により同様の低水準な生産状況続けば、大変厳しい業績になっていくでしょう。ただし今回通期見通しの台数は維持、1月以降は稼働調整は入っているものの、10-12月期に比べれば生産台数は増えており、何とかなる…というかしたいところです。国内コロナ感染拡大で操業停止の工場もある中、3月まで作れる作り、少しでもダメージ減へ。

好業績ながらも、不安要素の残るホンダ決算。二輪事業の好調に支えられながら、選択と集中を進める四輪事業の採算性をより改善していけるのか、そして他社同様半導体供給問題を解消し、いつ生産が通常稼働に戻ることができるのかに注目です。

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